暮雪の候を使う時期や読み方、使い方と例文、結びについて解説しています。
時候の挨拶には聞き慣れた言葉だけではなく、暮雪の候のようにあまり聞いたことがない言葉もありますよね。
暮雪の候はいつ使うのがよいのか、意味などを知りたいと思う方は多いでしょう。
そこで今回は、暮雪の候の使い方を詳しくご紹介します。
暮雪の候を使う時期はいつからいつまで?
時候の挨拶の中には使える期間が明確に決まっているものもありますが、暮雪の候は2月上旬から中旬とはっきりとは言えない期間となっています。
なお、一般的には上旬は1~10日頃まで、中旬は11~20日頃までと言われていますよ。
暮雪の候は、2月1日~20日に使える時候の挨拶と覚えておくとよいでしょう。
暮雪の候の意味や読み方は?
暮も雪もそれほど難しい漢字ではないものの、普段はあまり使わない言葉のため、読みにくく感じる方も多いようですね。
また、候はそうろうと読み間違ってしまいやすいのですが、「こう」が正しい読み方となりますよ。
暮雪とは、夕暮れに降る雪という意味になりますが、時候の挨拶では冬の終わりの時期に降る雪という意味になります。
冬の真っ只中の時は、日が暮れるのが早く、夕暮れに雪が降っても気づきにくいですよね。
しかし、冬が徐々に終わりに近づいてくると日が長くなり、夕暮れ時も比較的明るいため、降る雪が見えやすくなります。
候には時期や時候、気候という意味があることから、暮雪の候は「夕暮れの雪が見えるくらい日が長くなり、冬から春へと季節が変わろうとしている時期ですね」という意味になりますよ。
暮雪の候の正しい使い方は?
暮雪には夕暮れに降る雪という意味があることから、その意味の通り、夕暮れに雪が降る時期に使ってもよいと思うかも知れません。
しかし、暮雪は冬の終わりを表す言葉のため、実際に夕暮れに雪が降っていなくても、2月上旬から中旬であれば使うことができますよ。
これとは反対に、12月や1月に夕暮れに雪が降り積もる地域であっても、暮雪の候は使うことはできません。
暮雪の候を使った例文
暮雪の候を使った手紙やはがきなどを送る時、特に気を遣うのがビジネス関係や目上の人ではないでしょうか。
失礼のないような書き出しは、どのように書けばよいのか悩んでしまいますよね。
そこここでは、3つのケース別に、暮雪の候を使った文章の書き出しの例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
暮雪の候の結び文
ビジネス文書では季節に関係なく使える定型文がありますが、時候の挨拶の季節に合わせた結び文にすると、文章全体に統一感が出るのでおすすめですよ。
ここでは、暮雪の候を使った場合の、結び文の例文をご紹介します。
※かしこは女性のみですが、どの頭語にも使える結語になります。
ただし、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどで使うには、カジュアルな印象となってしまいます。
かしこを結語に使う時は、親しい間柄の人にするのがよいでしょう。
暮雪の候を使うときに注意すること
ビジネス関係や目上の人に送る手紙やはがきでは、文章の書き出しにいきなり暮雪の候などの時候の挨拶を使うのはマナーとしてNGです。
暮雪の候のような〇〇の候は、時候の挨拶の中でも漢語調と呼ばれるもので、もう1つの口語調よりも丁寧な言い方になりますが、より相手へ敬意を表すには時候の挨拶の前に頭語をつけるのがよいでしょう。
ビジネス関係や目上の人に送る手紙やはがきなどで、一般的によく使われる頭語には「謹啓」や「拝啓」があります。
これらには「謹んで申し上げます」という意味があり、ビジネス関係や目上の人に送る手紙やはがきには欠かせないものと言えるでしょう。
また、頭語には結語が対となっているため、「謹啓」であれば「謹言」もしくは「謹白」を、「拝啓」なら「敬具」または「敬白」を文章の最後につけてください。
なお、友人や知人といった親しい人には、必ずしも頭語を使う必要はありません。
頭語を使われるとよそよそしさを感じてしまう方もいるので、相手との関係などを踏まえた上で使うかどうかを考えてください。
暮雪の候以外の2月の時候の挨拶はある?
暮雪の候はあまり聞き慣れない分、使うと相手の方にも喜んでもらえる時候の挨拶と言えるかも知れません。
ですが、誰でもわかりやすい言葉や、季節を想像しやすい時候の挨拶を使いたいという方もいるでしょう。
そこでここでは、2月に使える暮雪の候以外の時候の挨拶をご紹介します。
立春の候
二十四節気の立春から次の節気の雨水まで使える時候の挨拶で、例年2月4日頃から2月18日頃までになります。
立春とは春に入る(春が始まる日)という意味があり、旧暦では立春から季節が春になり、新年の始まりでした。
余寒の候
立春(例年2月4日頃)から2月末まで使える時候の挨拶になります。
余寒とは「暦の上の春(立春)を過ぎてもなお、寒さが続いています」という意味があります。
2月は気温が低いところが多いので、使いやすい時候の挨拶と言えるでしょう。
梅鴬の候
二十四節気の立春から啓蟄まで使える時候の挨拶で、例年2月4日頃から3月5日頃までになります。
梅が咲き、鴬の鳴き声が聞こえる時期になりましたね、という意味があるため、手紙やはがきなどを送る地域の状況に合わせて使うのがよいでしょう。
また、北海道や東北地方などの寒い地域では、梅が咲いたり鴬が鳴くのは3月下旬から4月になりますが、この時期には梅鴬の候は使うことはできません。
春寒の候
立春が終わる2月19日頃から3月中まで使える時候の挨拶になります。
春寒とは立春が過ぎて暦の上では春になったにも関わらず、ぶり返すような寒さが訪れるという意味があります。
余寒の候と似た意味ですが、余寒の候よりも長く使える時候の挨拶となりますよ。
三寒四温の候
例年2月4日頃の立春から3月5日頃の啓蟄まで使える時候の挨拶になりますよ。
三寒四温とは、寒さが3日続いた後に温かさが4日続くのを繰り返すという意味で、だんだんと暖かくなり春が近づいてくる時期を指す言葉です。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
まとめ
暮雪の候は、2月上旬から中旬に使える時候の挨拶になります。
使える期間の明確な決まりはありませんが、一般的な上旬、中旬に照らし合わせると1日~20日くらいまでとなりますね。
暮雪とは、冬が終わり春に近づくにつれ少しずつ日が長くなるため、これまでは見えなかった夕暮れ時の雪が見えるようになるという意味になりますよ。
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