時候の挨拶5月上旬・中旬・下旬の季節の挨拶の書き出しと結び文の使い方!ビジネス(漢語調)や柔らかいカジュアルな表現(口語調)に対応!
この記事は、時候の挨拶5月・上旬・中旬・下旬の書き出しと結びの例文や使い方をご紹介しています。
5月の時候の挨拶といっても、上旬・中旬・下旬によって使える時候の挨拶は変わります。
できれば季節感に合ったものを選びたいですよね。
また、時候の挨拶には漢語調と口語調があり、ビジネスで使うなら漢語調、プライベートは口語調となります。
細かい使い分けについて知りたい方は多いでしょう。
そこで今回は、時候の挨拶5月上旬・中旬・下旬の書き出しや結び、改まった形式である漢語調とカジュアルな口語調の例文や使い方などをご紹介します。
時候の挨拶(季節の挨拶)の基本の構成と書き方や使い方
時候の挨拶は日常会話で使うものではないので、普段から使い慣れているという方は少ないでしょう。
そのため、いざ文章を書こうと思っても、どのように書いたらよいのか悩んでしまう方は多いと思います。
時候の挨拶には基本の構成があり、それを踏まえた上で書くとスムーズに書きやすくなりますよ。
ここでは、時候の挨拶の基本の構成とその書き方をご紹介します。
前文
前文とは文章の冒頭となる部分です。
構成は「頭語」+「時候の挨拶」+「安否の伺い、感謝やお詫びを伝える、繁栄を喜ぶ」内容が基本となります。
主文
主文は前文の次に書く部分で、文章の本文を指すものになります。
構成は「起語」+「本題」となります。
前文からいきなり「本題」に入ると唐突な書き出しとなってしまうため、『さて』や『ところ』でのような「起語」を入れてから用件に入ることが大切です。
末文
末文は主文の後に書く部分で、文章の締めくくりに書く文です。
結びや結び文と呼ばれる部分ですね。
構成は「健康や繁栄をお祈りする言葉」や「指導や交誼をお願いする言葉」+「用件(返信のお願いや伝言)」+「結語」となります。
後付け
後付けは末文の後に書く部分で、構成は「日付」+「署名」+「宛名」となります。
「日付」は文章を書いた日にち、「署名」は差出人の名前、「宛名」は手紙を送る相手の名前になります。
この他に「脇付」や「外脇付け」があり、これらは宛名の左下に『侍史』や『親展』などを書き記すものですが、一般的な手紙では使用しないため、ここでは割愛します。
副文
副文は後付けの後に書く部分で、「追伸」にあたるものになります。
主文で書き忘れたことや念を押して伝えたい内容を書きますが、重ねて書くという意味合いから、お見舞いやお悔やみ、結婚などに関係する文章では、縁起が悪いとして使用はできません。
また、ビジネス関係者や目上の人などに使うのはマナー違反となります。
基本的には親しい人に宛てた手紙やはがきなどでの使用に留めます。
時候の挨拶の選び方(相手によって使い分ける)
漢語調は「〇〇の候」と書くもので、丁寧な表現となり文章の格式を高めてくれるため、特に礼儀を重んじる挨拶状に使うものとなりますよ。
一方の口語調は、話し言葉に近く、やわらかな印象を与えるものになります。
漢語調と口語調は手紙などを送る相手によって使い分ける必要がありますが、どちらを選ぶのがよいのかよくわからない方も多いですよね。
漢語調を使う場合と口語調を使う場合は、次のケースで分けるとよいでしょう。
漢語調を使う場合
・公式な文章
・幼稚園や学校関係の文章
・目上の人(恩師や先生など)
・親しくない一般の人
ただし、ビジネス関係者や学校関係の文章であっても、親しみを込めて、敢えてやわらかな表現となる口語調を使うケースもあります。
相手との関係性を踏まえた上で、漢語調か口語調を選ぶのがよいでしょう。
口語調を使う場合
・会社や学校の同期、クラスメート
・後輩
・プライベートで仲の良い友人・知人
・恋人
5月全般に使える時候の挨拶の書き出しと結びと例文「ビジネス編(漢語調)」
ビジネスシーンやお世話になった恩師などには、漢語調の時候の挨拶を使うのが一般的となります。
漢語調とは『〇〇の候』の形式となるもので、〇〇には季節にちなんだ言葉が入りますよ。
ここでは、5月に使える漢語調の時候の挨拶の書き出しと結びの例文をご紹介します。
書き出し
※〇〇の候の『候』の部分は、「〇〇のみぎり」や「〇〇の折」に変えて使うことができます。
ただし、〇〇のみぎりは主に女性が使う表現となっています。
男性が使用しても間違いとまではなりませんが、女性が使うものと意識しておくのがよいかも知れません。
例文
結びの挨拶
例文
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
(本文を書く)
若葉青葉の鮮やかな好季節に、皆様のご活躍をお祈りいたしております。
敬具」
5月全般に使える時候の挨拶の例文「ビジネス編(口語調・柔らかいカジュアルな表現)」
ビジネス関係者や目上の人に対しては、必ず漢語調を使わなければならない、ということではありません。
相手との関係性によっては、漢語調ではやや堅苦しさを感じさせてしまうことがありますよね。
そのような場合は、漢語調よりもやわらかい表現の口語調を使うのがよいでしょう。
ただし、カジュアルすぎてはいけません。
ここでは、ビジネスシーンなどで使える5月の時候の挨拶(口語調)の例文をご紹介します。
書き出し
結びの挨拶
結び文には季節に関係なく使える定型文と、季節の状況に合わせたものがあります。
季節の状況に合わせた結びの挨拶を使う場合は、時候の挨拶の言葉や内容と重ならないように注意して下さい。
相手の繁栄や体調を気遣う結びの挨拶
今後もよろしくとお願いする結びの挨拶
5月ならではの結びの挨拶
例文
(本文を書く)
末筆ながらますますのご活躍をお祈り申し上げます。」
5月上旬(1日~10日)の時候の挨拶の書き出しと結びと例文「ビジネス編(漢語調)」
ここからは、5月上旬、中旬、下旬それぞれの時候の挨拶をご紹介します。
「新緑の候」や「薫風の候」など5月ならいつでも使える時候の挨拶だけではなく、その期間ならではの行事や季節感に着目した時候の挨拶を使ってみるのもよいでしょう。
まずは、5月上旬に使える漢語調の時候の挨拶や結び文をご紹介します。
書き出し
※立夏の候は二十四節気にちなんでおり、5月5日頃から20日頃まで使える時候の挨拶になります。
また、初夏の候は二十四節気の立夏と小満を指すため、5月5日頃から6月4日頃まで使える時候の挨拶になります。
結びの挨拶
例文
毎々格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
(本文を書く)
季節の変わり目、健康には十分にご留意なされ、さらにご活躍されますことを祈念申し上げます。」
5月中旬(11日~20日)の時候の挨拶の書き出しと結びと例文「ビジネス編(漢語調)」
続いて、5月中旬に使える漢語調の時候の挨拶の書き出しと結びの例文をご紹介します。
なお、下記の他に、5月全般に使える漢語調の時候の挨拶も引き続き使うことができますよ。
書き出し
結びの挨拶
例文
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
(本文を書く)
さわやかな五月晴の空の下、貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
敬具」
5月下旬(21日~月末)の時候の挨拶の書き出しと結びと例文「ビジネス編(漢語調)」
5月下旬ともなると、地域によっては本格的な夏らしい暑さが続くようになりますよね。
また、草や葉が一層萌え、山々が青く光り輝きます。
ここでは、5月下旬に使える漢語調の時候の挨拶をご紹介します。
書き出し
※小満の候は二十四節気にちなんでおり、5月20日頃から6月4日頃まで使える時候の挨拶になります。
結びの挨拶
例文
毎度格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
(本文を書く)
時期柄、ご自愛専一に、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
敬具」
5月全般に使える時候の挨拶の例文「カジュアル編(口語調)」
親しい間柄の人には、ビジネスシーンで使えるやわらかい口語調よりも、さらにカジュアルな表現を使うことができます。
ここでは、5月全般に使える時候の挨拶(口語調)の例文をご紹介しましょう。
書き出し
漢語調の「〇〇の候」の意味を表す文は、口語調の時候の挨拶として置き換えられます
上記の書き出しでは、漢語調の新緑の候や薄暑の候などを口語調にしています。
また、この時期の情景を綴って挨拶することができますよ。
結びの挨拶
口語調の時候の挨拶を使ったら、結びの挨拶もカジュアルな雰囲気に統一しましょう。
5月全般に使える口語調の結びの挨拶の例文をご紹介します。
相手の嗜好や趣味に合わせた結びの挨拶
相手の体調を気遣う結びの挨拶
5月ならではの結びの挨拶
例文
(本文を書く)
汗ばむ陽気が続いたかと思えば、急に肌寒くなる日もあります。
お体には十分お気をつけください。」
5月上旬(1日~10日)の時候の挨拶の例文「カジュアル編(口語調)」
口語調の時候の挨拶も漢語調と同様に、5月上旬・中旬・下旬と状況に合わせて選ぶのがよいでしょう。
ここでは、5月上旬に使える時候の挨拶(口語調)の例文をご紹介します。
書き出し
結びの挨拶
例文
新しい生活にも慣れたでしょうか。
(本文を書く)
夏に向かう時期と言っても、まだ肌寒い日があります。
体調には気をつけてお過ごし下さいね。」
5月中旬(11日~20日)の時候の挨拶の例文「カジュアル編(口語調)」
時候の挨拶に季節感を盛りこむには、行事に注目してみるのもよい方法ですよ。
ここでは、5月中旬に使える口語調の時候の挨拶の例文をご紹介します。
書き出し
結びの挨拶
例文
都合がよければぜひお会いしましょう。
(本文を書く)
連休の後で忙しい時期ですが、どうぞご自愛くださいませ。」
5月下旬(21日~月末)の時候の挨拶の例文「カジュアル編(口語調)」
季節が本格的な夏へと動き出す5月下旬には、どのような時候の挨拶があるのでしょうか。
ここでは、5月下旬に使える口語調の時候の挨拶をご紹介します。
書き出し
結びの挨拶
例文
(本文を書く)
梅雨入りかと思わせる長雨が続いています。
体調には気をつけてお過ごし下さいね。」
5月の時候の挨拶に使える季節の話題
時候の挨拶は決まりきった言葉を使うだけではなく、オリジナルでの作成も可能です。
5月ならではの食べ物や花、行事などを取り入れることで、季節に合った挨拶文を作ることができますよ。
ここでは、5月の時候の挨拶に使える季節の話題をご紹介します。
食べ物や花や動植物
菖蒲、藤、カーネーション、チューリップ、バラ、スイートピー
行事やイベントや風物詩
時期や節気
自分独自の心に届く時候・時節の挨拶を考えてみましょう
ここまで、5月に使える時候の挨拶と結びの例文をご紹介しました。
時候の挨拶や結びの挨拶は、日常的に使うものではないので、苦手意識を持つ方は多いでしょう。
特に重要なビジネスの取引先や、お世話になった恩師などには失礼がないようにと思ってしまい、例文をそのまま使ってしまうこともあるかも知れません。
ですが、例文の書き写しでは、あなたの心が伝わりにくい文章となってしまいます。
何より、心がこもっていないことが相手に気づかれてしまうかも知れません。
それよりも、あなたらしいオリジナルの文章を作成してみませんか?
少しくらい下手でも大丈夫です。
窓の外を眺めて感じた季節の移ろい、昔の自分と重なる光景を見て思ったことなど。
何気ない瞬間の出来事を文章に綴ってみましょう。
あなたらしさを感じさせる文章は、きっと、相手の心を温かくしてくれるはずです。
親しい間柄の5月の時候の挨拶の例文
友人や親しい同僚などの間柄では、口語調と言っても実際の話し言葉に近い文章でも失礼にはなりませんよね。
ここでは、親しい人向けの5月にちなんだ時候の挨拶をご紹介します。
上司への時候の5月の挨拶の例文
上司への時候の挨拶では、一般的に「拝啓」などの頭語や漢語調の時候の挨拶は使いません。
ただし、他部署の上司や、普段関わりの少ない上司に対しては頭語や漢語調を使うのがよいでしょう。
それぞれの例文をご紹介します。
漢語調の時候の挨拶を使う場合の例文
△△支店では大変お世話になり、本当にありがとうございました。
(本文を書く)
季節の変わり目ゆえ、くれぐれもご自愛くださいませ。
敬具」
口語調の時候の挨拶を使う場合の例文
(本文を書く)
今後とも宜しくお願い致します。」
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
まとめ
時候の挨拶5月上旬・中旬・下旬の書き出しと結びの使い方や例文をご紹介しました。
一口に5月と言っても時期によって季節感や行事が変わるため、状況に合った時候の挨拶を選ぶと、より臨場感のある文章を作ることができるでしょう。
漢語調と口語調の使い分けや、口語調の中でもビジネスシーンに使えるものとプライベートに向いているものがありますが、手紙を送る相手との関係性によって選ぶことが大切です。
コメント