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夏至の食べ物は何?北海道・関東・関西など各地で食べ物が違うのが面白い!

夏至の食べ物

夏至の時期に食べられる食べ物や風習は何がある?

夏至は昼の時間が最も長くなる時期ではありますが、太陽信仰が昔からかなり浸透していた日本では地方ごとの風習や考え方が根付いているのです。

今回はこの夏至ごとに行われている各地の風習について具体的に調査し、この風習によって食される食べ物についても調査していきましょう。

秋分や春分のように祝日になっていない夏至で軽んじられることもありますが、地方ごとの違いがみられる面白い日でもありますので、甘く見てはいけません。

夏至の食べ物【地域別】

このように世界レベルでイベントがあるのが夏至なのです。

ここでは、夏至にかかわる食べ物について紹介してまいります。

北海道

北海道の魅力として、海や山からの恵みが豊富にあることはよく知られていますね。

そこで、夏至の時期に北海道ではどのような食べ物を楽しむのか、興味を持つ方も多いかと思います。

新鮮な魚や地元で収穫された野菜をふんだんに使った料理を想像されるかもしれません。

しかし、意外かもしれませんが、北海道には夏至に特定の食べ物を食べるという習慣は存在しないのです。

ただし、夏至の時期には「夏至祭」や「白夜祭」といった地域の祭りが行われることがあります。

これらの祭りでは、地元の人々が集まり、季節の食材を使った料理を楽しむことがあるかもしれません。

それでも、北海道全体で共通の食事の習慣があるわけではありません。

地域に根ざした小さな集まりや、家族単位での楽しいひと時を過ごす場合が多いようです。

北海道の夏至を過ごす際は、地元の自然が生んだ素材を活かした料理を試しながら、地域の風習や文化を楽しむのがおすすめです。

東北

東北地方や北海道では、特定の季節に特別な食べ物を食べるという風習があまり見られません。

なぜでしょうか。

それは、地元で採れた新鮮な食材を、収穫されたその日に味わうことを重視しているからです。

つまり、夏至であろうと他の季節であろうと、その時期に採れた食材をそのまま楽しむのが一般的なんですね。

このようにして、いつでも新鮮で美味しい食事を提供できるのは、地域の豊かな食文化の表れとも言えます。

関東

関東地方に伝わる夏至の風物詩に、新小麦で作られる特別な焼き餅があります。

この焼き餅は、小麦ともち米を同じ比率で混ぜ合わせ、ふんわりとしたお餅を作り出します。

この食べ物は奈良県の半夏生餅に非常に似ており、どちらも古来から続く伝統的な食べ物です。

特に、この焼き餅は豊かな収穫を願う行事に欠かせないもので、その起源は奈良の半夏生餅と同様、田植えの成功を祈るために作られたものです。

なぜ小麦を使用するかというと、関東地方では二毛作が行われている農家が多く、小麦の収穫後にすぐにもう一度作物を育てることが多いからです。

さて、このお餅の最大の特徴は、食べ方にあります。奈良の半夏生餅がきな粉で楽しまれるのに対し、関東の焼き餅はその名の通り、焼いてから頂くのが一般的です。

その焼き上がりの香ばしさが、夏至の時期にぴったり合います。

以下の表に、二つのお餅の主な違いをまとめてみました。

特徴 関東の焼き餅 奈良の半夏生餅
主な材料 小麦ともち米 小麦ともち米
食べ方 焼いて食べる きな粉をまぶして食べる
起源 豊作を祈る田植えの行事 豊作を祈る田植えの行事

このように、地域ごとに異なる伝統的な食べ物は、その地域の歴史や文化を色濃く反映しています。

それぞれのお餅が持つ独特の風味や食べ方を楽しむことで、その土地の文化に少し触れることができるのです。

愛知県

愛知県の尾張地方では、夏至の際に特別な料理が召し上がられます。

その名も「イチジク田楽」です。

こちらは、イチジクを半分に切り、その上に田楽味噌をたっぷりとかけていただく料理です。

イチジクは栄養が豊富で、昔から不老長寿の果物として親しまれています。

また、田楽味噌を使う「田楽」は、平安時代中期に起源を持つ豊作を祈願する踊りが元となっており、その伝統が色濃く反映されています。

この食文化は、健康と豊かな収穫を願う心から、夏至に選ばれるようになったのです。

夏至という特別な日に、この伝統的な食べ物を楽しむことで、一年の健康と豊かな生活を願っているのですね。

福井県

福井県奥越地域の夏の風物詩、それは「半夏生鯖」のお話です。

半夏生とは、夏至から数えて11日目のことを指し、この日には鯖を焼いて食べる風習が古くから伝わっています。

この風習の起源は、江戸時代まで遡ります。当時、大野藩主が農民の夏の疲れを癒すため、越前海岸から新鮮な鯖を取り寄せ、それを丸焼きにして配ったことから始まったそうです。

さて、鯖はなぜこの時期に選ばれるのでしょうか。

実は鯖には高品質のタンパク質が豊富に含まれており、夏バテ防止に効果的だとされています。

そのため、現代においてもこの時期には多くの人々が鯖を食べて夏の暑さを乗り切っています。

特に福井県大野市では、鮮魚店からは鯖を焼く香ばしい煙が立ちのぼり、訪れる人々を迎えてくれます。

この地域ならではの伝統と現代が見事に融合した風景ですね。

夏が来るたびに、地元の人々はこの習慣を通じて先人たちの知恵と豊かな海の恵みに感謝しているのです。

関西


関西地方には、夏至の時にタコを食べるという美しい習慣がございます。

この風習は、ただの食事としてではなく、ある願いを込めた行事として受け継がれています。

タコの持つ8本の足を稲の根が地にしっかりと張る様子に見立てて、「豊作を願う」という意味が込められているのです。

さらに、この期間のタコは栄養が豊富で、特に夏バテ防止に効果的なため、食べることが推奨されています。

このように、伝統と健康が見事に結びついた習慣は、地元の方々に大切にされており、季節の変わり目を彩る一つの文化として、親しまれています。

三重


三重県では夏至になるとミョウガを食べる風習があります。

この頃がミョウガの旬となりますので、みそ汁に入れて食べるといいでしょう。

香川


うどん消費量が非常に多くうどん県とも呼ばれている香川では、農作業が終わる半夏生になるとうどんを食べるという風習があります。

九州

九州地方には、独特の風習として小麦餅や団子を作る地域が存在します。

特に、夏至から半夏生の期間に田植えを行い、その作業を終えた後、田の神様に感謝の意を表すためにこれらを供えるのです。

その後、田植えを手伝ってくれた方々にもこれらの食べ物が振る舞われます。

この風習は、収穫に対する感謝と今後の豊作を祈る心から生まれたものです。

また、熊本県では「いきなり団子」という名物があります。

これは、地域ごとに異なる伝統的な食文化を象徴する一例とも言えます。

各地で受け継がれるこれらの風習や食べ物は、その地域の歴史や文化、人々の生活が息づいていることを感じさせてくれますね。

夏至の風習


夏至は各地で独特な風習や考え方があるので、地方ごとにかなりの特色が出るイベントが催されます。

最も昼が長くなり、太陽の恵みを感じられると考えられていた夏至はどのような風習が残っているのでしょうか。

また、夏至は二十四節気の一つであり6月22日頃から7月7日頃が該当するということ、そして夏至の期間は半夏生という雑節が存在し、夏至のスタートから11日目に発生する半夏生(現代は7月2日で固定)までの期間は田植えを行うタイミングとして農家の方々は重要視していました。

この情報を念頭にご覧ください。

関東

関東における夏至は神に供えるために、新しい小麦を使って焼き餅を作るというものです。

このお餅にはもち米が混ざっているようで、正式名称は「半夏生餅(はんげしょうもち)」となります。

ただし、このお餅には別名もあって「小麦餅」とか「さなぶり餅」と呼ぶ地方もあるようです。

この風習は二毛作をしている地域では6月上旬に小麦を収穫していたことが由来にあり、豊作祈願として小麦を使うようになったといわれております。

農家にとって半夏生は「畑仕事を終える節目」として扱われており、この半夏生が訪れると農作業が終わって一区切りがつくのでお休みとする地域もありました。

関西

関西では夏至になるとタコを食べます。

昔は動物性たんぱく質を摂取することが少なく、エネルギー摂取の目的つまり夏バテ防止のためにこの時期に意識してタコを食べていたという情報もあります。

また、タコの吸盤は非常に強力で地底や船底にしっかりと吸い付くので、その姿からしっかりと稲の根がはるようにというおまじない的な意味も込められているようです。

北海道

北海道では夏至になると夏至祭や白夜祭というのが行われており、夏が短い北海道では他県と比べると夏至にまつわる風習やイベントが多いという情報もあります。

スウェーデン街といわれる当別市ではスウェーデンで行われている夏至祭が行われていますし、東川町でも夏至祭が行われています。

いわゆる音楽フェスタや出店のような催しとなっていますので、今の人たちでも楽しめるイベントなのです。

群馬

群馬では半夏生になるとネギ畑に入ることを禁忌とする風習があるという情報があります。

長野(佐久地方)

長野県の佐久地方では「半夏ニンジン」「苗代ゴボウ」と呼ばれるものがあって、夏至になるとニンジンやゴボウの種をまくという風習があるようです。

三重(伊勢地方)

三重県の伊勢にある二見興玉神社では夏至祭が開催されており、とても大規模な禊が行われます。

夫婦岩に昇る朝日を見ながら行う禊なので、かなり有名でしょう。

三重(志摩地方)

三重県の志摩地方や熊野地方では「ハンゲ」という妖怪が徘徊するという言い伝えがあり、農作業を行うのはNGとされていました。

大阪(南河内地区)

大阪の南河内地区や奈良県の香芝市周辺では関東地方と同じように小麦の餅をささげるという風習があるのですが、こちらは「はげっしょ」という独特な別名があるようです。

農作業を無事に終えたことを田んぼの神様に感謝してお供えをするという流れになります。

京都

日本の文化が色濃く残っている京都では、6月30日に水無月という和菓子を食べる風習があります。

こちらは「夏越の祓」という神道独特の儀式が元になっており、悪霊払いや暑さ対策という意味も込められているようです。

昔から京都は日本の中心であり農業のイベントとあまり結び付かなかったのですが、やはり夏至でも半夏生にまつわる風習ではなく別のものが登場しました。

奈良(香芝地区)

先ほど大阪府の南河内地区でも紹介したように、奈良県では「はげっしょ」という独特な別名がある小麦を混ぜた餅を用意します。

香川

香川県では半夏生になるとうどんを食べる習慣があり、香川県製麺事業協同組合が7月2日をうどんの日に制定しています。

福井県(大野市)

福井県の大野市では江戸時代のこの地の藩主が農民へのねぎらいとして半夏生になると焼き鯖を振舞ったという逸話があり、その名残から半夏生になると焼き鯖を食べます。

海外

太陽にまつわるお祭りは海外でも行われています。

ヨーロッパでは夏至は聖ヨハネの日であり、この日は「聖ヨハネの火」を用意するために焚火をするという風習があります。

これは夏至が過ぎると昼の時間が短くなることを太陽の力が衰えていくと考えて、太陽に力を与えるための儀式だったと考えられています。

ただし、この焚火のスタイルは国や場所によって異なりデンマークでは藁や布で作った魔女人形を焚き火で燃やすという風習があるようです。

豊穣のシンボルである草花で美しく飾り付けた柱を設けて踊るというスタイルもあります。

他には夏至のタイミングで発生する「露」は一番長く太陽の力を受けているために万病に効果があるという考え方があり、夏至の前日の夜から明け方にかけて薬草摘みやハーブ摘みを行う国もあります。

夏至の食べ物のまとめ

以上、いかがだったでしょうか。

今回は夏至についての各地の風習や、その風習にちなんだ食べ物についての情報をまとめてまいりました。

農民が多かった日本にとってこの夏至および半夏生は非常に重要な時期だったのですが、農業従事者が減ってしまった現代日本人にとってはあまり意識されない日となってしまいました。

それでも世界レベルで強く認識される特別な日ですので、夏至という日を大切にして過ごしてみてはいかがでしょうか。

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