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脱肛の戻し方のコツと対処法!自分でやる場合には?

脱肛の戻し方や治し方について!原因や症状は?

脱肛、という言葉を聞いたことがあるのでしょうか。

初めて聞いたという人も多いと思いますが、この脱肛、実は女性に多い疾患なのです。

しかし、「私、脱肛なのよ」と周囲に話す方というのは、日本全国探しても殆どいないのではないかと思います。

このようなことから、いざ自分が脱肛になっても友人や知人に相談することができず、人知れず悩みを抱えているケースが多いようです。

そこで今回は、脱肛について調べてみました。

脱肛とはどのような疾患なのか。

脱肛になる原因や症状は一体何なのか。

脱肛になった場合、セルフケアで治すことはできるのか、それとも手術が必要なのか・・など。

現在、脱肛で困っている方は勿論ですが、「もしかしたら私も脱肛かも・・」と疑っている方にも是非読んでいただき、今後の治療に役立てて頂きたいと思います。

脱肛の戻し方のコツと対処法!自分でやる場合には?

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肛門の外に出た粘膜部分は、自力で戻すことができます。

これを、「脱肛の還納」と言うのですが、還納は痛みがある時に無理に行うと症状が悪化する恐れがありますので、注意して下さい。

それでは、還納のやり方についてご説明したいと思います。

立って行う場合

1.足を肩幅程度に開きます。

2.前屈みの姿勢になり、肛門よりも頭が下にくるようにします。

3.ガーゼに痔の軟膏やワセリンを塗り、脱肛した部分にあてます。

4.指でゆっくりと押し戻します。この時、肛門の力を抜き、ガーゼで押さえている手と反対の手で肛門を広げてあげるようにすると、脱肛が戻りやすくなります。

寝て行う場合

立って行うよりも、寝て行う方が脱肛が戻りやすいと言われています。

1.仰向けの状態で床に寝そべり、お尻の下に座布団を入れて高くします。

2.痔の軟膏やワセリンを塗ったガーゼを人差し指に置いて、脱肛にあてて、ゆっくりと押します。

3.ガーゼごと指を肛門内に入れ、慎重に抜きます。

仰向けでの還納が難しい場合は、うつ伏せでも行うことができます。

1.床にうつ伏せになった状態から、膝を立て、お尻の位置を高くします。

2.両手を後ろに回し、痔の軟膏やワセリンを塗ったガーゼを肛門にあて、指で脱肛部分を押して戻してもよいでしょう。

座って行う場合

外出先でガーゼがない時や、脱肛の程度が軽度の時は、座ったまま指を使わずに還納をすることができます。

1.椅子にごく浅く腰掛け、両足を前の方に伸ばし、背中のけぞらせます。

2.この状態からお尻に力を入れると、脱肛部分が自然に中に戻っていくことがあります。

 

脱肛とは?

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脱肛とは、直腸の下部分の粘膜が肛門の外に出てしまう疾患を言います。

脱肛は「肛門粘膜脱」とも言われますが、よく似た症状に「直腸粘膜脱」があり、それが肛門脱なのか直腸脱なのかを私達が見極めることは難しいと言われています。

このため、脱肛が疑われる症状が現れた時は、すみやかに病院へ掛かるようにして下さい。

肛門脱だと思っていたら、それが実は直腸脱だった場合、放置によって症状が悪化すると、直腸が完全に出てしまう〝脱腸〟になってしまいます。

 

 

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脱肛の原因は?

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脱肛が起こる原因として、最も多いのがいぼ痔です。

いぼ痔には、歯状線と言われている部分から上の直腸部分に痔核ができる内痔核と、外にできる外痔核がありますが、脱肛はこの内痔核が進行することによって起こるのが多いと言われています。

内痔核は、いぼが小さい時は痛みをあまり感じずに出血が起こる程度なのですが、いぼが大きくなると下に垂れ下がってしまい、やがて脱肛(肛門の外に出てしまう)します。

なお、内痔核になる大きな原因は便秘です。

便秘になるとスムーズな排便が難しいことから、排便時にいきむことで腹圧が掛かり、粘膜が伸び縮みを繰り返すことでやがてその部分にたるみが生じ、そこに血液が流れこんでうっ血していぼを作ると言われています。

また、加齢によって肛門を絞める働きをしている肛門括約筋が衰えることでも、粘膜が肛門外に飛び出してしまいやすくなると言われています。

 

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脱肛の症状

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脱肛は進行具合によって症状が異なり、初期の場合は排便時に肛門外に粘膜が飛び出してしまうことで、「これは何かおかしい」と気付く方が多いようです。

とは言え、症状が比較的軽度の時は、飛び出しても自然と元に戻ってしまうことから、様子見をしてしまうケースが殆どのようです。

しかし、そのまま放置してしまうと、病状が進行し、排便時以外にもスポーツやくしゃみなど腹圧が掛かった時にも脱肛するようになります。

さらに進行すると、常に脱肛した状態となってしまい、指で押し戻す必要が出てきます。

また、粘膜は分泌液を出しているため、脱肛することで下着が汚れやすくなる、肛門周辺にかゆみや湿疹が生じる、などの症状が現れ、脱肛した部分が下着と擦れることで出血や強い痛みが出るようになります。

脱肛と痔の違いについて

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脱肛は、多くの場合、いぼ痔(内痔核)が進行したもの、病状が悪化したものと言われています。

また、脱肛は内痔核のような正式な病名というわけではなく、いわゆる症状の状態を表したもののため、痔の一種としての捉え方もできると思います。

とは言え、痔にはいぼ痔の他にも切れ痔や痔ろうという種類もあり、切れ痔や痔ろうが脱肛を起こすことはありません。

このため、痔=脱肛という図式は成り立たないことになります。

ただし、切れ痔が慢性化すると、その近くに〝見張りイボ〟と呼ばれるポリープができることがあり、このイボが肛門の外に飛び出して脱肛することはあります。

脱肛はどういう人やどんな時になりやすいの?

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脱肛は、乳幼児から高齢者まで比較的どの年代でも起こりうる疾患と言われています。

乳幼児や高齢者の場合は、肛門括約筋の発達が未熟であったり、逆に老化によって起こると考えられますが、実は脱肛は20~50代の女性が多く悩んでいると言われています。

この大きな原因には、女性の2人に1人が悩んでいると言われている「便秘」が挙げられます。

便秘になると排便時に強くいきんでしまう方が大半だと思いますが、この時、通常立っている時の3~6倍もの圧力が掛かっていると言われています。

圧力が掛かることで縮んだ粘膜が、再び広がる→腹圧が掛かって縮む→伸びる、を繰り返しているうちにたるんでしまい、そこがうっ血することで内痔核ができ、やがて内痔核が垂れ下がってしまうことで脱肛が起こります。

また、女性の場合は妊娠・出産も、脱肛を発症する大きな要因と言われています。

妊娠中はホルモンバランスが崩れて、これまで便秘ではなかった人も便秘になりやすいですし、あるアンケートによると出産時のいきみが原因で脱肛になった経産婦さんは、全体の9%近くに及んでいることがわかっています。

このようなことから、脱肛は女性がなりやすい疾患と考えられています。

 

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脱肛の治療法や治し方

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痔=手術と考えてしまう方は多いですが、脱肛の場合、症状の程度によって治療が異なります。

根本的な完治には手術による切除が最もよいですが、痛みがない、日常生活に支障がない、などの時は、担当医と診察の元で対処療法を行いながら、経過観察で様子を見るケースも多くあります。

では、脱肛の症状別の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。

軽い脱肛の場合

脱肛の症状が比較的軽い場合は、手術ではなく塗り薬や座薬を用いて、痛みなどを取り除く方法を選択することが多いようです。

また、日常生活の上で、便秘や下痢を起こさないように食生活を改善し、腸内環境を良好に保つなどの指導を受けることもあるようです。

症状がひどい脱肛の場合

症状が悪化した脱肛の場合は、手術による治療が行われます。

ただし、脱肛は便秘による内痔核や加齢による肛門括約筋の衰えが原因のため、手術によって一度は完治しても、また再発してしまう可能性もあります。

なかなか治らない脱肛の場合、病院は何科に行けばいいの?

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脱肛は、いぼ痔(内痔核)が元になって起こる症状の一つです。

このため、脱肛がなかなか治らない場合は、専門医である「肛門科」へ行くのが、一般的と言えるでしょう。

近くに肛門科がない場合は、消化器科や内科への受診となります。

妊娠中や産後に脱肛が起こった場合は、産婦人科でも診てもらうことができますが、このような場合であっても、もし手術が必要となれば、肛門科のある病院への転院となることを覚えておきましょう。

なお、内痔核があるからと言って、必ず脱肛が起こるわけではなく、内痔核は症状によって1~4度に分かれています。

Ⅰ度 排便時に出血が起こることはあっても、イボが外に飛び出ることはない。

Ⅱ度 排便時や腹圧が掛かった時などに、イボが外に飛ぶ出るものの、自然と元に戻り、それ以外は出てこない。

Ⅲ度 イボが外に飛び出したら自然と元に戻ることがなく、指で押し戻さなければいけない。

Ⅳ度 イボが常に外に飛び出し、押しても元に戻らない状態。

この場合、Ⅳ度であっても本人に痛みがなければ手術は行いませんし、Ⅰ~Ⅱ度の方が手術を希望するケースもあります。

必ずしも、脱肛=手術ではないので、脱肛の症状が出た時はまずは病院へ行き、自分の症状の程度や治療方法などについて相談してみるのがよいでしょう。

脱肛の手術について

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脱肛の手術には、内痔核を切除してしまうものの他に、痔核に流れ込む血液を阻害して痔核を小さくかためてしまう方法(ジオン注)や、痔核を切除するのではなくその上を筒状に切開し、脱肛部分を肛門内に戻して痔核に流れ込む血流を切除するPPH法、内痔核に輪ゴムを掛け、壊死して取り除く輪ゴム療法があります。

手術によっては日帰りが可能なものや、手術後の後遺症も異なりますので、脱肛の程度と合わせてこれらを主治医とよく相談し、手術方法を決めることが大切です。

脱肛の手術費用は?

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脱肛の手術の費用については、健康保険の適用になるかならないかによって、まちまちであると言えます。

仮に3割負担の保険適用になるとして、一般的に必要な費用は40,000~150,000円くらいでしょうか。

入院の日数によって違いますし、日帰りで行える手術であれば自己負担が10,000円程度の場合もあるようです。

なお、イボの数によって手術費が変わるということはないようで、イボが1つだけでも複数除去しても、上記が費用の目安となります。

脱肛を治す薬はあるの?

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現段階では、脱肛を完治するには手術以外の方法はないと言われています。

それを踏まえた上で、脱肛による痛みや炎症を抑えるために市販の痔専用の軟膏や痛み止めの座薬を使い、後は脱肛が起こらないように日常生活に気を付けることで、症状の進行を抑えることは可能と言われています。

ただし、軟膏や座薬を使う時は、患部を清潔な状態に保った上指で直接触れることはせず、ガーゼを使うようにしましょう。

また、これは脱肛を戻す還納の場合も同じですが、ガーゼがないからといってトイレットペーパーやティッシュペーパーを代用すると、肛門がただれを起こしてしまうことがあり、返って症状が悪化してしまうので止めましょう。

脱肛の予防法や防止について

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脱肛を予防するには、脱肛の原因となる内痔核ができないようにすることがとても大切です。

内痔核(いぼ痔)は、便秘による排便時のいきみや、下痢によって菌が感染し炎症を起こすことが原因で起こるため、まずは腸内環境を整え便秘や下痢を繰り返さないようにしましょう。

そのためには、善玉菌を増やすヨーグルトを始めとした乳酸菌入りの食品を意識して摂取したり、アルコールやトウガラシなどの刺激物の摂取を控えることが必要です。

また、お風呂の際はシャワーだけで終わらせるのではなく、ゆっくり湯船に浸かるのも効果的です。

湯船に浸かることで、お尻や肛門周辺の冷えが改善し、血行が促進されてイボ痔ができにくくなると言われています。

さらに、肛門括約筋を鍛えることでも、脱肛を防ぐことができると言われています。

トレーニング方法もとても簡単で、肛門をキュッキュッと強く締めるように2秒ずつ行うものと、10秒ほどギューッと長く締める方法を、毎日5分ほど行うだけ。

半年ほど行うと効果が現れると言われているので、是非試してみて下さい。

脱肛の原因や戻し方と治し方!手術の場合もあるの?のまとめ

脱肛は、便秘や妊娠・出産など、女性が患やすいキーワードが多くあるものの、普段の食生活や運動によって予防することも可能です。

日頃から、腸によい食事を行い、肛門括約筋を締めることで、脱肛を予防するように努めてみましょう。

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