夏の七草の意味や由来や特徴は?忘れにくい覚え方を紹介!

夏の七草について!春夏秋冬それぞれの七草の時期はいつ?

春の七草と言えば、1月7日の人日の節句に食べる七草粥(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろの7種類)ですが、それでは夏の七草とは何かご存知でしょうか。

もしかしたら、夏の七草なんて初めて聞いたという方もいるかも知れませんね。

夏の七草は、春の七草のように古来より受け継がれている風習ではないのですが、せっかくならこの機会に覚えてみてはいかがでしょうか。

そこで今回は、夏の七草について調べてみました。

夏の七草の種類や、覚え方などを解説します。

目次

夏の七草の意味や由来は?


夏の七草は、第二次世界大戦中の1945年に、日本学術振興会学術部が食糧難であっても食べられる草として、焼け野原でも生える生命力の強い植物を7種類選定したものです。

具体的には「あかざ、いのこづち、ひゆ、すべりひゆ、しろつめくさ、ひめじょおん、つゆくさ」となっており、これらを夏の七草と呼んでいます。

なお、夏の七草よりも有名な七草と言えば春の七草(冒頭に7種類をご紹介済)ですが、実は春の七草、夏の七草以外にも、秋の七草冬の七草もあります。

秋の七草は、春の七草や夏の七草、次に紹介する冬の七草とは異なり、食用ではなく観賞用なのですが、「おみなえし、おばな、ききょう、なでしこ、ふじばかま、くず、はぎ」となっています。

冬の七草は「大根、きゃべつ、白菜、春菊、ほうれん草、小松菜、ねぎ」となっており、こちらはどれも身近に感じる野菜ばかりですよね。

なお、春の七草の「すずしろ」は、今の大根のことを指しているので、上記だと春の七草と冬の七草には重複する草がある(大根は野菜ですが・・)ということになります。

夏の七草の種類や特徴


夏の七草は、春の七草の「七草粥」のように行事食として浸透したわけではなく、あくまでも戦時中の食糧難における食用とされたため、現代では知る人はほとんどいないのではないかと思います。

また、7種類を聞いてもあまりピンと来ない名前ばかりかも知れません。

そこでここでは、夏の七草の種類や特徴をご紹介します。

あかざ

アカザ科アカザ属の一年草で、赤紫色に白い粉が付着したような葉が特徴です。

一般的には雑草として駆除されますが、葉は茹でて食べることができ、同じアカザ科のほうれん草に似た味がします。

シュウ酸を多く含むため、生食には適していません。

また、お茶にして飲むこともあります。

いのこづち

ヒユ科イノコヅチ属の多年草で、日陰を好みます。

茎の節が膨らんでおり、これが猪子の膝に見えることから、これを槌に見立てて名前が付いたと言われています。

山や道端、藪など至るところに生えており、最後は果実がとげ状となって動物や人に付着し種子を運びます。

ひゆ

ヒユ科ヒユ属の一年草で、近年、健康や美容によいとして女性を中心に人気のあるスーパーフードの一種であるアマランサス(アマランサスはヒユ科の植物の総称)として、知名度が上がっている植物です。

ヒユ科の植物はわかっているだけでも20~300種類があり、細かい分類は難しいのが現状のようですが、主に食用として扱われるものをヒユとしているそうです。

すべりひゆ

スベリヒユ科スベリヒユ属の多年草で、茎は赤紫色をしており、夏になると枝先に小さくて黄色い花をつけます。

道端や畑などに地を這うように生息し、農業では害草として扱われますが、一方で地域によっては昔から食用として栽培していたところもあります。

「すべり」という名前は、葉を茹でるとぬめりが出ることや、地を滑るように生えることなどが由来していると言われています。

しろつめくさ

マメ科シャジクソウ属の多年草で、一般的にはクローバーとして知られています。

葉が3つですが、まれに4つ葉以上に生育することがあり、特に4つ葉のものは「幸せを呼ぶ」と言われています。

女の子なら小さい時に、白い花の部分を繋げて冠を作った記憶のある方も多いのではないでしょうか。

何とも日本らしい可憐な草ですが、実は原産地はヨーロッパです。

山菜として花の部分は天ぷらに、葉や茎はおひたしなどにして食べる方もいるようです。

ひめじょおん

キク科ムカシヨモギ属の越冬草で、北アメリカ原産の帰化植物です。

白、もしくは薄紫の花を咲かせ、道端や畑、荒れ地などに自生しています。

繁殖能力が強く、種子の寿命は35年とも言われていることから、駆除が難しい植物とも言われています。

茹でてお浸しにして食べることが多く、少し苦味があるものの独特の風味が感じられます。

つゆくさ

ツユクサ科ツユクサ属の一年草で、花が青色であることから青草(あおくさ)とも呼ばれています。

つゆくさの花は染料に使われ、葉や茎を乾燥させたものは解熱などの薬草として使われていました。

青い花が咲いている時期は食用も可能で、他の野草に比べて癖がないことからお浸しや天ぷら、炒め物などに用いられます。

夏の七草の覚え方を紹介!


夏の七草の覚え方は、「5.7.5.7.7」のリズムに7種類の植物を当てはめてみるとよいでしょう。

例えば、『いのこづち すべりひゆあかざ ひめじょおん しろつめひゆつゆ なつのななくさ』とすれば、最初からいのこづち→いのこづち、すべりひゆあかざ→すべりひゆとあかざ、ひめじょおん→ひめじょおん、しろつめひゆつゆ→しろつめくさと、ひゆと、つゆくさ、のように覚えやすいのではないかと思います。

なお、夏の七草には今回ご紹介している戦時中の食糧になる野草7種類の他に、園芸研究家の観修寺経雄氏が詠んだ短歌『涼しさは よしい おもだか ひつじぐさ はちす かわほね さぎそうの花』がモチーフとなっているものもあります。

この場合、夏の七草は「よし、いぐさ、はちす、おもだか、ひつじぐさ、さぎそう、かわほね」の7種類となります。

春夏秋冬の七草の時期は?


春の七草は、人日の節句に七草粥を食べることから1月に入ると食材がスーパーなどに並び始めます。

しかし、1月の上旬に道を見ても、雑草や野草が生えていることはほとんどありませんよね?

それなのにどうして?と思うかも知れませんが、理由は旧暦と新暦の違いにあります。

七草粥は旧暦から始まった風習ですが、新暦とは1ヵ月ほどズレがあるため、旧暦の1月上旬は2月の上旬から中頃だったと言われています。

そのため、旧暦では1月7日に七草を採ることができたのです。

夏の七草は、戦時中の食糧難によって選定されたことからわかる通り、新暦に始まったものです。

「夏の」という呼び名通り、時期としては初夏から晩夏となる5~9月頃となります。

秋の七草も春の七草と同様に旧暦に始まったものです。

こちらは観賞用ですが、見ごろを迎えるのは6~11月と言われています。

旧暦では7~9月となり現代では夏の感覚ですが、旧暦では7~9月が秋とされていました。

そして、冬の七草は、時期的に草が生えないことや選出に根拠がないことから、寒い時期に需要が高まる鍋に使う具材(野菜)を中心にラインナップされているものと思われます。

まとめ

春の七草はよく見聞きしますが、夏の七草は今回初めて聞いたという方も多いかも知れません。

夏の七草は春の七草のように昔から伝わる風習というわけではありませんが、道に生えている草を見て、食べ物に困ることがない現代をありがたく思ってみるよい機会になるかも知れませんね。

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