晩夏の候を使う時期はいつまでなのでしょうか。
晩夏の候の読み方や使い方、例文、結び文などをまとめています。
かしこまった手紙やはがきを出す時に欠かせない時候の挨拶。
8月に使える時候の挨拶に晩夏の候がありますが、どのような意味なのかよく分からない方も多いでしょう。
そこで今回は、晩夏の候について詳しく調べてみました。
晩夏の候を使う時期はいつからいつまで?
一般的には例年8月7~8日頃の立秋の後から、8月20日前後までとされています。
ちょうどこの時期は残暑見舞いを出すタイミングと重なりますよね。
そのため、晩夏の候は残暑見舞いの時候の挨拶として使う方も多いですよ。
晩夏の候の意味や読み方は?
晩夏とは二十四節気の小暑と大暑のことを指し、夏の終わりという意味があります。
二十四節気は一年を春夏秋冬に分け、さらに季節ごとに6つの節気に分けたもの。
一年を二十四等分にし、それぞれの季節感に適した表現を用いることで、主に種まきや収穫などの農作業の目安として使っていたと言われていますよ。
夏は大きく分けて初夏・仲夏・晩夏となり、晩夏は暑さがだんだんと治まって秋に近づいていく時期になります。
また、候はそうろうと読んでしまいやすいですが、「こう」が正しい読み方になりますよ。
候は時候や気候、季節を表す言葉なので、晩夏の候は晩夏の時期や季節という意味になりますよ。
晩夏の候の正しい使い方は?
晩夏の候は8月上旬の立秋から中旬に使う時候の挨拶とお伝えしました。
しかし、二十四節気では晩夏は小暑と大暑にあたるとご紹介しましたよね。
小暑は例年7月7日頃から7月22日頃、大暑は例年7月23日頃から立秋の前日となる8月7日頃に該当します。
晩夏の候が使える立秋以降は二十四節気では違う時期になってしまうので、これでは「どちらが正しいの?」となってしまいます。
そもそも時候の挨拶は、二十四節気を活用していた旧暦の時代に作られたものです。
そのため、基本的には時候の挨拶は旧暦に沿って使用するのが正しいことになります。
つまり、晩夏の候も7月上旬から8月上旬に使うのが正しいというわけですね。
ですが、現在の季節感ではこの時期に「夏の終わり」を感じる人はいないでしょう。
このようなことから、晩夏の候は季節感がしっくりと来る8月上旬の立秋以降に使う方がほとんどとなり、今はそれが主流となりつつあります。
とは言え、時候の挨拶は旧暦に沿って出すものと思っている方にとっては、立秋を過ぎてから晩夏の候を使った手紙やはがきに違和感を覚える方もいます。
晩夏の候を使う時期に迷ってしまう場合には、他の時候の挨拶を選ぶのがよいかも知れませんね。
晩夏の候を使った例文
晩夏の候を使った手紙やはがきでは、送る相手によって使い方が変わってきます。
ここでは、晩夏の候を使うシチュエーション別に例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
晩夏の候の結び文
結び文とは、相手の健康や活躍をお祈りする文章のことで、思いやりを込めた内容にするのがよいでしょう。
晩夏の候を時候の挨拶とした場合の、結び文の例文をいくつかご紹介します。
晩夏の候を使うときに注意すること
そのため、手紙やはがきの出だしに使ってしまう方も多いのですが、送り先が会社の上役や重要な取引先、お世話になった恩師などの場合は、より丁寧さを伝えるために時候の挨拶だけではなく、頭語を使うことをおすすめします。
頭語とは「拝啓」や「謹啓」などのことで、「謹啓 晩夏の候~・・」という書き出しになります。
また、頭語には必ず結語があり、頭語が「拝啓」なら結語は「敬具」または「敬白」になりますよ。
「謹啓」は「拝啓」よりもさらにあらたまった頭語で、結語は「謹白」もしくは「謹言」です。
大切な方へ手紙やはがきを送る時は、時候の挨拶の前に頭語を、文章の終わりに結語を入れるようにしましょう。
なお、友達や知人などの親しい間柄では、必ずしも頭語は必要ではありません。
晩夏の候以外の8月の時候の挨拶はある?
晩夏の候は旧暦に沿って使う場合には8月上旬の立秋までなので、8月に使える時期はほんのわずかしかありません。
近年は季節感を修正して8月上旬から中旬に使う方も増えていますが、使うタイミングに悩んでしまう方も多いでしょう。
そこでここでは、晩夏の候以外に8月に使える時候の挨拶をご紹介します。
残夏の候
8月上旬の立秋から下旬の処暑まで使える時候の挨拶になります。
ただし、夏の名残という意味があり、旧暦では5~6月に使われていた時候の挨拶のため、今もそのルール上で使っている方も多いようです。
早涼の候
8月上旬の立秋を過ぎてから、8月下旬まで使える時候の挨拶です。
暦の上の季節が秋になり、やや涼しさも感じるようになりましたね、という意味合いで使われています。
秋暑の候
8月上旬の立秋から下旬まで使える時候の挨拶になります。
暦の上では秋になったにも関わらず、夏のような暑さが続くという意味で使われるものなので、現在の季節感とそこまで相違がなく、使いやすい時候の挨拶ですよね。
処暑の候
8月中旬の処暑(例年23日頃)から9月上旬の白露までに使える時候の挨拶になります。
処暑には、暑さがだんだんと収まるという意味があります。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordにはあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
まとめ
晩夏の候は二十四節気の小暑と大暑にあたる時期のため、本来は7月上旬から8月上旬に使う時候の挨拶とされていました。
しかし、現代との季節感に差がありすぎることから、近年は8月上旬の立秋から中旬にかけて使う方が増えています。
8月上旬から中旬の使用が完全に間違いということではありませんが、時候の挨拶はそもそも旧暦の時代に作られたもの。
その風習を正しく受け継ぎたいと思っている方もいますので、使用については十分考慮する必要があるでしょう。
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