寒露の候という言葉を耳にすると、どのような時期に使えるのか、またその正しい読み方や使い方はどうなのか、疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
この美しい時候の挨拶は、秋の特定の時期に使われるもので、日本の伝統的な挨拶文化の中で大切な役割を果たしています。
しかし、具体的にいつからいつまで使えるのか、どのように表現すれば良いのか、実際には少し戸惑うこともあるかもしれません。
そこで、この記事では「寒露の候」の意味から、その使い方、さらには実際の例文や結びの言葉まで、詳しくご紹介します。
親しみやすく、誰にでも理解できる言葉で、この美しい日本の文化を一緒に学びましょう。
きっと、あなたも時候の挨拶を上手に使いこなせるようになるはずです。
- 「寒露の候」が使われる具体的な時期。
- 「寒露の候」の正しい読み方とその意味。
- 「寒露の候」の正しい使い方とマナー。
- 「寒露の候」を使った具体的な例文と結びの言葉。
寒露の候を使う時期はいつ?
寒露の候は10月8日頃から10月22日頃まで使える時候の挨拶です。
時候の挨拶の中には、使える期間がはっきりとしていないものもありますが、寒露の候は具体的にいつからいつまでと決まっている時候の挨拶になりますよ。
寒露の候の意味や読み方は?
時候の挨拶は音読みすることが多く、寒露の候も全て音読みで「かんろのこう」となります。
秋になると早朝の気温が下がり、草木についた水分がきらきらと光って見えることがありますよね。
それが寒露です。
候には時期や時候などの意味があることから、寒露の候とは「秋が深まり、草木に冷えた露が降りる時期になりましたね」という意味がありますよ。
寒露の候の正しい使い方は?
寒露の候が使える10月上旬から中旬は、地域によっては「朝晩と言っても、露が降りるほどの寒さを感じない」と思う方は多いのではないでしょうか。
そのため、実際に草木に露が降りるようになった時期に、寒露の候を使うのがよいのでは?と思うかも知れませんが、それは間違いになってしまいます。
寒露の候の寒露とは二十四節気の名称の一つで、時候の挨拶は旧暦に倣って使われるのが一般的です。
寒露は毎年10月8日頃から22日頃になるため、寒露の候も同じ期間内でしか使うことができません。
寒露の候が使える時期になれば、状況に関係なく使うことができます。
寒露の候を使った例文
寒露の候を使う時期がわかったら、次は寒露の候を使って手紙やはがきなどを送ってみましょう。
とは言え、時候の挨拶は使い慣れていない言葉のため、書き出しに悩んでしまう方は多いとおもいます。
そこでここでは、寒露の候を使った例文をご紹介しましょう。
寒露の候を使うシチュエーションに合わせて、ビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合の3つのパターンをご用意しました。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
なお、親しい人に使う場合には、寒露の候を使う必要はありません。
寒露の候は漢語調といって、時候の挨拶の中ではかしこまった表現になります。
漢語調の時候の挨拶はビジネス関係者や目上の人などには使いますが、親しい人に使うとよそよそしさを感じてしまうことがあるようです。
親しい人には漢語調よりも、カジュアルに使える口語調がよいでしょう。
例文の寒露の候を外し、「秋の長雨が続いておりますが、風邪など引かずお元気にお過ごしでしょうか。」から書き出してもよいですし、「朝晩に冷たい露が降りる時期になりましたね」という書き方でもよいでしょう。
寒露の候の結び文
結び文には季節に関係なく使うことができるビジネス定型文もありますが、時候の挨拶の季節感に合わせた結び文を入れると、文章全体に統一感やまとまりを持たせることができますよ。
ただし、時候の挨拶と結び文に同じ言葉を使ったり、似た内容になるのは避けて下さい。
ここでは、寒露の候を時候の挨拶に使った場合の、結び文の例文をご紹介します。
寒露の候を使うときに注意すること
寒露の候は、ビジネス関係者や目上の人など、大切な方に使うことが多いですよね。
その際に注意したいのは、文章の冒頭にいきなり寒露の候を使ってしまうのはNGということ。
それではマナー違反となってしまうため、必ず前に頭語をつけて下さい。
頭語とは簡単に言うと「こんにちは」の意味を持つものなのですが、ビジネス関係者や目上の人に使うのであれば「謹啓」や「拝啓」がよいでしょう。
これらには「謹んで申し上げます」という意味があり、相手に対する敬意を表します。
また、頭語をつけたら、文章の終わりは結語で締めるのもマナーになりますよ。
頭語と結語は対になっており、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」と決まっているため、合わせて覚えておくとよいでしょう。
なお、女性のみですが、どの頭語でも結語に「かしこ」をつけることができます。
ですが、「かしこ」はややカジュアルな印象を与えるため、ビジネス関係者や目上の人に使うには避けた方がよいでしょう。
寒露の候以外の10月の時候の挨拶はある?
寒露の候は10月中旬位に使える時候の挨拶ですが、上旬や下旬に使える時候の挨拶も知りたいですよね。
ここでは、寒露の候以外に10月に使える時候の挨拶をご紹介します。
菊花の候
菊花の候は10月上旬から11月上旬に使える時候の挨拶です。
秋を代表する花の菊が美しい時期になりましたね、という意味がありますが、菊はシーズンが長く、種類などによって6~12月に咲きます。
そのため、手紙やはがきなどを送る相手の地域の状況に合わせて使うのがよいでしょう。
清秋の候
清秋の候は10月から11月上旬の立冬の前日まで使える時候の挨拶になります。
秋晴れの空を想像させる清秋の候は、雨や曇りが続いているタイミングではあまり使わない方がよいでしょう。
夜長の候
夜長の候は10月上旬から中旬に使える時候の挨拶です。
日中よりも夜が長くなっていく秋の時期になりましたね、という意味があります。
実際には12月22日頃の冬至が、夜が最も長くなりますが、時候の挨拶では10月に使える時候の挨拶となりますよ。
錦秋の候
錦秋の候は10月上旬から11月上旬の立冬の前日まで使える時候の挨拶になります。
錦秋とは紅葉がまるで織物のように美しいという意味があるため、紅葉の初めの時期よりも最盛期を迎えたタイミングで使うのがよいでしょう。
暮秋の候
暮秋の候は10月上旬から11月上旬に使える時候の挨拶です。
暮秋とは旧暦の秋の終わりを指す言葉で、二十四節気の寒露と霜降が該当します。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
寒露の候のまとめ
寒露の候という時候の挨拶について、その使う時期や意味、読み方、そして実際の使い方について詳しく解説しました。
寒露の候は10月の特定の期間に使われ、秋の深まりを象徴する美しい表現です。
読者の皆様は、この記事を通じて、寒露の候の基本的な知識を得るとともに、ビジネスやプライベートでの手紙やはがきに使える例文や結びの言葉を学ぶことができます。
日本の伝統的な挨拶を正しく理解し、活用することで、コミュニケーションの幅が広がることでしょう。
この記事のポイントをまとめますと
- 「寒露の候」は10月の特定期間に使う時候の挨拶
- 「かんろのこう」と読み、秋の深まりを表す
- 旧暦に基づいて使われる伝統的な表現
- 10月8日頃から22日頃が使用期間
- 草木に露が降りる秋の風景をイメージ
- ビジネス文書や手紙での使い方が重要
- 正しい読み方と意味の理解が必要
- 例文を通じて実際の使い方を学べる
- 時候の挨拶のマナーとしての位置づけ
- 目上の人やビジネス関係者への敬意を示す際に有効
- 寒露の候以外の10月の時候の挨拶も紹介
- 季節感を大切にする日本文化の一端を知ることができる
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