内側や外側の足の付け根の痛みの原因と効果的なストレッチ!
前から足の付け根が痛むと思っていたら、だんだんと歩くのも大変になってきた。
ある日突然、足の付け根に痛みが走って、それっきり動くのも困難になってしまった。
このような症状でお悩みの方は、とても多いと言われています。
しかし、痛みの程度が軽い場合「そのうち治るだろう」「疲れたかな?」と気に留めない方も多く、足の付け根の痛みはよくあることと捉えられがちです。
では、足の付け根が痛む原因には、一体どのようなものがあるのでしょうか。
足の付け根の場所別の痛みやしびれの原因
足の付け根は、比較的広範囲は年齢で痛みが生じやすいと言われていますが、足の付け根と一口にいっても、場所によって発症原因が異なります。
そこでここでは、場所別に痛みやしびれの原因をご紹介したいと思います。
内側の足の付け根の痛みの原因
内側の足の付け根の痛みの原因として考えられるのが、股関節の疲労や変形です。
股関節には、体を動かすために必要な筋肉が密集していることから、痛みや違和感が出やすい場所と言われています。
スポーツを日常的に行っている方は、筋肉疲労が起こりやすいため、慢性的に足の付け根が痛むという場合もありますし、これまで殆ど運動していなかった人が急に動いた後にも、やはり筋肉が疲労して痛みが出るケースもあります。
また、生まれつき股関節に変形がある方や、加齢によって股関節が変形することでも痛みが起こる可能性があります。
外側の足の付け根の痛みの原因
足の付け根の外側が痛む原因には、骨の歪みや筋肉の衰えなどが考えられます。
足の付け根の外側は腰と繋がっていることもあり、腰痛を伴う方も多いのが特徴です。
長時間椅子に座っていると、下半身に大きな負担が掛かって神経が圧迫されることで、腰や尾てい骨などにしびれや痛みが生じ、その痛みを庇うために無理な姿勢になってしまい、結果として外側の足の付け根にも痛みが出てしまいます。
また、内股や外股で歩く癖のある方も股関節に負担が掛かり過ぎてしまい、外側の足の付け根に痛みが出るケースもあります。
前側の足の付け根の痛みの原因
前側の足の付け根が痛む原因も、外側と同様に骨の歪みや筋肉の衰えが考えられます。
特に、デスクワーク中心の仕事をしている方は、長い時間腰から足の付け根の神経が圧迫されるため、この場所の痛みが出やすいと言われています。
最初は「腰や足の付け根に違和感がある」「歩くとちょっと痛い」くらいだったのが、そのまま放置することによってだんだんと痛みの間隔が短くなり、痛みも強くなってきます。
後ろ側の足の付け根の痛みの原因
後ろ側の足の付け根が痛む方は、付け根だけではなくお尻や太ももにも痛みを感じる場合が多いようです。
これは、後ろ側の足の付け根の痛みの原因に、座骨神経痛が考えられるからです。
長時間座りっぱなしの作業が続いたり姿勢が悪いと、座骨に負担が掛かり痛みが生じます。
そして、その痛みを避けるように無理な姿勢をとることで、筋肉の疲労やコリが起こり足の付け根も痛むようになってしまいます。
しこりを伴う足の付け根の痛みの原因
足の付け根に痛みがあり、しかも触るとしこりのように指に触れるものがある。
このような場合、多くはリンパ節が腫れているのが原因と考えられています。
リンパ節とは、全身を巡るリンパ液が集まる場所です。
風邪などのウイルス感染を起こした場合や怪我などをした時は、リンパ液によって病原体を処理するため、リンパ液が溜まる場所が腫れることがあります。
また、しこりがどんどんと大きくなる、痛みが強くなるなどの場合は、ガンなどの病気の可能性もあります。
しびれを伴う足の付け根の痛みの原因
足の付け根の痛みにしびれが伴う場合は、股関節炎や座骨神経痛が原因となっている可能性が考えられます。
また、座骨神経痛を発症する原因の多くは、腰椎椎間板ヘルニアとも言われています。
足の付け根が痛い時の原因と病気の可能性は?
足の付け根が痛い時には、筋肉疲労や加齢による股関節の変形の他にも、病気や様々な原因が考えられます。
ここでは、原因として主だったものをいくつかご紹介したいと思います。
腰痛や坐骨神経痛
足の付け根が痛む時、同時に腰やお尻が痛む時は腰痛や座骨神経痛が原因と考えられます。
腰痛や座骨神経痛を発症する原因には、体内のコラーゲン量が減ることで関節にある軟骨がすり減ってしまい、骨がずれて痛みが出ることがあるようです。
日常生活の乱れ
背筋が曲がっている、猫背、長時間立ちっぱなしで作業をしている、足を擦るような歩き方をしている、足を組む、いつも同じ肩にバッグを掛けて通勤しているなど、毎日の生活の中で腰や下半身に負担を掛けやすい体勢をとっていることで、股関節周辺の筋肉や神経が圧迫され、痛みが生じます。
妊娠中
妊娠をすると、急に足の付け根が痛むようになったという妊婦さんは以外と多いようです。
これは、妊娠によって骨盤が開いて痛みが生じる場合と、胎児が成長するに従い骨盤周辺の筋肉や骨が圧迫されることで、骨盤に近い足の付け根にも痛みが起こるためと考えられています。
産後
赤ちゃんを出産後、骨盤は約半年ほどの期間をかけてゆっくりと元の位置へ戻ると言われています。
しかし、多くの女性は骨盤が戻らないうちに家事や育児を行うため、骨盤に負担が掛かってしまい、足の付け根に痛みが出てしまいます。
スポーツ障害
これまで全く走ったことのなかった人が急にジョギングを始めると、多くの場合筋肉痛になりますよね。
しかし、この時足裏で受けた衝撃が股関節にもダメージを与え、足の付け根も痛むというケースが多くあります。
特に、アスファルトやコンクリートなど固い地面を走ると、シューズの底では吸収しきれない衝撃が股関節に掛かりやすくなってしまいます。
また、サッカーのように軸足でバランスをとりながら、もう片方の足を横に開いてボールを蹴り出すという動作は、股関節に負担をかけやすいと言われています。
変形性股関節症
変形性股関節症は、女性に多い病気と言われています。
先天性の場合、男児に比べて女児の発症率は6~10倍も多いと言われ、生まれながらに股関節が脱臼していたり、または脱臼しやすい病気ですが、現在では治療によって改善や回復が見込める病気と考えられています。
しかし、元々弱い部分であることは確かなので、加齢によって軟骨がすり減ってしまうことで、足の付け根の痛みとなって症状が現れることが多いと言われています。
バージャー病
喫煙者に多いと言われている病気で、タバコのニコチンによる血行不良が原因で血管が詰まりやすくなり、足の付け根が痛む他、下半身のしびれや血色が悪いといった症状を引き起こします。
グロインペイン症候群
グロインペイン症候群は、サッカーを行っている方に多いと言われている疾患です。
グロインペイン症候群は、鼠径部痛症候群とも言われるように、鼠径部=足の付け根に強い痛みが生じます。
元日本代表の中村俊輔選手も、このグロインペイン症候群を発症したと言われていますが、サッカーの場合片足に重心を載せ、もう片方の足で強く蹴り上げる動作が多いため、股関節や恥骨部分に負担が掛かって痛みを起こすと考えられています。
鼠径ヘルニア(脱腸)
鼠蹊ヘルニアは、脱腸と呼ばれる病気です。
脱腸と呼ばれるものの、実際には腸が出てしまうということではなく、腹膜の一部が飛び出して鼠径部にしこりや腫れとなって現れます。
鼠蹊ヘルニアは、足の付け根に痛みが生じるだけではなく、放置しておくと血行不良に陥った臓器が壊死する可能性もあるため注意が必要です。
関節リウマチ
関節リウマチの発症原因ははっきりと解明されていませんが、免疫機能の異常によるものと考えられています。
通常免疫とは、体の外から侵入してきたウイルスや病原体に対して攻撃をしたり除去する働きを言いますが、この免疫機能に何らかの異常が起こり、攻撃対象ではないものまで破壊してしまうことを自己免疫疾患と言います。
関節リウマチはこの自己免疫疾患の一つであり、免疫が正常な関節を攻撃してしまうため、痛みや炎症が起こります。
糖尿病
糖尿病の初期症状の一つに、足の付け根の痛みやしびれがあります。
糖尿病は悪化するまで自覚症状が少ないと言われていますが、足の付け根の痛みやしびれの他に血行不良による手足の冷えなどがある場合は、糖尿病を疑って早めに病院を受診しましょう。
足の付け根が痛い時に効果のあるおすすめのストレッチ!
立っているだけでもつらい、歩くと痛みが出る、といった足の付け根の痛みにお悩みの方にお勧めな、足の付け根の痛みを解消するストレッチをいくつかご紹介したいと思います。
歩くと足の付け根が痛い時に効果的なストレッチ
1.床に仰向けに寝て、片足の膝を抱えて胸の方向へ引き込みます。
2.30秒ほど同じ体勢で、腰やお尻をしっかりと伸ばしただ、同様にもう片方の足も行います。
3.次に、両膝を抱えて、お尻を丸くするように胸に引き込みます。この体勢を2分ほど3セット繰り返します。
足の付け根が痛い時に効果的なストレッチ
1.床に座り、足の裏同士をくっつけます。
2.体をゆっくりと前に倒して行きます。この時、股関節の内側を外に引っ張るような感覚を意識しましょう。
3.両肘を足の内側を抑えて、痛みがある方の足の付け根が上がってくるのを防ぎます。
4.この体勢を20秒続けたら、体を起こします。
5.これを3セット行いましょう。
6.次に、床に膝立ちになり、痛みのない方の足を90度に開きます。
7.その体勢のまま、痛みのない方の足へゆっくりと体重を移動していきます。
8.背中が曲がったり、痛みのある方の足の膝が前に出すぎないようにしましょう。
9.さらに、痛みのある方の腰に添えた手で股関節を押しましょう。
10.これを20秒行い、3セット繰り返します。
股関節の痛みを解消するストレッチ
1.床に仰向けに寝て、片足の膝を抱えて胸の方へ引き込みます。
2.20秒行ったら、反対の足も行います。これを3回繰り返しましょう。
3.次に、あぐらをかいた状態から足の方向へ体を倒していきます。
4.反対も同様に行い、各20秒を3回繰り返します。
5.再び床に仰向けになったら、両足の膝を立て、片足をもう片足の膝の上に乗せます。
6.その状態から乗せた方の足の方向へ体を倒しましょう。この時、背中は床から離れないようにして下さい。
7.反対も同じように行って下さい。
妊婦さんや産後の足の付け根の痛み(股関節の痛み)を解消する方法
1.床に膝立の状態から、片足を前に出します。
2.その状態から、前に出した足の方へゆっくりと体を倒していきます。
3.この体勢を10~15秒行ったら、一旦元に戻り、再び同じように行います。
4.2~3セット繰り返したら、同様に反対側の足も行います。
5.次に、立った状態から、痛みのある足の方を後ろに少し下げ、そのまま足を軽くゆすります。
6.ゆすってみて、自分の楽な場所を見つけてみましょう。
7.反対も同様に行います。
変形性股関節症からの痛みを解消するストレッチ
1.ベッドに仰向けに寝ます。
2.体をベッドの端に移動させ、片足(ベッドの端側にある足)を床に下ろします。
3.足の重みで股関節を引っ張り、痛みを軽減します。
4.5分を目安に行うとよいでしょう。
足の付け根の痛みやしびれが続くときは病院は何科に行けばいいの?
足の付け根の痛みやしびれが続く時は、大きな病気が原因の可能性もあるため、病院を受診するようにしましょう。
その際、最初にかかるのは「整形外科」になります。
病院での治療はどのようなのがあるの?費用は?
足の付け根が痛む原因は様々にあるため、その原因によって行われる治療は異なります。
例えば、座骨神経痛が原因だった場合は、薬による痛みの軽減を始めとして、温熱療法や運動療法による症状の改善などが治療として行われます。
なお、治療に掛かる費用についても内容によって異なるため、一概に「これくらい」とは言えませんが、症状があって病院へ行った場合は保険が適用されます。
整骨院やマッサージなども効果的なの?
足の付け根の痛みの原因にもよりますが、整骨院やマッサージなどの治療によって症状が改善されることは十分に考えられます。
ただし、整骨院やマッサージでは体の内部の病気を発見することは難しいため、糖尿病やリンパ節のガンが原因による足の付け根の痛みを判別することができません。
そのため、まずは病院でしっかり検査を受け、その上で筋肉疲労や骨の歪みが原因とわかったら、整骨院やマッサージで施術を受けるのがよいでしょう。
まとめ
足の付け根の痛みは、姿勢や歩き方などの日常生活を変えることで、軽減することができるケースも多くあります。
体のどこかが痛いと、その痛みを抑えようとまた別のところに負担が掛かり、痛む場所がどんどんと増えてしまいますので、早めに改善することが大切です。
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