空腹時に胃が痛い場合の対処法【下痢や吐き気】
お腹が空いている時に、ぐーっと鳴るとその音が周囲に聞こえているのではないかと、恥ずかしい気持ちになるもの。
しかし、これは胃の内容物がきちんと消化された証拠。
胃に何もなくなると血液中の糖の濃度が低下し、脳が空腹を感じます。
すると、食べ物がいつ入ってきてもいいように胃が動くのですが、その時に中の空気が腸に送られるので音が鳴ります。
つまり、お腹が鳴るというのは健康的な証拠というわけです。
一方、お腹が空いている時に胃がキリキリと痛み出すのは、体にとってよいとは言えません。
では、なぜ空腹時に胃が痛くなるのでしょうか。
そこで今回は、空腹時に胃が痛くなる原因や対処法について調べてみました。
また、空腹時の胃痛は病気と関係しているのか?と不安に思う方も多いことから、その点についても調べていますので、よろしかったらご覧下さい。
空腹時の時に胃が痛くなる原因は?
口から食道を通じて胃に入った食べ物は、胃酸によって分解や消化がされます。
胃酸は、分厚い肉も溶かすほどの強力な酸(ph1~2)ですが、胃酸が分泌される時に胃壁を守る胃粘液が分泌されることで通常は胃の中が荒れることはありません。
しかし、脂質の多い食事やストレスによって胃酸の分泌が活発になり過ぎてしまうと、胃粘膜で保護しきれなくなり胃壁を傷付けてしまうことがあります。
そして、そのような生活習慣が続くことで、本来は胃に食べ物がある時にしか出ないはずの胃酸が、空腹時にも出るようになります。
さらに、食事時は食べ物や胃液が多くあることから、胃酸による胃壁への刺激をそれほど感じないのに対し、空腹時になると胃がからっぽの状態であるため、胃壁への刺激をより強く感じるようになってしまいます。
空腹時の胃痛の症状と病気の可能性は?
胃酸過多症とは、その名の通り胃酸が多く分泌されることで起こる状態を指しており、健康な方でもストレスが強くかかることで一時的に起こる場合もあります。
胃酸過多症の症状としては、胃の痛み(キリキリとした刺すような痛みの他、ジリジリとした焼けるような痛みや、ズキズキとした鈍痛の場合もあります)や、お腹の膨満感、呑酸(酸っぱいゲップ)、吐き気、食欲不振、下痢などの症状があります。
また、胃酸が多く出て痛みを伴うのが一時的な場合はそれほど心配はいりませんが、このような状態が慢性的に続く場合には、胃酸によって十二指腸潰瘍や胃潰瘍、胃炎、胃ガンなどを発症している可能性もあることから、すぐに病院へ行って検査を受けるようにして下さい。
お腹が空くと胃が痛い時の対処法
空腹時の胃痛がつらい時は、食べ物を摂ることで緩和することができます。
上記でもご説明した通り、胃酸過多になると空腹時にも胃酸が分泌されることで、胃壁を荒らして痛みを発生させます。
しかし、胃に食べ物があると消化のために胃酸が使われ、なおかつ胃壁を保護する胃粘膜も分泌されることから、痛みを感じなくなります。
そのため、空腹時の胃痛を軽減するには、一日3回の食事を5回(食事の量を増やすのではなく、一日の総量を5で割るようにします)に増やしたり、食事と食事の間に間食を設けるなどして、胃に食べ物が入っている時間をできるだけ長くするのがよいでしょう。
職場や学校などで食べ物を摂るのが難しいという場合は、飴など糖分の多いものを口にするだけでも痛みをやわらげることができます。
この場合、痛みが出てから食べるのではなく、お腹が空く前に舐めておくと効果的です。
さらに、胃酸を中和する働きのある牛乳を飲むのもお勧めです。
ただし、冷たい牛乳は胃や腸を刺激しやすいため、ホットミルクにして飲むのがよいでしょう。
胃痛を伴う下痢の原因と対処法
胃痛を伴う下痢が起こる原因には、冷たいものの摂り過ぎや、カフェインや香辛料などの刺激物の摂取、喫煙やアルコール、ストレスなどによって、胃壁が傷付いて胃炎を起こしている可能性が考えられます。
このような状態になると、胃は本来の機能を果たせなくなるため、食事をすると消化できないまま食べ物が腸に送られてしまい、下痢を引き起こしてしまいます。
下痢を伴う胃痛がある場合には、空腹時に胃痛をやわらげる方法のように食べ物を摂っても、それが全て下痢になってしまうことから避けるようにしなければいけません。
このような時は、胃を休ませるために食事を見合わせるようにして下さい。
胃の痛みがなくなってきたら、消化のよいものから少しずつ食べ始め、下痢にならないようであれば通常の食事へと戻すようにしましょう。
なお、下痢をしている時は体内の水分が排出されて脱水症状を引き起こしやすいため、水分はきちんと摂る必要があります。
その場合も、コーヒーや緑茶などカフェインの含まれているものを避け、常温の水や番茶(熱すぎるのは避けましょう)を摂るようにして下さい。
吐き気を伴う胃痛の原因と対処法
吐き気を伴う胃痛が起こる原因には、食道から胃、十二指腸までのぜん動運動が上手くいっていないことが考えられます。
よくあるのが、食べ過ぎや飲み過ぎによるもので、この場合は一度に胃に食べ物が入ることで負担が掛かかりすぎてしまい、胃酸と一緒に胃から食道へと食べ物が逆流してしまうことで起こります。
この症状は「逆流性食道炎」と言い、最近とても増えている病気です。
また、胃や十二指腸に潰瘍ができると、胃痛と吐き気が同時に起こることも多いため、このような症状がある場合は、一度病院へ行き検査を受けるのがよいでしょう。
胃痛に効果的な市販薬
胃痛は、比較的健康な方でも食べ過ぎやストレスによって、一時的に起こることがあります。
そのような時は、市販薬を活用して痛みを抑えるのがよいでしょう。
ここでは、胃痛に効果的な市販薬をご紹介したいと思います。
第一三共胃腸薬
胃痛、胃もたれ、食べ過ぎ、食欲不振、胃酸過多、げっぷ、腹部膨満感、吐き気など、胃や腸のあらゆる症状に効く総合胃腸薬です。
胃が痛いけれどどれを飲んだらよいのかわからない、他にも症状があるという場合はお勧めです。
参考URL:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/brand/ds_ichoyaku/
スクラート胃腸薬
空腹時や睡眠時など、食事をしていない時の胃痛や胃もたれに効きます。
胃の粘膜を保護する働きに優れたスクラファートや、炎症を鎮める作用のあるアズレンスルホン酸ナトリウムとL-グルタミンの働きによって、つらい胃の痛みをすみやかに抑えます。
参考URL:https://sucrate.lion.co.jp/product/a.htm
アシノンZ
アシノンZに配合されているH2ブロッカー(ニザチジン)は、胃酸の過剰分泌を抑え胃酸から胃壁を守る働きのあるものを指していることから、胃の痛みや不快感をすみやかに鎮めてくれます。
参考URL:https://www.zeria.co.jp/healthcare/acinonz/index.html
まとめ
胃痛は多くの方が一度くらいは経験していることから、つい「そのうち治る」と放置してしまいがちです。
実際に、市販薬を飲んで胃痛が治ってしまえば問題ないですが、何度も胃痛を繰り返す場合や、胃痛以外にも症状がある場合は病気の可能性が考えられますので、すぐに病院へ行って診てもらうようにしましょう。
食事をすることは、私達が生きる源となります。
そして、その食事は胃が健康でなければできません。
胃の痛みを軽く考えずに、何か異常があったらきちんと診てもらう意識を持つことがとても大切だと言えるでしょう。
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