仲秋の候を使う時期や使い方と読み方を、例文や結び文と併せてまとめています。
仲秋の候は時候の挨拶の一つですが、いつ、どのように使うとよいのかよくわからないという方も多いですよね。
時候の挨拶は誤ったタイミングで使ってしまうとマナ―違反になるため、使う時期をちゃんと知りたいと思うもの。
そこで今回は、仲秋の候のついて詳しく調べてみました。
仲秋の候を使う時期はいつからいつまで?
具体的には、二十四節気の白露(例年9月7日頃)から、寒露(例年10月8日頃)です。
二十四節気とは、旧暦が使われていた時代に作られた季節を表す名称のこと。
旧暦は月の満ち欠けによって年月を決めていたため、1ヶ月が29.5日しかなく、だんだんと暦と季節感にズレが生じるようになっていきました。
二十四節気は一年を24等分にし、時期に合わせた名称をつけることで季節感を掴みやすくし、主に種まきや収穫など農作業の目安にしていたと言われています。
白露は朝晩が冷え込むようになり葉に露が付く様子を、寒露は冷たい露が下りて季節が秋の終盤へと近づいている様子を表しています。
旧暦では白露と寒露の期間を、秋の半ば=仲秋としていたことから、仲秋の候はこの時期に使う時候の挨拶になりますよ。
仲秋の候の意味や読み方は?
仲秋(ちゅうしゅう)とは秋の半ばを指す言葉で、候(こう)には時候や気候、季節と言った意味があります。
そのため、仲秋の候は「秋の半ばの季節になりました」や「秋がだんだんと深まる時期になりました」という意味になりますよ。
仲秋の候の正しい使い方は?
仲秋の候と聞いて、「中秋の名月」を思い浮かべた人も多いではないでしょうか。
「中秋の名月」とは旧暦8月15日に見える満月のことを指します。
旧暦の8月は新暦の9月に相当するため、一見すると中秋の名月は仲秋の名月と同じ意味に思えますよね。
そのため仲秋の候は、旧暦の8月15日にしか使えない時候の挨拶と思っている方も多いようです。
しかし、中秋の名月の中秋と、仲秋の候の仲秋は厳密には意味が異なります。
中秋が旧暦の8月15日を指しているのに対し、仲秋は旧暦の秋の半ばを指すため、旧暦の8月全般を指すことになるからです。
このようなことから、仲秋の候は中秋の名月の日だけ使える時候の挨拶ではなく、旧暦の仲秋を指す白露から寒露までの1ヵ月に使うことができます。
仲秋の候を使った例文
仲秋の候は秋の半ばに使うことができるため、手紙やはがきを出す時の天気の状況をあまり気にすることなく使える時候の挨拶と言えますよね。
使い勝手のよい時候の挨拶としてぜひ覚えておきたいものですが、書き始めの参考になる文章が知りたいと思う方も多いでしょう。
そこでここでは、仲秋の候を使った例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
仲秋の候の結び文
ビジネス関係の文章では、「今後も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」や「時節柄、一層のご自愛のほどをお祈りいたします」など定型文を使うことが多いですが、時候の挨拶に合わせた結び文を使うと、文章全体に統一感が出るのでおすすめです。
ここでは仲秋の候にちなんだ結び文の例文をご紹介します。
仲秋の候を使うときに注意すること
仲秋の候は漢語調と呼ばれる表現の一つで、時候の挨拶の中でも特に丁寧な言い方になります。
しかし、ビジネス関係者(取引先や会社の上役など)や目上の人に手紙やはがきを送る場合に、文章の最初に時候の挨拶を使ってしまうのは丁寧さに欠けると言えます。
重要な方への手紙やはがきには、頭語を使うのがマナーだからです。
頭語とは「拝啓」や「謹啓」などのことで、「拝啓 仲秋の候、~・・」とすると、マナーとして問題のない文章の体裁になりますよ。
また、頭語を使った場合には必ず結語を使いましょう。
結語は文章の最後に入れるもので、「拝啓」や「謹啓」の結語は「敬具」や「敬白」、「拝啓」よりもさらに丁寧ないい方である「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」になります。
仲秋の候以外の9月の時候の挨拶はある?
仲秋の候は秋の半ばに使うことができる時候の挨拶ですが、他にも秋に使える時候の挨拶を知っておくと便利ですよね。
そこでここでは、9月に使える仲秋の候以外の時候の挨拶をご紹介します。
白露の候
二十四節気の白露の期間に使える時候の挨拶で、例年9月7日頃から次の節気である秋分(例年9月22日頃)まで使うことができます。
白露には葉に露が降りる時期という意味がありますよ。
秋分の候
二十四節気の秋分の期間に使える時候の挨拶で、例年9月22日頃から次の節気である寒露(例年10月7日頃)まで使うことができます。
秋分は秋を分けると書く通り、秋のちょうど中間という意味があります。
秋晴の候
9月中旬から10月中旬くらいまで使える時候の挨拶です。
時候の挨拶は二十四節気に基づいたものも多いのですが、秋晴の候は二十四節気の名称でありません。
秋の澄んでいる晴れ渡った空の時期になりました、という意味のため、比較的長く使うことができます。
明確にいつかたいつまでとは決まっていませんが、9月に入り最初の秋の二十四節気である白露(例年9月7日頃)から、晩秋となる降霜(例年10月22日頃)まで使うのがよいとされていますよ。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
まとめ
仲秋の候は9月中旬から10月中旬に使える時候の挨拶になります。
仲秋は秋の半ばという意味なので、天候に左右されることなく使うことができる時候の挨拶と言えるでしょう。
仲秋と似た言葉に中秋がありますが、中秋は旧暦8月15日を指す言葉です。
仲秋の候は旧暦の8月15日以外は使ってはいけないと思っている方も多いのですが、中秋と仲秋はイコールではないので間違えないようにしましょう。
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