この記事では、薄暑の候を使う時期や使い方と読み方を、例文や結び文などと併せてまとめています。
時候の挨拶の中でも、あまり聞き馴染みのない薄暑の候。
そのため、「使う時期や使い方を間違ってしまったら」と、心配になる方が多いようですね。
そこで今回は薄暑の候について詳しく調べてみました。
薄暑の候を使う時期はいつからいつまで?
薄暑の候は5月上旬から6月上旬に使える時候の挨拶になります。
具体的には、二十四節気の立夏(例年5月5日頃)から芒種(例年6月4日頃)の前日までとなります。
薄暑の候に限らず、時候の挨拶は現在使われている新暦ではなく、旧暦(太陰暦)に基づいて使うのがマナーになりますよ。
旧暦では1~3月が春、4~6月が夏、7~9月が秋、10~12月が冬となりますが、この中で薄暑の候に該当するのは4月になりますね。
旧暦と新暦には1ヵ月~1ヵ月半ほどのズレがあることから、旧暦4月は新暦の5~6月に該当することになります。
薄暑の候の意味や読み方は?
薄暑とは初夏の少し汗ばむような陽気、という意味があります。
候はそうろうと読んでしまいそうになりますが、正しくは「こう」ですね。
候(こう)には時候や気候、季節といった意味がありますよ。
このようなことから、薄暑の候は「初夏になり少し汗ばむような季節になりましたね」という意味になります。
薄暑の候の正しい使い方は?
薄暑の候が使える5月上旬から6月上旬は、地域によっては真夏のような気温になるところもありますよね。
薄暑の意味は「初夏になり少し汗ばむような季節」なので、30℃を越えるような気温が連日続くような状況には、ややふさわしくないと言えるでしょう。
そのため、手紙やはがきを送る相手の地域の状況によっては、他の時候の挨拶を使うのがよいかも知れませんね。
とは言え、この期間中であれば、気温が高くても薄暑の候を使う分には問題ないですし、マナー違反というわけでもありません。
そもそも時候の挨拶では旧暦と新暦との季節感のズレが生じやすいことから、使われている言葉と季節感があまり合っていないケースもあります。
薄暑の候を使った例文
実際に薄暑の候を使って手紙やはがきを書く時に、例文があると参考になりやすいですよね。
ここでは、薄暑の候を使った例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
薄暑の候の結び文
ビジネス関係の文章であれば、「今後も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」や「ご厚情を賜り、誠にありがとうございます」などの定型文がありますが、文章の冒頭に時候の挨拶を使った場合は、結び文も季節にちなんだ言葉を入れると統一感が出ますよ。
ここでは、薄暑の候を時候の挨拶に使った時の結び文の例文をご紹介します。
薄暑の候を使うときに注意すること
薄暑の候は漢語調と呼ばれる表現の一つで、時候の挨拶の中でも特に丁寧な言い方になります。
そのため、文章の冒頭に薄暑の候などの時候の挨拶を入れるだけで十分と思ってしまう方もいるかも知れません。
しかし、ビジネス文書(取引先や会社の上役などに送る手紙やはがき)や目上の人に送る手紙やはがきとしては、時候の挨拶が文章の最初になるのは丁寧さに欠けると言えます。
より丁寧にするには頭語を付けることが大切です。
頭語とは「拝啓」や「謹啓」などのことで、「拝啓 薄暑の候、~・・」とすることで、マナーとして問題のない文章の体裁になりますよ。
また、頭語を使った場合には必ず結語を使って下さい。
結語は文章の最後に入れるもので、「拝啓」や「謹啓」の結語は「敬具」や「敬白」、「拝啓」よりもさらに丁寧ないい方である「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」になりますよ。
薄暑の候以外の5月の時候の挨拶はある?
近年は春が短く、あっという間に真夏のような天気が続く年が増えていますよね。
そのため、薄暑の候を使うタイミングがないということもあるでしょう。
そこで、薄暑の候以外に5月に使える時候の挨拶をご紹介します。
新緑の候
5月上旬から下旬に使える時候の挨拶になります。
若葉が芽吹き、町や風の香りが緑に包まれる時期という意味になりますよ。
日本は南北に長い地形のため、初夏の訪れは沖縄と北海道では違います。
沖縄では5月上旬はすでに真夏の天気ですし、北海道ではやっと桜が咲くタイミング。
そのため、薄暑の候と同様に手紙やはがきを送る地域の状況に合わせて使うのがよいかも知れませんね。
薫風の候
5月上旬から下旬に使える時候の挨拶になります。
若葉の香りがする初夏の風が吹く時期という意味になりますよ。
こちらも薄暑の候や新緑の候と同様に、手紙やはがきを送る地域の状況に合わせるのがよいでしょう。
立夏の候
例年5月5日頃から21日頃までに使える時候の挨拶になります。
立夏は二十四節気の一つで、夏の始まりを表す名称。
初夏にふさわしい言葉ですし、手紙やはがきを送る時の気候状況にも左右されないので、使いやすい時候の挨拶と言えるでしょう。
初夏の候
例年5月5日頃の立夏から、例年6月6日頃の芒種の前日まで使える時候の挨拶になります。
使える時期は薄暑の候と同じですが、夏の始めという意味なので、どのような状況でも使いやすい時候の挨拶と言えるでしょう。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
まとめ
薄暑の候は二十四節気の立夏(例年5月5日頃)から芒種(例年6月4日頃)まで使える時候の挨拶になります。
薄暑の候には「初夏になり少し汗ばむ季節となりました」という意味があることから、手紙やはがきを送る地域の状況に合わせて使うとよいでしょう。
送り先がすでに真夏のような暑さになっていたり、まだ春の終わりくらいで夏とは言えない気候であれば、5月に使える他の時候の挨拶を使うのがおすすめですよ。
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