春爛漫の候という時候の挨拶、実際にはいつからいつまで使うのが正しいのでしょうか?
そして、その読み方や意味は?さらに、手紙やメールでの使い方や書き方、特に書き出しと結びにはどんな文言を入れるべきなのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、春爛漫の候の正しい使い方から、心を込めた例文まで、わかりやすく解説していきます。
読者の皆さんが日常やビジネスシーンで自信を持って使えるように、その秘訣を紐解いていきましょう。
- 「春爛漫の候」を使う正確な時期、つまり4月中であることがわかります。
- 「春爛漫の候」の読み方が「はるらんまんのこう」ということが理解できます。
- この挨拶の意味、すなわち春の花が満開になる美しい様子を表すことがわかります。
- さまざまなシーンでの使い方や書き方、例文を含めた書き出しと結びの具体的な表現方法が学べます。
春爛漫の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?
春爛漫の候を使う時期はいつからいつまで?
春爛漫の候は4月中に使える時候の挨拶になります。
時候の挨拶の中には、使える期間が明確に「いつからいつまで」と決まっているものもありますが、春爛漫の候なら4月であればいつでも使えると覚えておけるので便利ですよね。
春爛漫の候の読み方
春爛漫の候は初めて聞いたという方でも、春爛漫という言葉自体は何度か耳にしたことがありますよね。
爛漫という漢字は難しいですが、読める方は多いのではないかと思います。
春爛漫の候の意味
春爛漫の爛漫は花が咲き乱れる様子を表した言葉なので、春がついている春爛漫は春の花が咲き乱れているという意味になります。
「春爛漫」という部分に注目してみましょう。「爛漫」とは、花が満開になり、色とりどりに咲き乱れる様子を描写する言葉です。
春になると、桜や梅、菜の花など、多種多様な花々が次々と開花し、私たちの目を楽しませてくれます。
この時期になると、どこを見渡しても花の絨毯が広がり、まるで絵画のような美しい景色が広がっていることでしょう。
次に、「候」という言葉について解説します。
「候」は時期や気候、季節の変化を意味する言葉として用いられ、自然界の移り変わりやその時々の気候を示唆します。
ですから、「春爛漫の候」とは、春の訪れとともに、花々が満開になる季節が到来したことを表現しているのです。
春爛漫の候の正しい使い方は?
日本は南北に長い地形をしているため、同じ時期でも南と北ではかなり季節感が違います。
北海道や東北地方の寒い地域では、4月から5月にかけて桜が咲くのが一般的で、5月上旬になってやっと本格的な春らしさを感じることもあるでしょう。
そのため、春爛漫の候を5月に使いたくなってしまう方もいるかも知れません。
しかし、時候の挨拶は旧暦の時代に作られており、旧暦では立夏(例年5月5日頃)を過ぎると暦の上では夏になります。
また、これとは反対に南の暖かい地域では、3月に春本番を迎えるところも多いですよね。
3月は旧暦では仲春に該当し、春の半ばという意味があるので、春爛漫の候を使うにはふさわしいとは言えません。
このようなことから、春爛漫の候は4月中に使うのがよいでしょう。
春爛漫の候を使った例文
時候の挨拶を入れて文章を書く時に、特に気を遣うのがビジネス関係や目上の人に送る手紙やはがきなどではないでしょうか。
使うタイミングを間違えないようにするだけではなく、言葉遣いも丁寧さを心がけたいものですが、普段使い慣れない故にどのように書き出すのがよいのか、よくわからないという方は多いでしょう。
そこでここでは、春爛漫の候をビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合の3つのケース別に例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
書き出し文
- 謹啓 春爛漫の候、貴社にはますますご清栄の由大慶に存じます。毎々格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
- 拝啓 春爛漫の候、貴社におかれましてはなお一層のご発展のことと大慶至極に存じます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
- 拝啓 春爛漫の候、貴社におかれましては益々ご盛栄の御事慶賀の至りに存じます。日頃は格別のお引き立てをいただき、ありがたく御礼申し上げます。
結び文
- 桜の花が風に乗って舞う美しい季節になりました。御社ますますのご繁盛を心よりご祈念いたします。
- 新しい年度が始まり、お忙しいことと思いますが、どうぞ皆様ご健康には十分にご留意ください。
- 春の暖かな日差しが広がる時期になりました。貴社いよいよのご繁栄をお祈り申し上げます。
目上の人に使う場合
書き出し文
- 謹啓 春爛漫の候、〇〇様にはますますご壮健のことと拝察いたしお慶び申し上げます。
- 拝啓 春爛漫の候、〇〇様にはいっそうご活躍のことと慶賀の至りに存じます。
- 拝啓 春爛漫の候、〇〇様にはますますご壮健のことと存じます。
結び文
- まだ寒い日が続いておりますので、どうぞ体調を崩されないようご自愛ください。
- 美しい桜が満開の中、心も晴れやかな気持ちでいられる時期ですね。〇〇様も健康に留意して素敵な日々をお過ごしいただければ幸いです。
- 春の明るい日差しが心地よい時期になりましたね。しかし、この時期は冬の疲れが出やすいものですから、風邪など引かれないよう十分にお気をつけください。
親しい人に使う場合
書き出し文
- 桜が開花する便りが至る所から伝わってくる時期になりました。○○さまも健康で充実した日々をお送りになっていることと思います。
- 初夏の気配が感じられるこの時期、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
- 多くの花々が美しく開花し、互いに競い合うかのような素晴らしい季節、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
結び文
- 花屋の前には春の訪れがいっぱいで、とても華やかでした。〇〇様にも素敵な春の日々が訪れますように。
- 春がそろそろ終わりに近づいているこの時期、さみしい気持ちもありますね。どうか〇〇様が風邪など引かれないよう、十分にご自愛ください。
- 暖かくて気持ちの良い春の日差しを感じられるこの季節、〇〇様にとっても素晴らしい飛躍の時期となりますようにお祈りしています。
なお、親しい人へ送る手紙やはがきなどでは、必ずしも春爛漫の候のような形(漢語調)を使う必要はありません。
漢語調よりもカジュアルな口語調の時候の挨拶を使ってもよいでしょう。
その場合は、「春爛漫の美しい季節になりました」「花便りも伝わる今日この頃」のような書き出しで構いません。
結び文とは?
ビジネス文章には季節に関係なく使える定型文がありますが、時候の挨拶と季節を合わせることで文章全体に統一感が出ますよ。
春爛漫の候を時候の挨拶に使った場合なら、本格的な春の訪れを思わせる表現や、4月からの新年度のことなどを盛り込むのがおすすめです。
ここでは、春爛漫の候を使った時の結び文の例文をご紹介します。
- 春陽麗和の好季節、貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。謹言
- 天候不順の時節柄、どうかご自愛専一に、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。敬具
- 新天地での生活は何かと大変だと思います。無理せずに健康第一でお過ごし下さい。かしこ
春爛漫の候を使うときに注意すること
手紙やはがきなどの書き出しに時候の挨拶から始める方は多いですよね。
しかし、ビジネス関係や目上の人に送る手紙やはがきなどでは、書き出しにいきなり春爛漫の候と入れるのはマナーとしてNGになります。
ビジネス関係や目上の人に送る手紙やはがきなどには、時候の挨拶の前に必ず頭語をつけましょう。
一般的な頭語としてよく使われるのは「謹啓」と「拝啓」になり、これらには「謹んで申し上げます」という丁寧な意味があります。
そのため、春爛漫の候を使うなら「拝啓 春爛漫の候・・」と書き出すのが正しいマナーとなりますよ。
また、文章に頭語をつけたら、文章の終わりは結語で締めましょう。
頭語と結語は対になっており、「謹啓」の結語は「謹言」または「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」になります。
女性のみ、どの頭語を使っても結語に「かしこ」を使えますが、「かしこ」はややカジュアルな印象を与えるため、ビジネス関係や目上の人に送る手紙やはがきなどには使わない方がよいでしょう。
春爛漫の候以外の4月の時候の挨拶はある?
ここでは、春爛漫の候の以外の4月に使える時候の挨拶をご紹介します。
手紙やはがきなど送る相手の地域の状況に合わせて、より季節感に合ったものを選ぶのがよいでしょう。
春和の候
4月中に使える時候の挨拶です。
春和の候には、春らしい穏やかな日差しを感じる時期になりましたね、という意味があります。
春陽の候
4月中に使える時候の挨拶になります。
春陽の候は、春らしい暖かい日差しを感じる時期になりましたねという意味があり、春和の候と意味合いはとてもよく似ています。
桜花の候
3月下旬から4月中旬まで使える時候の挨拶になります。
桜花の候とは、桜の咲く時期になりましたねという意味ですが、地域によっては桜がすでに散っていたり、まだ咲いていない場合もあります。
そのため、桜花の候を使うときは、手紙やはがきを送る地域の状況に合わせるのがよいでしょう。
麗春の候
4月下旬から5月上旬に使える時候の挨拶になります。
麗春の候は、ひなげしが咲く時期になりましたね、という意味があります。
一般的にひなげしは4~6月に咲くので、手紙やはがきなど送る地域によっては、4月上旬や中旬でも使ってよいと言われていますよ。
晩春の候
4月上旬から5月上旬まで使える時候の挨拶になります。
晩春とは旧暦の春の終わりの時期のことで、二十四節気の清明(例年4月4日頃)から立夏(例年5月4日頃)の前日までを指す言葉になりますよ。
そのため、晩春の候は立夏を過ぎたら使うことはできません。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
春爛漫の候のまとめ
春爛漫の候は4月中に使える時候の挨拶です。
この挨拶は、「はるらんまんのこう」と読み、「春が満開に咲き誇る様子」を表しています。
春の花が一斉に咲き乱れる美しい景色を思わせる表現で、手紙やメールでの挨拶にぴったり。
地域によって春の訪れは異なりますが、春爛漫の候は4月にふさわしいとされています。
時候の挨拶として、この美しい季節を感じさせる一言を、ぜひお使いください。
この記事のポイントをまとめますと
- 春爛漫の候は4月に使う時候の挨拶
- 読み方は「はるらんまんのこう」
- 意味は春の花が咲き乱れる様子
- 3月は仲春であり、春爛漫の候には早い
- ビジネス、目上の人、親しい人への使い分けが重要
- 書き出しには「謹啓」「拝啓」などの頭語が必要
- 結びには季節感ある表現を加える
- 手紙やはがきにマナーとして頭語と結語を対にする
- 女性は結語に「かしこ」も可能だがカジュアル
- 春和の候、春陽の候、桜花の候など4月の他の時候の挨拶も存在
- 春爛漫の候は地域によって使うタイミングが異なることを考慮する
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