菊花の候を使う時期や使い方と読み方を、例文や結び文と併せてご紹介しています。
時候の挨拶を使った手紙やはがきを送る時、いつ、どのように使えばよいのか悩むことがありますよね。
菊花の候の使い方がよくわからずに、困っているという方も多いでしょう。
そこで今回は、菊花の候についてまとめてみました。
菊花の候を使う時期はいつ?
菊花の候は10月上旬から11月上旬まで使える時候の挨拶になります。
時候の挨拶の中には2週間程度しか使えないものもあるので、菊花の候は比較的長く使える時候の挨拶と言えるでしょう。
菊花の候は文字通り、菊が咲いている時期に使うことができる時候の挨拶ですが、秋と言っても晩秋(秋の終わり)の季語になります。
そのため、初秋(秋の始まり)や仲秋(秋の半ば)に使ってしまうと、手紙やはがきを受け取った相手からは「ちょっと早いのでは?」と思われてしまうかも知れません。
菊花の候の意味や読み方は?
菊花の候は「きっかのこう」もしくは「きくかのこう」と読みます。
そして、候(こう)には時候や気候、季節という意味があります。
このようなことから、菊花の候は「菊の花が咲く時期になりました」という意味になります。
菊花(菊)は日本の国花ですし、皇室の家紋のモチーフになっているもの。
また、昔から長寿の花として、菊の花びらを浮かべた菊酒をお祝いの席で飲む習わしがあるなど、日本人にとってはとても馴染み深い花の一つと言えますよね。
菊花の候の正しい使い方は?
先ほども触れましたが、菊花の候は晩秋に使う時候の挨拶になります。
菊には様々な品種があり、開花時期は6月~11月と長くなっていますが、日本では昔から「春の桜、秋の菊」と言われており、菊には秋のイメージがあります。
また、旧暦の9月9日は五節句の一つである『重陽の節句』ですよね。
『重陽の節句』は別名『菊の節句』と呼ばれており、この時期は菊のイメージが強いと言えます。
なお、旧暦の9月9日は現在(新暦)では10月上旬から中旬くらいの時期に該当するので、菊花の候を10月から使うのはぴったりとなりますよ。
ただし、例年11月7~8日頃には立冬(暦の上で冬)を迎えますよね。
立冬とは冬の始まりという意味があるため、秋の季語である菊花の候を使えるのは立冬の前日までということになります。
現在の季節感では、11月上旬はまだ冬ではなく秋の感覚を持っている方が多いと思いますが、時候の挨拶は旧暦に基づいて行うのが一般的であるため、立冬を過ぎてから菊花の候を使うのは避けるのがよいでしょう。
菊花の候を使った例文
菊花の候を使う時期や、正しい使い方などについて理解できたでしょうか。
それでは、実際に菊花の候を使って文章を書いてみましょう。
ここでは、菊花の候を時候の挨拶に使い、3パターンのシチュエーションに合わせた文章の例文をご紹介します。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
菊花の候の結び文
手紙やはがきの書き出しに時候の挨拶を用いた時は、時候の挨拶に合わせた結び文を入れると、文章全体に統一感が出ますよ。
ここでは、菊花の候を時候の挨拶に使った場合の結び文の例文をいくつかご紹介しましょう。
菊花の候を使うときに注意すること
大切な方へ手紙やはがきを送る時に、菊花の候を使うことで丁寧さが伝わります。
しかし、菊花の候を付けたらそれでOK、というわけではありません。
特にビジネス関係の方や、お世話になった恩師など目上の方に送る場合は注意が必要になります。
具体的には、菊花の候の前に頭語を付けるようにして下さい。
頭語とは「拝啓」や「謹啓」などのことで、つつしんで申し上げますという意味がありますよ。
また、頭語には必ず結語があり、頭語が「拝啓」なら結語は「敬具」または「敬白」、頭語が「謹啓」なら結語は「謹白」もしくは「謹言」になります。
「謹啓」は「拝啓」よりもさらに丁寧な言い方になるので、相手によって使い分けてもよいでしょう。
菊花の候以外の10月の時候の挨拶はある?
菊花の候は使える期間が長い時候の挨拶なので、「晩秋にどの挨拶を使えばよいか悩んでしまう」と言った時には、便利に使える時候の挨拶と言えます。
とは言え、菊花の候以外に10月に使える時候の挨拶を知っておけば、季節感に合わせたものを選びやすいですよね。
そこでここでは、菊花の候以外の10月に使える時候の挨拶をご紹介します。
清秋の候
10月初旬から下旬まで使うことできる時候の挨拶です。
「空が清く澄み渡った秋の季節」という意味がある清秋の候は、天候が落ち着く晩秋にぴったりの時候の挨拶と言えそうですよね。
紅葉の候
紅葉が色づき始める、10月中旬から下旬に使える時候の挨拶になります。
ただし、日本は南北に長い地形をしており、紅葉が始まる時期は地域によって違いますよね。
そのため、紅葉の候を使って手紙やはがきを送る場合は、相手の地域の状況に合わせて使うのがよいでしょう。
寒露の候
10月上旬から下旬に使える時候の挨拶になります。
寒露とは二十四節気の一つで、例年10月7~8日頃が該当します。
寒露には「霜が降りそうなほど寒くなりましたね」という意味がありますよ。
次の節気である霜降(例年10月22~23日頃)まで使うことができます。
錦秋の候
10月中旬から11月上旬に使える時候の挨拶になります。
紅葉が広がり、山の木々が錦のように美しいという意味になります。
紅葉の候と同様、手紙やはがきを出す時には相手の地域の状況に合わせるのがよいでしょう。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
菊花の候のまとめ
菊花の候は10月上旬から11月上旬に使う時候の挨拶になります。
はっきりと期間が決まってはいませんが、旧暦の重陽の節句から二十四節気の立冬の前日までがよいと言われていることから、この辺りの期間に使うように意識するのがよいでしょう。
菊は秋の季語ですが、菊花の候を使う時は初秋や仲秋ではなく、晩秋が最もふさわしいと言えますよ。
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