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芒種の候を使う時期はいつ?読み方や意味と例文や結びも!

芒種の候

芒種の候と聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべますか?

この時期はいつからいつまでなのか、その意味や正しい読み方は何なのか、そして実際に文書で使う際の例文や書き方にはどんなものがあるのでしょうか。

日常ではなかなか耳にすることのない「芒種の候」ですが、手紙やはがき、ビジネス文書などで使う場面を想像すると、どのように書き出し、どんな結びの言葉を選べば良いのか迷うこともあるでしょう。

この記事では、芒種の候の使い方から読み方、意味、そして心温まる例文まで、わかりやすく解説していきます。

  • 「芒種の候」の使う時期がいつからいつまでなのかがわかります。
  • 「芒種の候」の読み方とその意味について理解できます。
  • 手紙やはがきでの「芒種の候」の使い方や例文が具体的にわかります。
  • 「芒種の候」を使った書き出しと結びの表現方法について詳しく知ることができます。

芒種の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?

芒種の候を使う時期はいつからいつまで?

芒種の候は6月6日頃から20日頃まで使える時候の挨拶になります。

時候の挨拶の中には、使える期間がやや曖昧なものもありますが、芒種の候は使える期間が決まっていますよ。

芒種の候を使える期間が決まっている理由は、次の「芒種の候の意味や読み方」でご紹介しています。

芒種の候の読み方


芒種の候は「ぼうしゅのこう」と読みます。

芒はのぎ、種はたねとも読みますがこちらは訓読み。

一方で芒種(ぼうしゅ)は音読みになり、時候の挨拶では音読みで読むことが多いです。

芒種の候の意味

「芒種の候」には「芒種を迎え、田植えの時期がきましたね」という意味があります。

「芒種」とは、文字通りイネ科の植物、例えば稲や麦などの種を蒔く時期を示します。

この時期は、穀物が成熟し収穫を迎える一方で、次なる作物のための種蒔きを行う大切な時期でもあります。

芒種が名付けられた背景には、「芒」という言葉があります。

これは、稲や麦などの穂先に見られる鋭い棘のような部分を指し、農業においては稲や麦の種を指す象徴ともなっています。

では、「候」という言葉の意味するところは何でしょうか。

これは、季節や時期を意味する言葉であり、芒種の候は「稲の種まきをする季節」、「農作業に適した時期が訪れた」という意味合いを持ちます。

このように、季節の名前は単に時間の流れを示すだけではなく、それぞれが特定の自然現象や農作業と深く関わっていることを教えてくれます。

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芒種の候の正しい使い方は?


稲や麦の種を撒く時期は地域によって異なり、必ずしも芒種の期間に行うとは限りませんよね。

そのため、芒種の期間以外に稲や麦の種を撒くこともあるでしょう。

そのような時も、手紙やはがきなどに芒種の候を使ってしまいたくなりますが、芒種の候が使える期間は明確に決まっています。

芒種の候は二十四節気の芒種の期間にしか使えないので、期間外となる6月下旬や7月上旬などには使わないようにしましょう。

反対に、芒種の候の期間に実際に稲や麦の種を撒いていなくても、芒種の候を使うことはできますよ。

芒種の候を使用する際は、

拝啓
芒種の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。(中略)天候不順の折、どうぞご自愛専一にてお過ごしください。
敬具

頭語+時候の挨拶+安否の挨拶を組み合わせ、中略部分に主文を書いて、末文へとつなげてゆきます。

末文では、読み手の方の今後の健康や繁栄を祈る言葉と共に時候を絡め、要件を取りまとめるようにするのがポイントです。

芒種の候を使った例文


芒種の候を使った手紙やはがきなどを書く時は、送る相手によって文章の書き出しを変えるのがよいでしょう。

ここでは、芒種の候をビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合に分けて、それぞれの例文をご紹介します。

ビジネスで使う場合

書き出し文

  • 謹啓 芒種の候、貴社におかれましては益々ご隆盛の趣、慶賀の至りに存じます。毎々格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
  • 拝啓 芒種の候、貴社にはますますご隆盛の段、大慶の至りに存じます。平素は格別のご高配をいただき心から感謝申し上げます。
  • 拝啓 芒種の候、貴店にはご清栄の段、何よりと存じます。日頃は格別のお引き立てをいただき、ありがたく御礼申し上げます。

結び文

  • 初夏が訪れ、その心地よい香りが漂う時期になりました。貴社がこれからも益々発展されますよう心より願っております。
  • もうじき梅雨の季節がやってくることを感じさせる今日この頃ですが、貴社が今後も更に躍進されることを心から祈っております。
  • 田園に広がる稲のように、貴社がさらに栄え、繁栄することを心から願っております。

目上の人に使う場合

書き出し文

  • 謹啓 芒種の候、〇〇様にはますますご壮健のことと拝察いたしお慶び申し上げます。
  • 拝啓 芒種の候、皆様にはいよいよご清福のことと拝察し、お慶び申し上げます。
  • 拝啓 芒種の候、ご一同様におかれましてはご壮健にお過ごしのことと拝察いたします。

結び文

  • 梅雨の季節を前にして天候が不安定な時期にございます。どうかお身体を大切になさってください。
  • これからは雨が頻繁に降る時期に入ります。皆様が健康を保ち、ご自愛のほどをお願い申し上げます。
  • 紫陽花が美しく咲き乱れるこの季節に、〇〇様の更なる成功とご活躍を心よりお祈りしております。

親しい人に使う場合

書き出し文

  • 風に乗って夏の訪れが強く感じられる季節となりました。〇〇様もいつも通り、健やかにお過ごしでいらっしゃいますか。
  • もうすぐ梅雨の季節が始まることを前に、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
  • 梅雨の間に見たい晴れ間がなかなか訪れない時期ですが、ご一同様におかれましては変わらずご壮健にお過ごしのことと存じます。

結び文

  • 雨が続くと気分も沈みがちですが、体調などには十分ご留意ください。
  • 梅雨の冷え込みが厳しいこの時期、お風邪など召されませんようお気を付けください。
  • 季節が変わるこの時期、皆様くれぐれもご自愛ください。

なお、親しい人には漢語調の時候の挨拶を使う必要はありません。

漢語調とは芒種の候のような〇〇の候と書くもので、それ自体が丁寧な表現になります。

ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどに使うのはよいのですが、親しい人に使うと相手がよそよそしさを感じてしまうこともあります。

親しい人には、漢語調よりもカジュアルな口語調を使うのがよいでしょう。

口語調の例文としては、「稲の種まきの時期になりましたね。お元気にしていますか」のような書き出しになりますよ。

結び文とは?


結び文とは文章の締めくくりに書く文です。

結び文には季節に関係なく使える定型文がありますが、時候の挨拶に季節感を合わせた結び文にすると、文章全体に統一感が出ます。

ここでは、芒種の候を時候の挨拶に使った文章の結び文の例文をご紹介します。

・梅雨のみぎり、ご自愛専一にてお願い申し上げます。謹言
・雨にうたれて草木の葉が茂るがごとく、より一層ご発展されますよう心よりお祈り申し上げます。敬具
・長雨の季節です。体調をくずさないようお気をつけてお過ごしくださいね。かしこ

芒種の候を使うときに注意すること


芒種の候を使って手紙やはがきなどを書くときには、親しい人へ送る場合を除いて文章の書き出しに頭語をつけるのがよいでしょう。

頭語には様々な種類がありますが、一般的によく使われるのは「謹啓」と「拝啓」になります。

これらには「謹んで申し上げます」という意味があり、相手への経緯を表すことができますよ。

また、頭語は結語が対になっているので、「謹啓」を使ったら「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」なら「敬具」または「敬白」を文章の最後に付けて下さい。

なお、女性のみ、どの頭語を使っても結語に「かしこ」が使えますが、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどでは、「かしこ」はややカジュアルな印象になるため、使わない方がよいでしょう。

芒種の候以外の6月の時候の挨拶はある?


芒種の候は二十四節気の芒種の期間にしか使うことができないので、それ以外の6月には他の時候の挨拶を使う必要がありますよね。

そこでここでは、芒種の候以外に6月に使える時候の挨拶をご紹介します。

桜桃の候

6月5日頃から7月5日頃の仲夏の時期に使える時候の挨拶です。

桜桃は「おうとう」と読み、さくらんぼのことです。

桜桃の候は「さくらんぼのおいしい季節になりましたね」という意味になりますよ。

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黄梅の候

6月16日~21日頃に使える時候の挨拶になります。

黄梅とは七十二候の「梅子黄」のことを指し、梅の実が青から黄色に色づく時期という意味になりますよ。

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梅雨寒の候

6月中旬から下旬に使える時候の挨拶です。

梅雨寒とは梅雨の時期の寒さを指す言葉で、「梅雨の雨降りで肌寒い時期が続いていますね」という意味があります。

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小夏の候

6月下旬から7月上旬に使える時候の挨拶になります。

旧暦の夏の半ば(仲夏)を指す言葉ですが、小という字が入っているので夏の始まり(初夏)に使える時候の挨拶と勘違いしてしまう人が多いので注意しましょう。

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深緑の候

6月全般に使える時候の挨拶です。

深緑の候には、葉の緑が濃くなっていく時期という意味があります。

同じ読み方の新緑の候は5月に使える時候の挨拶なので、間違えないのようにしましょう。

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Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法

仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。

そのような時はWordを利用してみましょう。

Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。

ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。

手順

①Wordを開きます

②挿入タブをクリックします

③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします

④あいさつ文の挿入を選びます

⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう

⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます

⑦選んだら「OK」をクリックしてください

⑧Wordに選んだ文章が表示されます

ポイント

Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。

挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。

芒種の候のまとめ

芒種の候は6月6日頃から20日頃まで使える時候の挨拶です。

「ぼうしゅのこう」と読み、田植えの時期がきたことを告げる素敵な挨拶です。

言葉自体には、稲や麦など穀物を蒔く大切な時期を象徴しており、季節の移り変わりと農作業の重要性を感じさせてくれます。

手紙やはがきで使う際は、時期を意識して、温かみのある言葉遣いで相手に季節の挨拶を伝えましょう。

この記事のポイントをまとめますと

  • 芒種の候は6月6日頃から20日頃まで使用される時候の挨拶
  • 読み方は「ぼうしゅのこう」
  • 意味は田植えの時期が来たことを示す
  • 芒種はイネ科の植物の種を蒔く時期を指す
  • 背景には穀物の成熟と新たな作物の種蒔きがある
  • 「候」は季節や時期を意味する
  • ビジネス文書では頭語と結語を適切に使用
  • 親しい人へはカジュアルな表現が適切
  • 他の6月の時候の挨拶には桜桃の候や黄梅の候がある

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