文化の日はいつ?その意味や由来は?
子どもの時は、土日以外の平日休みが待ち遠しくて、カレンダーの祝日をよくチェックした、という方も多いのではないでしょうか。
しかし、その当時は祝日を単なる休みとしてしか認識していなかった場合が殆どだと思いますが、さすがに大人になったらそれだけではいけません。
どうしてその日が祝日なのか、きちんと意味を知っておく必要があると思います。
そこで今回は、国民の祝日の中でもいまいち由来がわかりづらいと言われている「文化の日」を取り上げてみました。
文化の日が祝日になった理由や意味など、お子さんに尋ねられてもしっかりと答えられるように、この機会に是非知っておきましょう!
文化の日2023年はいつ?
文化の日は、11月3日です。
私達が祝日と認識しているものは、正式には「国民の祝日」と言います。
そもそも国民の祝日とは、〝自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける〟となっており、単なる休みではなくとても意味深いものだったのです。
そんな国民の祝日は一年に16日ほどあり、以下の通りとなっています。
元日 :1月1日
成人の日 :1月第2月曜日(2023年は1月9日)
建国記念の日:2月11日
天皇誕生日 :2月23日
春分の日 :春分日(2022年は3月21日)
昭和の日 :4月29日
憲法記念日 :5月3日
みどりの日 :5月4日
こどもの日 :5月5日
海の日 :7月第3月曜日(2022年は7月18日)
山の日 :8月11日
敬老の日 :9月第3月曜日(2022年は9月19日)
秋分の日 :秋分日(2022年は9月23日)
スポーツの日(体育の日) :10月第2月曜日(2022年は10月10日)
文化の日 :11月3日
勤労感謝の日:11月23日
上記の表からもわかる通り、文化の日は11月3日になります。
11月には文化の日以外にも23日に勤労感謝の日があるため、〝平日の休みが多い月〟と覚えている方も少なくないでしょう。
では、なぜ文化の日がこの日になったのかと言うと、それには文化の日の由来や意味が関係していますので、次の章でより詳しくご説明したいと思います。
文化の日の由来
文化の日は、国民の祝日に関する法律(祝日法)により、1948年に制定されました。
文化の日の制定には、その2年前の1946年11月3日に日本国憲法が公布されたことが由来となっています。
実は、11月3日は文化の日となる以前から、明治天皇の誕生日(明治節)で祝日だったのですが、当時の首相だった吉田茂が意図的にこの日を日本国憲法の公布日とし、四大節(四方節、紀元節、天長節、明治節)と結び付けたと言われています。
文化の日の意味
敬老の日やスポーツの日(体育の日)、こどもの日などは、その字面から何となく祝日の意味が窺い知れますが、文化の日とは一体なんなのでしょう。
文化の日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ということを趣旨としています。
〝自由と平和を愛し〟という部分は、文化の日の成り立ちがわからなければ疑問に思えてしまいますが、日本国憲法の公布日だったということがわかると、なるほどと思えますよね。
では、次の〝文化をすすめる〟とはどういう意味なのでしょうか。
文化という言葉を調べてみると、「生活様式の全体」や「人間の知的洗練や精神的進歩とその成果」となっています。
つまり、文化をすすめるというのは、日本人や日本という国が長年をかけて培ってきたものに、改めて関心を持ち、世の中に広めよう、ということなのだと思います。
文化の日を英語で言うと?
文化の日を英語で言うと、〝Culture Day〟となります。
簡単な単語ですので、意味自体は十分に伝わると思いますが、実際に海外の方に文化の日の由来や意味などを説明するとなると少し難しいですよね。
ちなみに、海外には日本のような文化の日はないそうです。
文化の日の大きなイベントは?
文化の日の大きなイベントと言えば、やはり「文化勲章」の授与式ではないでしょうか。
テレビ中継をされるので、その様子を見たことがある方も多いと思いますが、文化勲章は皇居宮殿松の間にて天皇から直接授与されます。
文化勲章の選定は、文化審議会にて文部科学大臣の選定によって決定した科学功労者の中から、おおむね毎年5名ほどが選考されます。
また、その年にノーベル賞を受賞した方の場合は、文化勲章未受賞であれば慣例として文化勲章が授与されるそうです。
なお、文化の日にはこの他にも、美術館や博物館などの無料開放や、教育関係の講座などが開催されます。
せっかくの機会ですので、普段はなかなか訪れることがない場所などに足に運んで、感性を養ったり、自分が住んでいる地域の歴史に触れたりするのもよいかも知れません。
文化の日と憲法記念日との関連性は?
祝日法が制定された当初は、11月3日を憲法記念日とする案もあったようですが、戦後の日本を管轄していたGHQからNGが出てしまい、そのため日本国憲法の公布とは一見するとあまり意味が合わない「文化の日」という名称による祝日の制定となったそうです。
なお、公布と施行の違いがよくわからないという方も多いと思いますが、公布は〝成立した法律を一般に幅広く周知する〟ことを言い、施行は〝実際に法律が効力を持って適用される〟ことを言います。
つまり、公布されたからと言ってすぐに新しい法律に変わるだけではないのです。
この場合、それまでの現行憲法であった大日本帝国憲法に代わり、「1947年5月3日より日本国憲法に変わります」と国民に通達をしたのが公布であり、実際に日本国憲法が発効された日が施行というわけです。
まとめ
文化の日には、美術館などが開放されることから、何となく芸術などに触れて感性を養うのが目的の日、というイメージを持っていた方も多いと思います。
しかし実際は、文化の日が制定される以前から明治天皇の誕生日であったり、日本国憲法が公布された日など、日本の歴史ととても深い関わりがあった日なのです。
このようなことは詳しく調べてみて初めてわかることですが、意味を知ることでその日を迎える気持ちにも変化があるのではないかと思います。
今年の文化の日には、文化的なイベントを行うだけではなく、自由と平和を手にした今の日本の歴史を振り返る日にしてみてはいかがでしょうか。
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