成人の日とは?意味や由来と成人式との関係は?
成人の日は、ハッピーマンデー法によって、1月の第2月曜日と変更されました。
それでは、2024年の成人の日はいつなのでしょうか。
また、成人の日が祝日の由来や意味を知りたいと思っている方も多いのではないかと思います。
そこで今回は、成人の日について調べてみました。
また、晴れて大人の仲間入りとなる成人の日には、振袖を着て式に出席するという女性が多いのではないでしょうか。
そこで、成人式に振袖を着る理由や、地域による成人式の違いなども合わせて解説していきます。
成人の日2024年はいつ?
2024年の成人の日は、1月8日(月)です。
これは、冒頭でも触れた2000年のハッピーマンデー法によって、1月の第2月曜を成人の日とするように決まっていることからわかるものです。
ちなみに2024年は1月8日、2025年は1月13日となっています。
鏡開きとは年始に歳神様にお供えした鏡餅を下げ、割って食べる昔からの風習になります。
ただし、成人の日に行う成人式は、必ずこの日(1月の第2月曜)と決まっていない地域も存在します。
例えば青森県のつがる市は8月のお盆の期間に成人式を行います。
その理由は冬の期間は雪が多く降るため、当日帰省できない人がいることや、年末年始に帰省した人が一週間後にまた青森に帰省するのが難しい場合があることから、帰省しやすいお盆に成人式を行うそうです。
また、新潟県の柏崎市は、同じく雪の影響を受けないという理由でゴールデンウィークに成人式を行います。
成人の日とハッピーマンデーの関係
週休2日制の普及に伴い、土曜と日曜が休みという方が増えてきた背景から、さらに月曜も休みにすることで3連休とし、長めの休暇を取りやすくするのがハッピーマンデー制度です。
アメリカなどの欧米では昔から実施されていたものなのですが、それまで週休の意識が薄かった日本でも根付かせるべく、1998年より施行されています。
しかし、祝日の全てがこのハッピーマンデー制度によって、元の日付から月曜に移動となっているわけではありません。
現在のところ、ハッピーマンデ―制度によって月曜に変わったものは、成人の日を含む4つ(海の日、敬老の日、スポーツの日(体育の日))のみとなっています。
なぜ、このような違いがあるのかと言うと、祝日の中には天皇や皇室に関わる行事や神事があり、それらは「その日をお祝いすることに意味がある」からと言われています。
例えば、昭和天皇の誕生日である〝昭和の日(4月29日)〟や、初代天皇の即位日を定めた紀元節が元となっている〝建国記念の日(2月11日)〟などは、日付が変更することなどあり得ないというわけです。
その点で、成人の日は小正月に由来しているため、ハッピーマンデ―制度の対象となり月曜に変更されることになりました。
成人の日とは?
成人の日は祝日法(国民の祝日に関する法律)において『おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます』ことを趣旨としているものです。
成人の日の由来
各市町村が新成人を招いて成人式を行うものですが、その起源は奈良時代にまで遡ります。
当時、数え年で12~16歳となる男子は『元服(げんぷく)』、女子は『裳着(もぎ)』という儀式を行い、大人と認められていました。
元服では、髪型や服装がこどものものから大人のものへと変わり、同時に名前も幼名から新しい名前へと切り替わったそうです。
裳着の場合は「裳」と呼ばれる衣服を着ることで、成人したとみなされ、結婚が許されていたそうです。
また、元服と同様に髪型も子どもの時は垂らしていたのが、結い上げで大人の髪へと変わります。
これらの通過儀礼はそもそもは上級階級の貴族が行っていましたが、庶民もある年齢に達すると「一人前」とみなされる成人式が行われていたようです。
成人式のルーツ!
成人の日の由来が、奈良時代の元服の儀であることはご説明しましたが、現在全国で行われている成人式の発祥というのは、実は埼玉県の蕨市だと言われています。
敗戦直後の1946年11月22日に、将来を担う若者達を激励する意味を込めて、埼玉県北足立郡蕨町(現・蕨市)にて当時の埼玉県蕨町青年団長であった高橋庄次郎の呼びかけの元、青年祭(後の成年式)が行われました。
そして、この青年祭が全国へと普及していくと、1949年に国が1月15日を成人の日として祝日に制定しました。
以後、成人の日には成人式を行う地方が増えていきましたが、成人式発祥の蕨市では現在も成年式として行事を執り行っているようです。
なお、宮崎県東臼杵郡諸塚村も成人式発祥の地とされていますが、「成人式(成年式)」という名称での開催の順番からすると、埼玉県の蕨市の方が早かったことがわかっています。
ただし、諸塚村では名称が成人式となる以前から、村の若者(男性20才、女性18才)を集めて宿泊訓練(成人講座)を開いており、文部省はこれを元に成人の日を制定したとも言われています。
成人式に振袖を着る理由
成人式には振袖を着る方が多いのではないかと思いますが、それではどうして成人式に振袖を着るのでしょうか。
ここでは、成人式に振袖を着る理由をご紹介します。
厄除の効果
「振る」という動作には、古くから厄払いの意味が込められています。
神社でお祓いをする時も大麻(おおぬさ。榊の枝や白木の棒に紙垂と呼ばれる白い紙を付けたもの)を振って、厄を祓いますよね?
その習わしがあるため、振袖を着ることで厄払いの効果があると考えられていました。
若い女性の礼服
江戸時代の女性は小袖と呼ばれる、振袖よりも袖の短い着物を普段着として着ていたのですが、上記のように「振る」という動作に厄払いの効果があると思われていたことや、踊り子が舞台の上で踊る際に袖が長い方が所作が綺麗に見えることから、若い女性の間で振袖が大流行し、それがやがて未婚女性の第一礼装として定着しました。
これにより、大人になる儀式である成人式に女性は振袖を着るようになったと言われています。
地域によって成人式が違う?
実は各市町村によって、その土地ならではの特色を生かした、ちょっとユニークな成人式を行っているところが以外と多くあります。
例えば、千葉県の浦安市。
浦安と言えば東京ディズニーリゾートを思い出す方が多いと思いますが、浦安市の成人式は東京ディズニーランドで行われます。
成人式ではミッキーのショーが見れたり、ディズニーキャラクター達が1から20までカウントしてくれたりと、新成人の門出を一緒にお祝いしてくれます。
また、同じ千葉県の鴨川市では鴨川シーワールドにて成人式が行われ、アシカと一緒に写真撮影が出来ます。
さらに同じく千葉県の成田市は空港での成人式と、他県民からすると羨ましい限りの成人式を行っている市町村がまだまだたくさんあります。
成人の日に行われるイベント
成人の日に行われるイベントには、どのようなものがあるのでしょうか。
成人式
成人の日には全国的に成人式が行われます。
成人式は各市町村によって内容が異なりますが、多くの場合は来賓や市長などの祝辞や、新成人の代表者によるスピーチなどが主になります。
また、上記でも触れましたが、ディズニーランドなどその市町村ならではの場所で行われるケースもあります。
どんど焼き
どんど焼きとは左義長(さぎちょう)とも呼ばれ、小正月に行われる火祭りのことです。
年始に飾った門松やしめ縄などを持ち寄って、お焚き上げしてもらう儀式なのですが、地方によってはその火で焼いた餅を食べて無病息災を願います。
18歳成人になったら成人式はどうなる?
2022年4月1日より、民法の改正で成人年齢がこれまでの20歳から18歳へと引き下げられました。
そうなると気になるのが、2024年の成人式はどうなるのかという点です。
18歳で成人式を行うとなれば、高校3年生の受験真っ只中(就職活動中)に式に出なくてはいけなくなるため、受験生やその親御さんにとっては心配の種となってしまいますよね。
また、仮に2024年から18歳で成人式を行うことにしても、その年は19歳、そして20歳の人も同時に成人式を行うことになり、会場の確保などが難しいとされています。
結論から言うと、2024年以降も成人式は20歳に行う可能性が高いと言えます。
なぜなら、各地の市町村が「従来通りに20歳で成人式を行う」と表明しているからです。
ただし、成人式を行う年齢については、市町村ごとに決定が委ねられているため、自分が出席する予定の市町村がどのような決定を行っているのか、確認しておくとよいでしょう。
数は少ないですが、18歳で成人式を行うことにした市町村もあります。
成人の日を英語では何て言うの?
成人の日を英語で表すと、Coming of Age Dayとなります。
ただし、アメリカやドイツ、オーストラリアなどには日本のような成人式の儀式はないそうです。
同じアジアの中国や韓国では、成人を迎えるにあたりそれをお祝いする日や儀式があるようですが、中国の場合は成人は18才、韓国は19才となっています。
また、日本においても成人年齢を20才から18才に引き下げる議論が活発化しています。
選挙権については、すでに今年から18才にも与えられており、東京都知事選への18才、19才の参政が大きな話題となりましたよね。
なお、成人の日を表すComing of Age Dayは、Coming of Ageという言葉に成人を迎えるという意味があるため、例え日本の成人年齢が20才から18才に変わっても、この言い方が変わるわけではありません。
成人の日のまとめ
2024年の成人の日は1月8日となっています。
成人の日は奈良時代の元服や裳着が由来とされており、当時は12~16歳に大人の仲間入りの儀式を行っていたとされていますが、現在のような形になったのは1946年の埼玉県蕨市の「青年祭」が始まりと言われています。
なお、民法の改正により2022年から成人年齢が20歳から18歳へと引き下げられましたが、成人式を18歳で行うのか20歳で行うのかは各市町村の判断に委ねられているので、該当する方は事前に自分が出席する予定の市町村のホームページなどで確認しておくのがよいでしょう。
2024年の国民の祝日一覧
月 | 日 | 曜日 | 祝日の名称 |
---|---|---|---|
1月 | 1 | 月 | 元日 |
8 | 月 | 成人の日 | |
2月 | 11 | 日 | 建国記念の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
23 | 金 | 天皇誕生日 | |
3月 | 20 | 水 | 春分の日 |
4月 | 29 | 月 | 昭和の日 |
5月 | 3 | 金 | 憲法記念日 |
4 | 土 | みどりの日 | |
5 | 日 | こどもの日 | |
6 | 月 | 振替休日 | |
7月 | 15 | 月 | 海の日 |
8月 | 11 | 日 | 山の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
9月 | 16 | 月 | 敬老の日 |
22 | 日 | 秋分の日 | |
23 | 月 | 振替休日 | |
10月 | 14 | 月 | スポーツの日 |
11月 | 3 | 日 | 文化の日 |
4 | 月 | 振替休日 | |
23 | 土 | 勤労感謝の日 |
1月の国民の祝日
●1月1日(元日)
1年の始まりである1月1日は、国民の祝日によって休日となっています。
元日は休みというのは日本においてとても一般的となっていますが、実は法律が施行されたのは昭和23年の新しい祝日法からとなっています。
それ以前も元日は休日となっていましたが、法が定める休日となったのはこの時からです。
●1月8日(成人の日)
「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」を趣旨として制定された祝日です。
1999年までは1月15日に固定されていましたが、2000年以降はハッピーマンデー制度(祝日を特定の日から土日明けの月曜日に移動させることで、連休にするもの)によって、1月8日~14日のどれかになるため、1月15日に成人の日がくることはありません。
また、成人の日は、元は小正月に元服の儀が行われていたことが由来とされています。
2月の国民の祝日
●2月11日(建国記念の日)
「建国をしのび、国を愛する心を養う」という趣旨により、昭和41年に制定されました。
元々は明治6年に「紀元節」(日本の初代天皇の神武天皇の即位日)として祭日となっていたものの、戦後にGHQの指示によって廃止されたものの、昭和41年に復活して祝日となった経緯があります。
●2月23日(天皇誕生日)
天皇の誕生日をお祝いする日ですが、2019年に年号が平成から令和に変わり、今上天皇への譲位によって2020年から変更となります。
3月の国民の祝日
●3月21日(春分の日)
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨としていますが、昼と夜の長さが(ほぼ)同一となる日を春分日としています。
春分日は毎年異なりますが、通例では3月20日もしくは3月21日のいずれかになっています。
4月の国民の祝日
●4月29日(昭和の日)
「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ことを趣旨としていますが、元は昭和天皇の誕生日→みどりの日と2度の変更経て、2007年に制定された祝日となっています。
5月の国民の祝日
●5月3日(憲法記念日)
昭和22年に日本国憲法が施行されたことを記念し、翌年の昭和23年に制定された祝日です。
「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」を趣旨としています。
●5月4日(みどりの日)
元は昭和天皇の誕生日が4月29日であったことから、ゴールデンウィークを形成する休日の一つとされていたのですが、昭和64年に年号が昭和から平成に変わり天皇がお御代替えしたことで、天皇誕生日が12月23日へと改められたことを機に、当初は4月29日をみどりの日として祝日に制定していました。
さらに平成17年の法改正により、みどりの日は5月4日に移動され、4月29日は昭和の日と変更されています。
なお、みどりの日は「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことを趣旨としています。
●5月5日(こどもの日)
端午の節句である5月5日に、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨として昭和23年より制定されています。
6月の国民の祝日
6月は国民の祝日はありません。
7月の国民の祝日
●7月15日第3月曜日(海の日)
平成8年に施行された当初は7月20日と固定でしたが、現在は7月の第3月曜日となっています。
「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」と趣旨としています。
8月の国民の祝日
●8月11日(山の日)
平成26年に制定され、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としています。
9月の国民の祝日
●9月16日第3月曜日(敬老の日)
平成14年までは9月15日の固定となっていましたが、平成15年より9月の第3月曜に変わっています。
「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としています。
●9月22日(秋分の日)
春分の日と同様に、昼と夜の長さがほぼ同じ秋分日を祝日としています。
例年9月22日か9月23日のいずれが1日となります。
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨としています。
10月の国民の祝日
●10月14日(スポーツの日)
昭和39年に行われた東京オリンピックの開会式が10月10日だったことから、この日とスポーツの日(体育の日)として、「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」ことを趣旨として祝日にしています。
現在はハッピーマンデー制度により10月の第2月曜日となっています。
なお、2020年1月1日より、名称もスポーツの日(体育の日)からスポーツの日へと変更になりました。
11月の国民の祝日
●11月3日(文化の日)
明治天皇の誕生日であり、日本国憲法が公布された日です。
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としています。
なお、文化の日から半年後の5月3日に日本国憲法は施行され、その日を憲法記念日としています。
●11月23日(勤労感謝の日)
元は新嘗祭という天皇行事による休日だったのですが、GHQによって禁止された後、勤労感謝の日として復活して祝日制定となりました。
「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としています。
12月の国民の祝日
12月は国民の祝日はありません。
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