憲法記念日の意味や由来と文化の日との関連性!
ゴールデンウィークを構成する祝日の一つに、憲法記念日があります。
では、憲法記念日には一体どのような意味があるのか、ご存知の方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。
そもそも、憲法とは何なのでしょうか。
「今年のゴールデンウィークは最大何連休になるのかな」と、カレンダーを確認する際、多くの方は数字が祝日を表す赤色かどうかを見るのみで、その日がなぜ祝日なのかというところまでは詳しく見ていないのではないかと思います。
しかしながら、日本人として憲法記念日を知らないということは、決して大きな声で自慢できるようなことではありません。
そこで今回は、憲法記念日について調べてみました。
難しい表現はできるだけ避け、誰にでもわかるように憲法記念日を説明していますので、憲法記念日の意味や由来について知って頂く機会となればと願います。
憲法記念日2024年はいつ?
世界の憲法記念日
憲法記念日は日本だけではなく世界各国に存在します。
ここでは、その一部をご紹介したいと思います。
- アメリカ 9月17日
- オーストラリア 1月1日
- オランダ 12月15日
- スウェーデン 6月6日
- スペイン 12月6日
- タイ 12月10日
- 中国 12月25日
- 韓国 7月17日
- ドイツ 5月23日
- ポーランド 5月3日
- デンマーク 6月5日
- ノルウェー 5月17日
- ベルギー 11月15日
憲法記念日が何かを知る前に、そもそも〝憲法〟とは一体なんなのでしょう。
憲法を簡単に説明すると、「国の基礎を定める法」と言えます。
私達は、生活する上で様々な法律を守る義務があります。
例えば、車のスピードは決められた速度以上出してはいけませんし、店から物を盗んでもいけません。
このような法律は、国民に対して国が制限を設けることで、社会秩序を保つために作られています。
そして、いかなる法律も、基本は憲法違反ではないということが前提になります。
つまり憲法とは、その国における基礎であり、同時に最高法規ということになるのです。
なお、ポーランドは憲法記念日が日本と同じ5月3日となっていますが、歴史は日本よりもはるかに古く、制定は1791年となっています。
日本では1791年頃は江戸時代中期にあたるため、その歴史の長さがわかります。
憲法記念日とは?
憲法記念日の由来
現在の日本は「日本国憲法」が制定されていますが、1947年5月2日までは大日本帝国憲法が57年間続いていました。
その大日本帝国憲法から、今の日本国憲法に切り替わった日、つまりは日本国憲法の効力が有効となったのが、1947年5月3日となります。
施行から60年以上が経った現在まで、日本国憲法は一度も改正されていませんが、近年は憲法第九条の改正案が議論となるなど、憲法改正の動きが活発化しています。
憲法記念日の意味
憲法記念日は、「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」ことを趣旨としています。
5月3日は、それまでの大日本帝国憲法が廃止され、日本国憲法が施行された日。
そのため、この日を憲法記念日とするとともに、日本の成長を期待しましょうというのが、憲法記念日の意味となります。
憲法記念日は何を記念している日なの?
憲法記念日は、大日本帝国憲法から日本国憲法へと現行憲法が変更されることが決定し、実際に日本国憲法が施行されたことを記念した日となっています。
日本国憲法では、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の3つを基本原理として掲げています。
国民主権とは、それまでの天皇主権ではなく、国民一人一人に、国政のあり方を決定する権利があることを指しています。
基本的人権の尊重とは、人種や性、身分によって差別されることなく、人間らしく生きることができる権利で、その権利は国や政府などによって侵されることがありません。
そして、平和主義では、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めています。
このような権利は、今を生きる私達にとっては当然のことのように思えますが、それ以前の大日本帝国憲法では保障されていませんでした。
憲法記念日と文化の日との違いや関係性は?
日本国憲法は、施行される半年前の1946年11月3日に公布されています。
公布とは、成立された新しい法律などを広く一般に周知することを言い、現在この日は「文化の日」として憲法記念日と同様に国民の祝日として定めています。
しかし、実は当初は、日本国憲法の公布日(つまりは文化の日)を憲法記念日として制定しようとする動きがありました。
と言うのも、11月3日は明治天皇の誕生日であり、以前から「明治節」と呼ばれる祭日だったのです。
明治節は、当時日本を統治していたGHQによって廃止されていたのですが、どうしてもこの日を祝日として残したかった日本側は憲法記念日として制定することを提案したものの、これは却下されてしまいました。
ですが、憲法記念日という名称でなければ祝日として制定してもよいということになり、「文化の日」という呼び方に変更して11月3日を祝日のまま残したという経緯があります。
つまり、一見すると何の関係性もないように思える憲法記念日と文化の日は、日本国憲法の施行と公布という部分で繋がっているのです。
憲法記念日を英語で何て言うの?
憲法記念日を英語にすると、Constitution Memorial Dayもしくは、Constitution Dayとなります。
Constitutionには、組織や構成、構造という意味の他に、憲法という意味があります。
憲法記念日は、日本以外にも多くの国で制定されているため、Constitution Day(Constitution Memorial Day)だけで日本で憲法が制定された日なのだな、と十分に意味が通じます。
憲法記念日のまとめ
子どもだけではなく、大人も楽しみにしているゴールデンウィーク。
旅行やレジャーの予定を立て、その日が来ることをワクワク、ドキドキしながら待っていることと思いますが、そんなゴールデンウィークの祝日には、憲法記念日のように意味深い日が存在しています。
旅先に向かう車やバスの中などで5月3日の憲法記念日の由来や意味を話し合うことができたら、それだけでとても有意義な日になると思いますので、是非、次回のゴールデンウィークには、今回ここでご紹介させて頂いた憲法記念日のお話を家族や友人達となさってみてはいかがでしょうか。
2024年の国民の祝日一覧
月 | 日 | 曜日 | 祝日の名称 |
---|---|---|---|
1月 | 1 | 月 | 元日 |
8 | 月 | 成人の日 | |
2月 | 11 | 日 | 建国記念の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
23 | 金 | 天皇誕生日 | |
3月 | 20 | 水 | 春分の日 |
4月 | 29 | 月 | 昭和の日 |
5月 | 3 | 金 | 憲法記念日 |
4 | 土 | みどりの日 | |
5 | 日 | こどもの日 | |
6 | 月 | 振替休日 | |
7月 | 15 | 月 | 海の日 |
8月 | 11 | 日 | 山の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
9月 | 16 | 月 | 敬老の日 |
22 | 日 | 秋分の日 | |
23 | 月 | 振替休日 | |
10月 | 14 | 月 | スポーツの日 |
11月 | 3 | 日 | 文化の日 |
4 | 月 | 振替休日 | |
23 | 土 | 勤労感謝の日 |
1月の国民の祝日
●1月1日(元日)
1年の始まりである1月1日は、国民の祝日によって休日となっています。
元日は休みというのは日本においてとても一般的となっていますが、実は法律が施行されたのは昭和23年の新しい祝日法からとなっています。
それ以前も元日は休日となっていましたが、法が定める休日となったのはこの時からです。
●1月8日(成人の日)
「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」を趣旨として制定された祝日です。
1999年までは1月15日に固定されていましたが、2000年以降はハッピーマンデー制度(祝日を特定の日から土日明けの月曜日に移動させることで、連休にするもの)によって、1月8日~14日のどれかになるため、1月15日に成人の日がくることはありません。
また、成人の日は、元は小正月に元服の儀が行われていたことが由来とされています。
2月の国民の祝日
●2月11日(建国記念の日)
「建国をしのび、国を愛する心を養う」という趣旨により、昭和41年に制定されました。
元々は明治6年に「紀元節」(日本の初代天皇の神武天皇の即位日)として祭日となっていたものの、戦後にGHQの指示によって廃止されたものの、昭和41年に復活して祝日となった経緯があります。
●2月23日(天皇誕生日)
天皇の誕生日をお祝いする日ですが、2019年に年号が平成から令和に変わり、今上天皇への譲位によって2020年から変更となります。
3月の国民の祝日
●3月21日(春分の日)
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨としていますが、昼と夜の長さが(ほぼ)同一となる日を春分日としています。
春分日は毎年異なりますが、通例では3月20日もしくは3月21日のいずれかになっています。
4月の国民の祝日
●4月29日(昭和の日)
「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ことを趣旨としていますが、元は昭和天皇の誕生日→みどりの日と2度の変更経て、2007年に制定された祝日となっています。
5月の国民の祝日
●5月3日(憲法記念日)
昭和22年に日本国憲法が施行されたことを記念し、翌年の昭和23年に制定された祝日です。
「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」を趣旨としています。
●5月4日(みどりの日)
元は昭和天皇の誕生日が4月29日であったことから、ゴールデンウィークを形成する休日の一つとされていたのですが、昭和64年に年号が昭和から平成に変わり天皇がお御代替えしたことで、天皇誕生日が12月23日へと改められたことを機に、当初は4月29日をみどりの日として祝日に制定していました。
さらに平成17年の法改正により、みどりの日は5月4日に移動され、4月29日は昭和の日と変更されています。
なお、みどりの日は「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことを趣旨としています。
●5月5日(こどもの日)
端午の節句である5月5日に、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨として昭和23年より制定されています。
6月の国民の祝日
6月は国民の祝日はありません。
7月の国民の祝日
●7月15日第3月曜日(海の日)
平成8年に施行された当初は7月20日と固定でしたが、現在は7月の第3月曜日となっています。
「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」と趣旨としています。
8月の国民の祝日
●8月11日(山の日)
平成26年に制定され、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としています。
9月の国民の祝日
●9月16日第3月曜日(敬老の日)
平成14年までは9月15日の固定となっていましたが、平成15年より9月の第3月曜に変わっています。
「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としています。
●9月22日(秋分の日)
春分の日と同様に、昼と夜の長さがほぼ同じ秋分日を祝日としています。
例年9月22日か9月23日のいずれが1日となります。
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨としています。
10月の国民の祝日
●10月14日(スポーツの日)
昭和39年に行われた東京オリンピックの開会式が10月10日だったことから、この日とスポーツの日(体育の日)として、「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」ことを趣旨として祝日にしています。
現在はハッピーマンデー制度により10月の第2月曜日となっています。
なお、2020年1月1日より、名称もスポーツの日(体育の日)からスポーツの日へと変更になりました。
11月の国民の祝日
●11月3日(文化の日)
明治天皇の誕生日であり、日本国憲法が公布された日です。
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としています。
なお、文化の日から半年後の5月3日に日本国憲法は施行され、その日を憲法記念日としています。
●11月23日(勤労感謝の日)
元は新嘗祭という天皇行事による休日だったのですが、GHQによって禁止された後、勤労感謝の日として復活して祝日制定となりました。
「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としています。
12月の国民の祝日
12月は国民の祝日はありません。
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