秋分の日とはどんな日?由来や旬な食べ物や花と秋分の候の使い方や季語!
秋分の日と言えば、国民の祝日でお休みとなりますよね。
前後の休みと合わせて3連休、4連休(シルバーウィーク)となる年もあり、旅行の計画を立てる方もいるでしょうか。
また、秋分の日には墓参りを行うのが一般的となっているので、そのために実家に帰省するという方も多いかも知れません。
しかしその一方で、秋分の日にはどのような意味や由来があるのか、どうして墓参りをするのか、2024年はいつなのかなど、よくわからない方も多いのではないでしょうか。
秋分の日の風習や食べ物、行事など、詳しく知りたいですよね。
そこで今回は秋分の日について調べてみました。
覚えておくと便利な「秋分の候」の使い方や季語、旬の花なども合わせてご紹介します。
秋分の日とは?
秋分の日の意味
秋分の日は、国民の祝日に関する法律(通称、祝日法)によって制定された祝日で、「祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ」日と定められています。
天文学上では、太陽が秋分点を通過した瞬間を「秋分」といい、その瞬間を含む日を「秋分日」といいます。
この日は太陽が真東から昇り、真西に沈みます。
昼と夜の時間がほぼ同じに。秋のお彼岸の中日にあたり、「秋分の日」を境に昼は短く、夜は長くなっていきます。
秋分の日の由来
もともと、歴代の天皇・皇后、皇族の方々を祀る「秋季皇霊祭」を行う祭日であったことに由来し、1948年に国民の祝日となりました。
秋分の日に墓参りをするのはこの趣旨が大きく関係しており、そちらについては次で詳しく解説していますが、太陽が秋分点を通過する日(秋分日)は、昼と夜の長さがほとんど同じ(実際には昼が少しだけ長い)となることが、墓参りを行う由来となっています。
2024年の秋分の日はいつ?
2024年の秋分の日は、9月22日(日)です。
秋分の日の意味や由来は、次で詳しく解説しているのでここでは割愛しますが、天文学的には「天球(地球を中心として宇宙空間を丸天井に表したもの)上の黄経(天球上の緯度と経度に当たるもの)180度の秋分点を太陽が通過する日」が秋分日で、その秋分日を祝日法(国民の祝日に関する法律)によって祝日と定めた日が秋分の日となります。
そのため、秋分の日は秋分日によって毎年日付が異なります(おおよそですが9月22日~24日の中で変動)。
秋分の日に行う風習
秋分の日には墓参りを行う方が多いのではないかと思いますが、それは秋分の日が祝日として制定された際の趣旨と関係しています。
太陽が秋分点を通過する場合、太陽はほぼ真東から昇り、真西へと沈みます。
仏教の世界では、私達が住んでいるこの世を此岸(しがん)、お釈迦様が住んでいるあの世を彼岸(ひがん)と言い、彼岸は真西の方向にあると考えられています。
そのため、太陽が東から昇り真西に沈む秋分の日は、此岸から彼岸までの距離が最も近くなり、彼岸にいる先祖や故人への思いが通じやすい日と考えられており、秋分の日に先祖供養を行うようになったのです。
そして現在でも、秋分の日を中日として前後3日間合計7日間を「秋の彼岸」と言い、墓参りを行う風習が受け継がれています。
祝日として制定された際の趣旨も、このような背景が関係しています。
秋分の日に行う行事やイベントは?
秋分の日を中日として前後3日間合計7日間を秋の彼岸と言い、この期間に墓参りに行く方も多いのではないかと思います。
なお、墓参りは必ずしも秋分の日に行う必要はなく、期間中であれば問題ありませんし、秋の彼岸の期間に帰省などが難しい場合は、それ以外の日に墓参りをしても構いません。
先祖供養はいつ行っても良いので、都合がつかない時は無理をせず、予定を変更しましょう。
秋の彼岸の他に、全国各地では様々なイベントが行われます。
有名なのは旬のサンマが無料で振舞われるサンマ祭りや、咲き誇る彼岸花を楽しむ曼珠沙華(彼岸花の別名)祭りなどがあります。
秋分の日に食べる食べ物は?
また、味覚の秋にちなんで、旬の食べ物を食べる機会も多いですよね。
そこでここでは、秋分の日に食べる食べ物をご紹介します。
おはぎ
おはぎは秋分の日のお供え物としては定番中の定番です。
おはぎという名前は、ちょうど萩の花が咲く時期だから名付けられたと言われています。
精進揚げ
精進揚げとは、肉や魚を使わず野菜やきのこで作る天ぷらのことを言います。
仏教の修行中は殺生をせず、煩悩を刺激しない精進料理が食べられるため、精進揚げにもそのような意味があります。
里芋の白煮
里芋は秋の収穫物であるため、旬の食べ物として食べられます。
また、里芋はおせち料理にも使われており(親芋に子芋がたくさん付くことから、子孫繁栄や子宝に恵まれると言われています)縁起の良い食べ物と言われています。
ハゼ
ハゼはちょうど秋分の日に旬を迎える魚です。
秋の彼岸の辺りに獲れるハゼを「彼岸ハゼ」と呼んだりします。
松茸
つい最近、絶滅危惧種に指定された松茸ですが、秋の味覚の王様としてとても有名ですよね。
秋分の日には普段遠方にいる親戚なども、墓参りに一同に集まるため、松茸ご飯などを振舞う方も多いようです。
さんま
秋刀魚と書くさんまも、秋の味覚の代表的な存在です。
しかし、2020年は稀にみる不漁に見舞われ、もはや庶民が手軽に手を出せる魚ではなくなりつつあります。
トラフグ
トラフグの旬は、秋の彼岸から春の彼岸までと言われていることから、秋分の日はちょうど旬が始まった頃と言えます。
秋分の日が時期の花は?
秋はコスモスが旬の花として有名ですが、コスモス以外にも秋分の日辺りに咲く、旬の花は数多くあります。
そこでここでは、秋分の日が時期となる花をご紹介します。
彼岸花
中国原産の多年草で、秋の彼岸の時期に赤い花を咲かせます。
地下茎にデンプンが含まれることから、昔は田んぼのあぜ道などに植えて食用とされていましたが、毒を持つことや彼岸という名前から、不吉な花というイメージを持っている方も多い花です。
紫苑
キク科の多年草で、9~10月に旬を迎えて紫や青色の花を咲かせます。
別名は「オニノシコグサ」「ジュウゴヤソウ」「オモイグサ」などがあります。
銀杏
中国原産の裸子植物で、秋になると木から落ちた実を拾う人で道がいっぱいになることもあります。
なお、銀杏(ぎんなん)と読む時は実のことを指し、銀杏(イチョウ)と読む時は葉を指すそうです。
金木犀
秋になると金木犀を植えている庭先などから、独特の甘い香りが漂ってくるため、秋の花と言えば金木犀を思い出すという方が多いかも知れません。
花はオレンジ色で葉と茎の間に無数に咲きます。
秋分の候の使い方
秋分の候は時候の挨拶として使うことができる言葉ですが、一年中いつでも使えるわけではありません。
そこでここでは、秋分の候の使い方について解説します。
秋分の候の使い方
秋分という言葉には、秋分日、秋分の日以外に、二十四節気の秋分もあります。
二十四節気とは一年を24等分し、それぞれの季節に合った名称をつけたもので、秋分は秋の節気となります。
二十四節気の秋分=秋分の日ですが、次の節気である寒露(かんろ)までの期間を指すこともあり、秋分から寒露までに出す手紙やはがきの時候の挨拶として、秋分の候を使うことができます。
秋分の候を使った例文
秋分の日の季語について
季語とは主に俳句に使われるもので、季節を表す言葉になります。
秋分の日は秋の季語として使うことができ、秋分の日を季語にした俳句も多数あります。
なお、秋分の日ではなく、秋分の、秋分日なども同じ季語として使うことができます。
秋分の日を英語で言うと?
秋分の日は昼と夜の長さがほぼ同じになりますが、これは日本だけ起こることではなく、海外でも同様に秋分日があります。
そのため、秋分の日という英語の表現が存在し、「Autumnal Equinox Day」と言います。
Autumnalは秋(Autumn)の形容詞形で、Equinoxには昼夜平分時(昼と夜の長さが同じ)という意味があります。
春分の日との違いは?
秋分の日とよく似たものに、春分の日があります。
春分の日は秋分の日と同様に昼と夜の長さがほぼ同じになりますが、太陽が通過するのは秋分点ではなく春分点になり、天球上の黄経0度の春分点を太陽が通過する日、となります。
また、秋分の日を中日とした先祖供養の期間を秋の彼岸と言うのに対し、春分の日を中日とした先祖供養の期間は春の彼岸と呼びます。
春分の日もお墓や仏壇にお供え物をしますが、その際は春の花である牡丹にちなみ、ぼた餅をお供えします。
秋分の日のまとめ
2024年の秋分の日は9月22日なります。
この日を中日として前後3日間合計7日間は秋の彼岸となり、先祖供養の期間として多くの方が墓参りや実家へ里帰りをして仏壇に手を合わせます。
秋分の日にはおはぎをお供えしますが、春分の日にお供えするぼた餅と同じ物になります。
名前が違うのは、それぞれの季節にちなんだ花から名前をつけているからです。
秋分の日の関連記事
2024年の国民の祝日一覧
月 | 日 | 曜日 | 祝日の名称 |
---|---|---|---|
1月 | 1 | 月 | 元日 |
8 | 月 | 成人の日 | |
2月 | 11 | 日 | 建国記念の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
23 | 金 | 天皇誕生日 | |
3月 | 20 | 水 | 春分の日 |
4月 | 29 | 月 | 昭和の日 |
5月 | 3 | 金 | 憲法記念日 |
4 | 土 | みどりの日 | |
5 | 日 | こどもの日 | |
6 | 月 | 振替休日 | |
7月 | 15 | 月 | 海の日 |
8月 | 11 | 日 | 山の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
9月 | 16 | 月 | 敬老の日 |
22 | 日 | 秋分の日 | |
23 | 月 | 振替休日 | |
10月 | 14 | 月 | スポーツの日 |
11月 | 3 | 日 | 文化の日 |
4 | 月 | 振替休日 | |
23 | 土 | 勤労感謝の日 |
1月の国民の祝日
●1月1日(元日)
1年の始まりである1月1日は、国民の祝日によって休日となっています。
元日は休みというのは日本においてとても一般的となっていますが、実は法律が施行されたのは昭和23年の新しい祝日法からとなっています。
それ以前も元日は休日となっていましたが、法が定める休日となったのはこの時からです。
●1月8日(成人の日)
「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」を趣旨として制定された祝日です。
1999年までは1月15日に固定されていましたが、2000年以降はハッピーマンデー制度(祝日を特定の日から土日明けの月曜日に移動させることで、連休にするもの)によって、1月8日~14日のどれかになるため、1月15日に成人の日がくることはありません。
また、成人の日は、元は小正月に元服の儀が行われていたことが由来とされています。
2月の国民の祝日
●2月11日(建国記念の日)
「建国をしのび、国を愛する心を養う」という趣旨により、昭和41年に制定されました。
元々は明治6年に「紀元節」(日本の初代天皇の神武天皇の即位日)として祭日となっていたものの、戦後にGHQの指示によって廃止されたものの、昭和41年に復活して祝日となった経緯があります。
●2月23日(天皇誕生日)
天皇の誕生日をお祝いする日ですが、2019年に年号が平成から令和に変わり、今上天皇への譲位によって2020年から変更となります。
3月の国民の祝日
●3月21日(春分の日)
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨としていますが、昼と夜の長さが(ほぼ)同一となる日を春分日としています。
春分日は毎年異なりますが、通例では3月20日もしくは3月21日のいずれかになっています。
4月の国民の祝日
●4月29日(昭和の日)
「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ことを趣旨としていますが、元は昭和天皇の誕生日→みどりの日と2度の変更経て、2007年に制定された祝日となっています。
5月の国民の祝日
●5月3日(憲法記念日)
昭和22年に日本国憲法が施行されたことを記念し、翌年の昭和23年に制定された祝日です。
「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」を趣旨としています。
●5月4日(みどりの日)
元は昭和天皇の誕生日が4月29日であったことから、ゴールデンウィークを形成する休日の一つとされていたのですが、昭和64年に年号が昭和から平成に変わり天皇がお御代替えしたことで、天皇誕生日が12月23日へと改められたことを機に、当初は4月29日をみどりの日として祝日に制定していました。
さらに平成17年の法改正により、みどりの日は5月4日に移動され、4月29日は昭和の日と変更されています。
なお、みどりの日は「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことを趣旨としています。
●5月5日(こどもの日)
端午の節句である5月5日に、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨として昭和23年より制定されています。
6月の国民の祝日
6月は国民の祝日はありません。
7月の国民の祝日
●7月15日第3月曜日(海の日)
平成8年に施行された当初は7月20日と固定でしたが、現在は7月の第3月曜日となっています。
「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」と趣旨としています。
8月の国民の祝日
●8月11日(山の日)
平成26年に制定され、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としています。
9月の国民の祝日
●9月16日第3月曜日(敬老の日)
平成14年までは9月15日の固定となっていましたが、平成15年より9月の第3月曜に変わっています。
「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としています。
●9月22日(秋分の日)
春分の日と同様に、昼と夜の長さがほぼ同じ秋分日を祝日としています。
例年9月22日か9月23日のいずれが1日となります。
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨としています。
10月の国民の祝日
●10月14日(スポーツの日)
昭和39年に行われた東京オリンピックの開会式が10月10日だったことから、この日とスポーツの日(体育の日)として、「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」ことを趣旨として祝日にしています。
現在はハッピーマンデー制度により10月の第2月曜日となっています。
なお、2020年1月1日より、名称もスポーツの日(体育の日)からスポーツの日へと変更になりました。
11月の国民の祝日
●11月3日(文化の日)
明治天皇の誕生日であり、日本国憲法が公布された日です。
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としています。
なお、文化の日から半年後の5月3日に日本国憲法は施行され、その日を憲法記念日としています。
●11月23日(勤労感謝の日)
元は新嘗祭という天皇行事による休日だったのですが、GHQによって禁止された後、勤労感謝の日として復活して祝日制定となりました。
「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としています。
12月の国民の祝日
12月は国民の祝日はありません。
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