門松を飾る理由は何?飾ってはいけない日はある?
お正月になったら当たり前のように飾る門松ですが、門松はどうして飾るのでしょうか。
門松を飾る理由や正しい飾り方を知りたいと思っていませんか?
門松は飾ってはいけない日や、飾る期間が決まっています。
そこで今回は、門松の飾り方について調べてみました。
門松の正しい飾り方は?
2本が対になるように飾り、その際向かって左側が雄松、右側が雌松になるように配置します。
雄松は樹皮が黒っぽいことから、黒松と呼ばれています。
葉が長くて太く、硬いのが特徴となっています。
関西方面の場合は、白い葉牡丹が活けてあることもあります。
一方の雌松は、樹皮が赤茶っぽいため赤松とも呼ばれています。
葉が短くて細く、やわらかいのが特徴で、雄松と同様に関西方面では赤い葉牡丹が活けてあることがあります。
また、門松の一般的な飾り方は「出飾り」となっており、中心の3本の竹の位置が外側に中の竹、内側に長、短となるように飾ります。
いつからいつまで飾るの?
門松は松の内に飾ります。
松の内は、12月13日から1月7日(関東の場合。関西は1月15日)となっており、門松を撤去するのは1月7日となっていますが、飾り始めるのは12月13日以降であれば基本的にはいつでも構いません。
12月13日は今の大掃除の元となったすす払いが行われる日で、それが終わると昔は一斉に正月飾りを飾り始めていたため、門松も12月13日から飾る家も多かったようです。
なお、関東と関西で松の内の明ける日が違うのは、徳川幕府三代目将軍の家光の逝去が関係していると言われています。
家光が亡くなったのが4月20日であったことから、毎月20日が月命日となったのですが、それだと1月20日の鏡開きにあたってしまい縁起が悪くなってしまいます。
そこで、江戸を中心とした関東地方では鏡開きを1月11日に変更しました。
それに伴って松の内も1月7日に変わったと言われています。
また、松は油を多く含むため、乾燥しやすい冬の時期は火が出ると一気に燃え広がってしまう可能性が高くなります。
江戸の町は一度大火でその半分以上が焼失していたため、門松を長く飾っていると火事が起こる危険性が高まることから、幕府が早めに撤去するように通達を出していたという話もあります。
飾ってはいけない日はある?
門松は12月13日の事始め(正月の準備を始める)以降に飾り始めますが、特に近年は12月25日のクリスマスも大きなイベントとなっているので、クリスマスが終わってから正月準備に取り掛かる人が多くなっていますよね。
それ自体は問題はないのですが、年末の忙しくなる時期に門松を飾る上で、注意したいのが「飾ってはいけない日」があることです。
それは、29日と31日。
29日は二(2)重の苦(9)しみとなることから縁起が悪いとして、この日に門松を飾ったり正月の準備を行うのは避けた方がよいとされています。
31日は翌日が1月1日となるため、「一夜飾り」となることから、神様に失礼にあたるとして避けた方がよいとされています。
これとは逆に、門松を飾るならお勧めの日と言われているのが28日です。
8には末広がりの意味があることから、縁起が良いと言われているため、飾るなら28日がよいでしょう。
なお、30日については特に問題がないとする人がいる一方で、旧暦では大晦日にあたるため、こちらも一夜飾りとなることから避けた方がよいという話もあります。
門松を飾る理由は?
正月に門松を飾る理由の前に、そもそも正月とは何なのかご存知でしょうか。
正月は歳神様をお迎えし、お祀りする日です。
歳神様は五穀豊穣の神様で、農耕民族であった日本人にとってはとても大切な神様の一人だとされています。
歳神様は、一年に2回、正月と盆に山から下りてくると言われており、そのお迎えをするのが正月であり盆であるのです。
正月の場合は、正月飾りをして歳神様をお迎えしますが、その中で門松は歳神様がやって来る際の目印となるものと言われています。
門松に使われている松は、昔から神様が宿ると考えられていて神聖なものです。
また、神様をお祀りする、神様を待つと言う言葉が松とかかっていることも、松が使われている理由とされています。
ちなみに、門松と同様に玄関に飾るしめ縄(しめ飾り)は、神域と現世を隔てる結界の役割を果たしていると言われており、しめ縄が張っている家の中に不浄なものが入り込まないために飾られています。
正月飾りの鏡餅の場合は、家の中へと入って来た歳神様の依り代とされ、松の内が明けて歳神様が再び山に帰るまでの間、そこに宿ると考えられています。
飾る時の注意点
門松は家の門前もしくは玄関前に飾るものですが、最近の住宅事情ではそれが難しいケースもありますよね。
例えばマンションやアパート住まいの場合、玄関前は共有スペースになっていることが多く、物を置くことが禁止されていることもありますし、一軒家だとしても道路を占拠することになるため町内会などで禁止としていることもあります。
このような時は、お住まいの地域のルールに沿って門松を置くのは止めた方がよいでしょう。
ただし、門松は一般的に想像される置き型のものではありません。
そもそも門“松”とあるように、始めは山で取ってきた松を門や玄関横に張ったり、ひもで括っていたと言われています。
そのため、切り枝の松を家の壁に張っても構いません。
また、最近は上記のような事情を踏まえて、紙に描かれた門松を張る方も増えています。
紙の門松においては、松の木の保護を目的として自治体などが発行していることもあるので、調べてみるとよいでしょう。
門松の処分はどうしたらいい?
松の内が明けたら門松は処分しますが、門松の処分方法として一般的なのは神社のお焚き上げに持参することです。
お焚き上げは毎年小正月(地域によっては前後します)に、門松などの正月飾りを火にくべることで、煙に乗って歳神様が山へ帰って行くと考えられています。
なお、地域によっては神社ではなく、町内会の火祭りとして同様の行事を行う場合があります。
これらはどんど焼き、どんどん焼き、どんと焼き、左義長などと呼ばれており、正月飾りを燃やす火で焼いた餅を食べると長生きできると言われています。
お焚き上げやどんど焼きに門松を持参できない場合は、家庭用ごみとして処分することができます。
ごみの分別や出し方については、各自治体のルールに沿って行いますが、他のごみと一緒に捨てるのは躊躇ってしまうという場合は、塩やお酒で清めた後に半紙などの紙に包み、さらに新聞紙などに包んでからごみ袋に入れるとよいでしょう。
まとめ
門松を飾る場合は、12月13日から1月7日(もしくは15日)の松の内に飾ります。
ただし、12月28日と31日については縁起が悪いとされるため、避けた方がよいでしょう。
12月の下旬に門松を飾るなら、縁起が良い28日がお勧めです。
松の内が明けたら、門松は神社のお焚き上げや自治体のどんど焼き(地域によって呼び方が違います)に持参し、焼いて処分します。
お焚き上げやどんど焼きに持参できない時は、一般の家庭ごみとして処分することもできます。
松は昔から神様の宿る神聖な木とされているため、丁寧に正しく扱うことで歳神様をしっかりとお迎えすることができます。
とは言え、近年の住宅事情により必ずしも門松を飾らなくても、紙の門松で代用することもできます。
あまり難しく考えず、自分のできる範囲で歳神様をお迎えしましょう。
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