秋涼の候を使う時期や読み方と使い方がよくわからないという方は多いですよね。
秋涼の候は時候の挨拶の一つですが、いつ使うことができるのでしょうか。
秋という字が入っていることから、なんとなく秋の時候の挨拶ということはわかりますが、秋と一口に言っても始まりなのか終わりなのかによって随分と差があります。
そこで今回は、秋涼の候について詳しく調べてみました。
秋涼の候を使う時期はいつ?
秋涼の候を使う時期について
「秋涼の候」という時候の挨拶は、通常は9月中旬から10月中旬、あるいは10月いっぱいまで使用されます。
この時期は、暑さが和らぎ、心地よい涼風が吹き始める季節です。
秋涼の候を使うタイミングの目安
以下に、秋涼の候を使用する際の目安を示します。
時期 | 気候の特徴 | 挨拶の適用例 |
---|---|---|
9月中旬 | 朝夕に涼しさを感じる日が増える | 「秋涼の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。」 |
10月上旬 | 秋の涼しさが安定してくる | 「秋涼の候、秋の深まりを感じる今日この頃です。」 |
10月中旬以降 | 秋が本格化し、紅葉も始まる頃 | 「秋涼の候、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。」 |
- 気温に敏感になる: その年の気候に合わせて、挨拶を使う時期を微調整しましょう。
- 相手の地域を考慮する: 日本は縦に長い国ですので、地域によって涼しさを感じる時期が異なることを念頭に置き、相手の居住地に応じた時期を選ぶと良いでしょう。
このように「秋涼の候」は、日本の美しい四季を背景に、季節の変わり目をしっかりと感じ取りながら使うと、より豊かなコミュニケーションが生まれるでしょう。
季節の移ろいを共に楽しみ、思いやりを込めた挨拶として活用してみてください。
秋涼の候の意味や読み方は?
「秋涼の候」は「しゅうりょうのこう」と読みます。
この表現は日本語の中であまり馴染みのないものかもしれませんので、初めて目にする方には少し戸惑うかもしれませんね。
まず、「秋涼」という言葉には、夏の暑さが和らぎ、秋らしい涼しさを感じる季節になったという意味があります。
この時期には、朝夕の風が心地よく、日中でも過ごしやすい気候が続くことが特徴です。
具体的には、9月から10月頃の涼しい時期を指し、秋の訪れを感じさせる自然の変化が多く見られます。
例えば、木々の葉が色づき始めたり、虫の音が秋の深まりを告げたりする季節です。
次に、「候」という漢字は、「そうろう」と読んでしまいたくなりますが、ここでは「こう」と読むのが正解です。
この「候(こう)」という言葉は、時候や気候、季節を表す際に使われる漢字であり、「秋涼の候」という表現には「秋らしい気候が続く時期になりました」という意味があります。
このように、「秋涼の候」という表現は、季節の移ろいを優雅に表現した言葉です。
これを手紙や挨拶文に使うことで、季節感を伝えつつ、受け取る相手に対する心配りを示すことができます。
このような日本語の表現を活用することで、豊かなコミュニケーションを図ることができるのではないでしょうか。
ぜひ、日常の中で使ってみてください。
秋涼の候の正しい使い方は?
「秋涼の候」は、涼しい秋の気配を感じさせる素敵な挨拶文ですが、その正しい使い方については少し考慮が必要です。
この表現は、使用する時期について厳密な規定があるわけではありませんが、おおよそ9月中旬から10月中旬、あるいは10月いっぱいまでが適当とされています。
しかし、日本は南北に長い国土を持つため、地域ごとの季節感には大きな違いがあります。
例えば、9月中旬に沖縄ではまだ夏の暑さが残っていることが多いです。
一方、北海道ではすでに秋の涼しさが感じられます。こうした地域差を考慮せずに「秋涼の候」という挨拶を沖縄の方に送ると、季節感にズレが生じてしまうかもしれません。
逆に、10月下旬になると北海道では紅葉も終わりに近づき、冬の気配が漂ってきます。
この時期に「秋涼の候」という言葉を使うと、少し季節外れに感じるかもしれません。
このように、時候の挨拶を用いる際には、相手の住む地域の季節感を考慮することが大切です。
また、時候の挨拶はもともと旧暦に基づいて行われるもので、新暦とは季節感に差があることを理解しておく必要があります。
例えば、二十四節気に基づく「立秋の候」などは、旧暦に従って使用することが一般的です。
そのため、実際の季節感に関係なく、適した時期が来た際には使用することが許されています。
以上を踏まえて、「秋涼の候」を使う際には、送り先の地域の気候や、旧暦の感覚を少し意識してみると良いでしょう。
皆様のご挨拶がより心温まるものとなりますように、これからの季節を豊かにお過ごしくださいませ。
時候の挨拶を使った具体的な書き方(基本文例)
文例をご紹介しますが、基本的な構成が決まっていますので、まずは基本形をどうぞ。
項目 | 内容 |
---|---|
1.頭語 | 拝啓 |
2.時候の挨拶・書き出し | 〇〇の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 |
3.本文・用件 | 本文の内容はここに記入します。手紙を書こうと思った気持ちを思い出しながら、筆を進めてください。 |
4.結びの言葉 | 〇〇の季節も過ぎましたが、御社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。 |
5.結語 | 敬具 |
6.日付 | 令和〇〇年〇月〇〇日 |
7.送り主 | 秋涼太郎 |
8.宛先 | 〇〇〇〇様 |
ポイント:
- 頭語と結語は決まり文句です。これらはそのまま使用します。
- 時候の挨拶では、季節感を出すことが大切です。季節に合った挨拶を選び、天候や気候に言及して具体的な情景を思い浮かべられるようにします。また、相手の健康を気遣う言葉を加えることで、相手への思いやりを表現します。
- 句読点やスペースを適切に使い、読みやすい文章を心掛けます。
- 親しい友人に対しても、基本的な形式を押さえつつ、個人的なメッセージを加えることで、温かみのある手紙を作成できます。
秋涼の候を使った例文
秋涼の候を時候の挨拶に使う時期や読み方などはお分かり頂けたでしょうか?
続いては、実際にビジネスなどの場で秋涼の候を使う場合についてご紹介します。
秋涼の候を使った例文を掲載していますので、参考になさってみてください。
ビジネスで使う場合
- 拝啓
秋涼の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 - 謹啓
秋涼の候、皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。 - 時下
秋涼の候、貴社におかれましては益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。 - 晩秋
秋涼の候、貴殿におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 - 仲秋
秋涼の候、貴社の皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
目上の人に使う場合
- 拝啓 秋涼の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- 謹啓 秋涼の候、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
- 敬白 秋涼の候、先生におかれましてはご壮健にてご活躍のこととお喜び申し上げます。
- 謹白 秋涼の候、○○様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝呈 秋涼の候、○○先生にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
親しい人に使う場合
秋涼の候の結び文
結び文とは、文章の締めくくりに書く文章のことを言います。
一般的には時候の挨拶に合わせた結び文にすることで、文章全体に統一感や季節感が出るため、秋涼の候を時候の挨拶に使った場合は、秋涼の候に合わせた結び文にすることと良いでしょう。
ここでは、秋涼の候の結び文の例文をいくつかご紹介します。
- 秋の深まりとともに、どうぞご自愛くださいませ。実りある季節となりますよう、心よりお祈り申し上げます。草々
- 爽やかな秋風が吹く折、くれぐれもご健康にはお気をつけください。秋の夜長をお楽しみいただければ幸いです。敬具
- 黄金色に輝く稲穂のように、貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。秋冷の折、ご自愛ください。謹白
- 澄み切った秋空のように、皆様のご活躍がますます輝かしいものとなりますよう、お祈り申し上げます。不一
- 紅葉の季節を迎え、貴社の益々のご繁栄を祈念いたします。どうぞ秋の味覚をお楽しみください。敬白
秋涼の候を使うときに注意すること
手紙やはがきの冒頭に「秋涼の候」という表現を使うことで、秋の訪れを感じさせ、相手に対する丁寧で心温まる気持ちを伝えることができます。
この言葉は、気温が涼しくなり始める季節にぴったりの時候の挨拶であり、相手に季節の移り変わりを優しく知らせる効果があります。
しかし、ビジネス関係者や目上の方に手紙やはがきを出す際には、「秋涼の候」だけでは丁寧さが不足することがあります。
このため、よりフォーマルで丁寧な印象を与えるためには、いくつかのポイントに注意が必要です。
頭語の使用
ビジネスや目上の方へ手紙を送る際は、文章の最初に必ず「頭語」を使用しましょう。
頭語とは、「拝啓」や「謹啓」といった言葉であり、これらには「つつしんで申し上げます」という敬意を表す意味があります。
頭語を使うことで、相手に対する敬意を示すことができます。
結語の必要性
頭語を用いた場合は、それに対応する「結語」を必ず文末に記載する必要があります。
以下に、一般的な頭語と結語の組み合わせを示します:
頭語 | 結語 |
---|---|
拝啓 | 敬具、敬白 |
謹啓 | 謹白、謹言 |
例えば、「拝啓」で始めた場合は「敬具」や「敬白」で締めくくります。
「謹啓」を使う場合は「謹白」もしくは「謹言」が適切です。これにより、手紙全体が丁寧で整った印象となります。
時候の挨拶から始めない
手紙の冒頭をいきなり時候の挨拶で始めるのは、相手に対して失礼にあたることがあります。
頭語から始めて、続いて「秋涼の候」といった季節の挨拶を添えることで、より丁寧な文章になります。
この順序に注意することで、より洗練された手紙を書くことができます。
親しい間柄では頭語は省略可能
一方で、友人や親しい知人に対しては、必ずしも頭語や結語を使う必要はありません。
カジュアルな文面では、形式にとらわれず、相手との親しさを表現することが大切です。
この場合は、「秋涼の候」を用いるだけで、季節感を共有しながら心温まる気持ちを伝えることができます。
以上のポイントを押さえることで、「秋涼の候」を効果的に使い、相手に思いやりと敬意を伝えることができるでしょう。
丁寧な手紙は、受け取る相手の心に残る素敵な印象を与えるものです。
秋涼の候以外の9月の時候の挨拶はある?
9月に送る手紙やはがきには、秋涼の候以外にも使える時候の挨拶があります。
ここでは、秋涼の候意外の9月の時候の挨拶をご紹介します。
爽秋の候
9月上旬から中旬に使える時候の挨拶です。
空気が澄んで爽やかな秋の季節になりました、という意味があるので、手紙やはがきを送る相手の地域の気候に合わせたタイミングで送るのがよいでしょう。
白露の候
9月上旬から9月下旬に使える時候の挨拶です。
二十四節気の白露にあたる期間で、次の節気である秋分まで使うことができますよ。
仲秋の候
9月中旬から10月上旬に使える時候の挨拶になります。
二十四節気の白露から寒露(例年10月8日頃)まで使うことができ、秋の半ばという意味がありますよ。
秋分の候
9月下旬から10月上旬に使える時候の挨拶です。
秋分は二十四節気の一つで、秋を分けると書く通り、秋の中間点という意味があります。
例年9月22~23日頃から秋分となり、次の節気である寒露まで使うことができます。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
秋涼の候のまとめ
秋涼の候は9月中旬から10月中旬(もしくは下旬)までと、比較的長く使うことができる時候の挨拶です。
秋らしい気候になってきたと感じたら使えるので便利ですが、日本は地域によって気候に差がある国ですよね。
9月と言ってもまだまだ夏らしい陽気が続いているところや、10月の半ばには初雪が降り始める地域に手紙やはがきを送る場合には、秋涼の候を使うタイミングに注意しましょう。
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