文化の日はいつ?その意味や由来は?
子どもの時は、土日以外の平日休みが待ち遠しくて、カレンダーの祝日をよくチェックした、という方も多いのではないでしょうか。
しかし、その当時は祝日を単なる休みとしてしか認識していなかった場合が殆どだと思いますが、さすがに大人になったらそれだけではいけません。
どうしてその日が祝日なのか、きちんと意味を知っておく必要があると思います。
そこで今回は、国民の祝日の中でもいまいち由来がわかりづらいと言われている「文化の日」を取り上げてみました。
文化の日が祝日になった理由や意味など、お子さんに尋ねられてもしっかりと答えられるように、この機会に是非知っておきましょう!
文化の日2024年はいつ?
文化の日は、11月3日です。
私達が祝日と認識しているものは、正式には「国民の祝日」と言います。
そもそも国民の祝日とは、〝自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける〟となっており、単なる休みではなくとても意味深いものだったのです。
11月には文化の日以外にも23日に勤労感謝の日があるため、〝平日の休みが多い月〟と覚えている方も少なくないでしょう。
では、なぜ文化の日がこの日になったのかと言うと、それには文化の日の由来や意味が関係していますので、次の章でより詳しくご説明したいと思います。
文化の日とは?
文化の日の意味
敬老の日やスポーツの日(体育の日)、こどもの日などは、その字面から何となく祝日の意味が窺い知れますが、文化の日とは一体なんなのでしょう。
文化の日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ということを趣旨としています。
〝自由と平和を愛し〟という部分は、文化の日の成り立ちがわからなければ疑問に思えてしまいますが、日本国憲法の公布日だったということがわかると、なるほどと思えますよね。
では、次の〝文化をすすめる〟とはどういう意味なのでしょうか。
文化という言葉を調べてみると、「生活様式の全体」や「人間の知的洗練や精神的進歩とその成果」となっています。
つまり、文化をすすめるというのは、日本人や日本という国が長年をかけて培ってきたものに、改めて関心を持ち、世の中に広めよう、ということなのだと思います。
文化の日の由来
文化の日は、国民の祝日に関する法律(祝日法)により、1948年に制定されました。
文化の日の制定には、その2年前の1946年11月3日に日本国憲法が公布されたことが由来となっています。
実は、11月3日は文化の日となる以前から、明治天皇の誕生日(明治節)で祝日だったのですが、当時の首相だった吉田茂が意図的にこの日を日本国憲法の公布日とし、四大節(四方節、紀元節、天長節、明治節)と結び付けたと言われています。
文化の日を英語で言うと?
文化の日を英語で言うと、〝Culture Day〟となります。
簡単な単語ですので、意味自体は十分に伝わると思いますが、実際に海外の方に文化の日の由来や意味などを説明するとなると少し難しいですよね。
ちなみに、海外には日本のような文化の日はないそうです。
文化の日の大きなイベントは?
文化の日の大きなイベントと言えば、やはり「文化勲章」の授与式ではないでしょうか。
テレビ中継をされるので、その様子を見たことがある方も多いと思いますが、文化勲章は皇居宮殿松の間にて天皇から直接授与されます。
文化勲章の選定は、文化審議会にて文部科学大臣の選定によって決定した科学功労者の中から、おおむね毎年5名ほどが選考されます。
また、その年にノーベル賞を受賞した方の場合は、文化勲章未受賞であれば慣例として文化勲章が授与されるそうです。
なお、文化の日にはこの他にも、美術館や博物館などの無料開放や、教育関係の講座などが開催されます。
せっかくの機会ですので、普段はなかなか訪れることがない場所などに足に運んで、感性を養ったり、自分が住んでいる地域の歴史に触れたりするのもよいかも知れません。
文化の日と憲法記念日との関連性は?
祝日法が制定された当初は、11月3日を憲法記念日とする案もあったようですが、戦後の日本を管轄していたGHQからNGが出てしまい、そのため日本国憲法の公布とは一見するとあまり意味が合わない「文化の日」という名称による祝日の制定となったそうです。
なお、公布と施行の違いがよくわからないという方も多いと思いますが、公布は〝成立した法律を一般に幅広く周知する〟ことを言い、施行は〝実際に法律が効力を持って適用される〟ことを言います。
つまり、公布されたからと言ってすぐに新しい法律に変わるだけではないのです。
この場合、それまでの現行憲法であった大日本帝国憲法に代わり、「1947年5月3日より日本国憲法に変わります」と国民に通達をしたのが公布であり、実際に日本国憲法が発効された日が施行というわけです。
文化の日のまとめ
文化の日には、美術館などが開放されることから、何となく芸術などに触れて感性を養うのが目的の日、というイメージを持っていた方も多いと思います。
しかし実際は、文化の日が制定される以前から明治天皇の誕生日であったり、日本国憲法が公布された日など、日本の歴史ととても深い関わりがあった日なのです。
このようなことは詳しく調べてみて初めてわかることですが、意味を知ることでその日を迎える気持ちにも変化があるのではないかと思います。
今年の文化の日には、文化的なイベントを行うだけではなく、自由と平和を手にした今の日本の歴史を振り返る日にしてみてはいかがでしょうか。
2024年の国民の祝日一覧
月 | 日 | 曜日 | 祝日の名称 |
---|---|---|---|
1月 | 1 | 月 | 元日 |
8 | 月 | 成人の日 | |
2月 | 11 | 日 | 建国記念の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
23 | 金 | 天皇誕生日 | |
3月 | 20 | 水 | 春分の日 |
4月 | 29 | 月 | 昭和の日 |
5月 | 3 | 金 | 憲法記念日 |
4 | 土 | みどりの日 | |
5 | 日 | こどもの日 | |
6 | 月 | 振替休日 | |
7月 | 15 | 月 | 海の日 |
8月 | 11 | 日 | 山の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
9月 | 16 | 月 | 敬老の日 |
22 | 日 | 秋分の日 | |
23 | 月 | 振替休日 | |
10月 | 14 | 月 | スポーツの日 |
11月 | 3 | 日 | 文化の日 |
4 | 月 | 振替休日 | |
23 | 土 | 勤労感謝の日 |
1月の国民の祝日
●1月1日(元日)
1年の始まりである1月1日は、国民の祝日によって休日となっています。
元日は休みというのは日本においてとても一般的となっていますが、実は法律が施行されたのは昭和23年の新しい祝日法からとなっています。
それ以前も元日は休日となっていましたが、法が定める休日となったのはこの時からです。
●1月8日(成人の日)
「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」を趣旨として制定された祝日です。
1999年までは1月15日に固定されていましたが、2000年以降はハッピーマンデー制度(祝日を特定の日から土日明けの月曜日に移動させることで、連休にするもの)によって、1月8日~14日のどれかになるため、1月15日に成人の日がくることはありません。
また、成人の日は、元は小正月に元服の儀が行われていたことが由来とされています。
2月の国民の祝日
●2月11日(建国記念の日)
「建国をしのび、国を愛する心を養う」という趣旨により、昭和41年に制定されました。
元々は明治6年に「紀元節」(日本の初代天皇の神武天皇の即位日)として祭日となっていたものの、戦後にGHQの指示によって廃止されたものの、昭和41年に復活して祝日となった経緯があります。
●2月23日(天皇誕生日)
天皇の誕生日をお祝いする日ですが、2019年に年号が平成から令和に変わり、今上天皇への譲位によって2020年から変更となります。
3月の国民の祝日
●3月21日(春分の日)
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨としていますが、昼と夜の長さが(ほぼ)同一となる日を春分日としています。
春分日は毎年異なりますが、通例では3月20日もしくは3月21日のいずれかになっています。
4月の国民の祝日
●4月29日(昭和の日)
「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ことを趣旨としていますが、元は昭和天皇の誕生日→みどりの日と2度の変更経て、2007年に制定された祝日となっています。
5月の国民の祝日
●5月3日(憲法記念日)
昭和22年に日本国憲法が施行されたことを記念し、翌年の昭和23年に制定された祝日です。
「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」を趣旨としています。
●5月4日(みどりの日)
元は昭和天皇の誕生日が4月29日であったことから、ゴールデンウィークを形成する休日の一つとされていたのですが、昭和64年に年号が昭和から平成に変わり天皇がお御代替えしたことで、天皇誕生日が12月23日へと改められたことを機に、当初は4月29日をみどりの日として祝日に制定していました。
さらに平成17年の法改正により、みどりの日は5月4日に移動され、4月29日は昭和の日と変更されています。
なお、みどりの日は「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことを趣旨としています。
●5月5日(こどもの日)
端午の節句である5月5日に、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨として昭和23年より制定されています。
6月の国民の祝日
6月は国民の祝日はありません。
7月の国民の祝日
●7月15日第3月曜日(海の日)
平成8年に施行された当初は7月20日と固定でしたが、現在は7月の第3月曜日となっています。
「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」と趣旨としています。
8月の国民の祝日
●8月11日(山の日)
平成26年に制定され、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としています。
9月の国民の祝日
●9月16日第3月曜日(敬老の日)
平成14年までは9月15日の固定となっていましたが、平成15年より9月の第3月曜に変わっています。
「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としています。
●9月22日(秋分の日)
春分の日と同様に、昼と夜の長さがほぼ同じ秋分日を祝日としています。
例年9月22日か9月23日のいずれが1日となります。
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨としています。
10月の国民の祝日
●10月14日(スポーツの日)
昭和39年に行われた東京オリンピックの開会式が10月10日だったことから、この日とスポーツの日(体育の日)として、「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」ことを趣旨として祝日にしています。
現在はハッピーマンデー制度により10月の第2月曜日となっています。
なお、2020年1月1日より、名称もスポーツの日(体育の日)からスポーツの日へと変更になりました。
11月の国民の祝日
●11月3日(文化の日)
明治天皇の誕生日であり、日本国憲法が公布された日です。
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としています。
なお、文化の日から半年後の5月3日に日本国憲法は施行され、その日を憲法記念日としています。
●11月23日(勤労感謝の日)
元は新嘗祭という天皇行事による休日だったのですが、GHQによって禁止された後、勤労感謝の日として復活して祝日制定となりました。
「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としています。
12月の国民の祝日
12月は国民の祝日はありません。
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