葉桜の候を使う時期はいつからいつまで?書き出しや結びの使い方も!
葉桜の候っていつ使うのが正解なんだろう?どんな意味があるの?そんな疑問をお持ちではありませんか。
葉桜の候は、4月中旬から5月中旬までの心地よいこの時期を指す特別な挨拶です。
「はざくらのこう」と読みますよ。
でも、実際に手紙やはがきで使うとなると、どんな書き出しや結びが適切なのか、さらには季語としての使い方や俳句での表現はどうなるのか、迷ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、葉桜の候の正しい読み方から意味、使い方、例文、さらには書き方のコツまで、わかりやすく解説しています。
季節感あふれる挨拶を通じて、あなたの気持ちを形にしてみませんか。
- 葉桜の候が4月中旬から5月中旬までの時期に使われる挨拶であることがわかります。
- 手紙やはがきでの葉桜の候の使い方や、書き出し、結びの例文について理解できます。
- 葉桜の候を季語として使った俳句の例も知ることができます。
葉桜の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?
葉桜の候を使う時期はいつからいつまで?
葉桜の候は4月中旬から5月中旬まで使える時候の挨拶になります。
一般的に中旬は11日から20日を指すため、葉桜の候は4月11日以降であれば使ってもよいでしょう。
葉桜の候の読み方
時候の挨拶は音読みするものが多いのですが、葉桜は訓読みの「はざくら」になりますよ。
間違えやすいので注意してください。
候は訓読みではそうろうになりますが、こちらは音読みで「こう」と読みます。
葉桜の候の意味
葉桜とは、花が散って若葉だけになった状態を指す言葉になります。
また、候には時期や時候といった意味があることから、葉桜の候は「桜の花びらが散って若葉が見える時期になりましたね」という意味になりますね。
また、葉桜には「完全に花が散って若葉だけになった状態」と「花はまだ残っているものの若葉が見える状態」の両方の意味があります。
5月に入ると多くの地域では桜の花がすべて散り、若葉のみとなっていることが多いですが、4月中旬や下旬では桜の花が残っていることもありますよね。
言葉の意味としては、こちらも葉桜と言えるのです。
このようなことから、葉桜の候は5月だけではなく、葉桜が見られるようになる4月中旬以降に使ってもよいとされています。
葉桜の候を使った例文
葉桜の候を使って手紙やはがきなどを送る時に、書き出しをどのように始めたらよいか悩んでしまう方が多いようです。
そこでここでは、葉桜の候をビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合の3つのパターン別に例文をご紹介します。
ぜひ参考にして、オリジナルの文章を完成させてみて下さい。
ビジネスで使う場合
書き出し文
- 謹啓 葉桜の候、貴社にはますますご清栄の由大慶に存じます。毎々格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
- 拝啓 葉桜の候、貴社におかれましてはなお一層のご発展のことと大慶至極に存じます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
- 拝啓 葉桜の候、貴社におかれましては益々ご盛栄の御事慶賀の至りに存じます。日頃は格別のお引き立てをいただき、ありがたく御礼申し上げます。
結び文
- 空澄み渡る5月の折、御社におかれましてもますますのご発展をお祈り申し上げます。
- 立夏を過ぎ夏の気配も濃厚になる時節、貴社いっそうのご多忙をご祈念いたします。
- 木々の葉も色濃くなる時節、貴社におかれましても一段のご繁栄をお祈り申し上げます。
目上の人に使う場合
書き出し文
- 謹啓 葉桜の候、〇〇様にはますますご壮健のことと拝察いたしお慶び申し上げます。
- 拝啓 葉桜の候、〇〇様にはいっそうご活躍のことと慶賀の至りに存じます。
- 拝啓 葉桜の候、〇〇様には変わらずご活躍の段と拝察いたします。
結び文
- 初夏の日差し眩しい時節、どうぞ爽やかな夏をお迎えください。
- 初夏の陽気を感じる日が続いております。ご一同様におかれましてもお体にご自愛いただき、どうぞお健やかにお過ごしください。
- 田畑を吹き抜ける風も爽やかな時節です。〇〇様におかれましてはいっそうご活躍なされますようお祈り申し上げます。
親しい人に使う場合
書き出し文
- 風が心地よく感じる季節となりましたが、いかがおすごしでしょうか。
- 連休の疲れも少しは癒えた頃かと思いますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 新緑が目に鮮やかで、活力を与えてくれる季節となりました。〇〇様におかれましても変わらずお健やかにお過ごしのことと存じます。
結び文
- 街の花屋さんの店頭を見ると、初夏を感じる季節となりました。〇〇様におかれましてもどうぞお健やかにお過ごしください。
- 今は本当に過ごしやすい季節で、朝晩の冷え込みもなくなり、日中もちょうど良い温度ですね。この気持ちの良い時期に、どうか健康に気を付けて、毎日を楽しんでくださいね。
- この時期は外に出て深呼吸をしたくなるような、清々しい日が多いですよね。皆さんにも、そんな爽やかな気持ちでいっぱいの日々を過ごしていただければと願っています。
なお、親しい人へ送る手紙やはがきなどでは、必ずしも葉桜の候のような形(漢語調)を使う必要はありません。
漢語調の時候の挨拶は丁寧な表現となるので、受け取る相手によってはよそよそしさを感じてしまうこともあるでしょう。
そのよう場合は、漢語調よりもカジュアルな口語調の時候の挨拶を使います。
「葉桜の季節になりましたが~」や「すっかりと桜も散って、少し淋しい気持ちになっています」のような書き出しで構いません。
結び文とは?
結び文には季節に関係なく使える定型文がありますが、文章の書き出しに葉桜の候を使った場合は、結び文の季節感も合わせることで全体的に統一感が生まれますよ。
葉桜の候は4月中旬から使える時候の挨拶なので、新年度に触れてもよいでしょう。
ここでは、葉桜の候を時候の挨拶に使った文章の、結び文の例文をご紹介します。
- 天候不順の時節柄、ご自愛専一にてご精励くださいますようお願い申し上げます。謹言
- 新天地での更なるご活躍を、心よりお祈り申し上げます。敬具
- 連休までわずかとなりました。会える日を楽しみにしています。かしこ
葉桜の候を使うときに注意すること
葉桜の候をビジネスや目上の人に使う場合(例文)で触れていますが、手紙やはがきなどの書き出しにいきなり時候の挨拶を使うのはマナーとしてNGです。
時候の挨拶の前に頭語をつけましょう。
一般的によく使われる頭語には「謹啓」や「拝啓」がありますが、これらには「謹んで申し上げます」という丁寧な意味が込められていますよ。
そのため、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどは、「謹啓」または「拝啓」から始めるようにしましょう。
また、文章に頭語を使ったら、最後は結語で締めます。
頭語と結語は対になっており、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」は「敬具」または「敬白」となっていますよ。
なお、女性のみどの頭語に対しても結語に「かしこ」を使うことができますが、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどに使う場合は、カジュアルな印象となってしまうためおすすめしません。
葉桜の季語や俳句
葉桜の季語は?
俳句の世界では、葉桜は5月に使う初夏の季語です
葉桜とは、初夏、花が散って若葉となったころの桜をいう。
花が散って葉桜になってしまったという惜しむ思いと、桜若葉の美しさを愛でる思いが交錯する季語です。
葉桜を使った俳句
葉ざくらや南良に二日の泊り客 蕪村「新花摘」
葉桜や碁気になりゆく南良の京 蕪村「蕪村遺稿」
葉桜や蓑きて通ふ湯治客 前田普羅 「飛騨紬」
葉桜や雪より白き吉野葛 長谷川櫂「初雁」
葉桜のまぶしき雨を仰ぎけり 高田正子「花実」
葉桜の候以外の4月の時候の挨拶はある?
葉桜の候は、手紙やはがきなどを送る相手が住んでいる地域の状況に合わせて使うとよい時候の挨拶です。
4月中旬だからといって必ず使える時候の挨拶とは言えないため、葉桜の候以外に4月に使える時候の挨拶を覚えておくのがよいでしょう。
ここでは、4月の時候の挨拶をご紹介します。
桜花の候
3月下旬から4月中旬まで使える時候の挨拶になります。
葉桜の候と同様に、桜が咲く時期が地域によって違うので、手紙やはがきなどを送る相手が住んでいる地域の状況に合わせて使うようにしましょう。
春陽の候
4月中に使える時候の挨拶になります。
春陽とは春らしい暖かい陽気のことを指すため、春陽の候は「春らしい暖かい陽気が続く時期になりましたね」という意味があります。
春爛漫の候
4月中に使える時候の挨拶です。
春爛漫は、春に咲く花が咲き乱れる様子を表しています。
春爛漫の候には、「春に咲く花が咲き乱れる時期になりましたね」という意味がありますよ。
麗春の候
4月下旬から5月上旬に使える時候の挨拶です。
麗春はひなげしの別称で、麗春の候には「ひなげしが咲く時期になりましたね」という意味があります。
使える期間は4月下旬からとなっていますが、地域によっては中旬頃に咲くところもあり、そのような場合は4月中旬であれば使っても問題はないようです。
晩春の候
4月上旬から5月上旬まで使える時候の挨拶になります。
晩春とは旧暦の春の終わりの時期を指す言葉です。
具体的には、二十四節気の清明(例年4月4日頃)から立夏(例年5月4日頃)の前日までになりますよ。
穀雨の候
4月下旬から5月上旬に使える時候の挨拶です。
穀雨とは二十四節気の一つの名称で、例年4月20日頃から5月4日頃の期間を指しているため、穀雨の候もこの期間内に使うことができますよ。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
葉桜の候のまとめ
葉桜の候は、4月中旬から5月中旬までの特別な時期を指します。
「はざくらのこう」と読み、桜の花びらが散り、新緑の若葉が映える季節の挨拶として用います。
この時候は、手紙やはがきにぴったりの表現で、相手への思いやりを伝える素敵な方法です。
ビジネスから親しい人への手紙まで、幅広く使える表現で、季節の変わり目を感じさせる暖かなメッセージを送ることができますよ。
この記事のポイントをまとめますと
- 葉桜の候は4月中旬から5月中旬まで使える時候の挨拶
- 読み方は「はざくらのこう」
- 葉桜とは花が散り若葉が目立つ状態
- 時候の挨拶は手紙やはがきでの表現に適している
- 葉桜には「完全に花が散った状態」と「若葉が見えるが花も残っている状態」の二つがある
- ビジネスでの使用例には敬語が含まれる
- 目上の人への手紙では尊敬の念を込めた表現を用いる
- 親しい人へはよりカジュアルな表現が適する
- 漢語調より口語調を選択することも可
- 結び文では季節感を反映させると良い
- 手紙の書き出しには頭語を付けるのがマナー
- 頭語「謹啓」「拝啓」は結語で締める
- 女性は結語に「かしこ」を用いることができる
- 俳句では5月の季語として使用される
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