勤労感謝の日の意味や由来!ハッピーマンデーにならない理由!
勤労感謝の日とはどのような日ですか?と尋ねられたら、多くの方が「働いている人を労い(ねぎらい)感謝する日」と答えるのではないでしょうか。
しかし実は、勤労感謝の起源というのはそうではないらしいのです。
調べてみると、勤労感謝という言葉とはすぐには結び付かない伝統行事が関係していました。
そこで今回は、勤労感謝の意味や由来をご紹介したいと思います。
また近年は、祝日を月曜に移動させて、土曜・日曜・月曜と連休をとりやすくする〝ハッピーマンデー制度〟が導入されていますが、どうして勤労感謝の日は月曜に移動にならないのか不思議ではないでしょうか。
そのあたりの理由についても調べてみましたので、よろしかったらご覧下さい。
勤労感謝の日2024年はいつ?
勤労感謝の日は、11月23日となっています。
11月は3日も文化の日として祝日になっていることから、子どもの時には「11月は2回も休みが増えるラッキーな月」と覚えていた方も多いと思います。
大人になってからも、勤労感謝の日には日頃忙しく働いているお父さんを労う日として、親孝行や夫孝行をしている方も多いと思いますが、本来の勤労感謝の日はその捉え方とは少し違っています。
では、勤労感謝の日とは一体どのような意味を持つ日なのでしょうか。
勤労感謝の日とは?
勤労感謝の日の意味
現在の勤労感謝の日は、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」とされています。
たつとびには、尊敬や尊重、重んじるという意味があることから、「仕事を大切にして、作ったものを国民みんなで喜び、感謝し合いましょう」というニュアンスになると思います。
また、勤労感謝の日の起源が新嘗祭ということから、昔は農作業を中心とした捉え方をされていたようですが、近年は仕事が多様化していることもあり、ここでいう勤労は単に肉体的なものを指すだけではなく、研究や文化的な功労なども生産に値するものとして捉えているようです。
そのため、勤労感謝の日はお父さんだけを労うというよりも、生活の営みに貢献している全ての人に、お互いが感謝し合うというのが現在の考え方と言えそうです。
勤労感謝の日の由来
勤労感謝の日、というくらいですから、11月23日は働いている人に感謝する日だと思う方が多いと思いますが、実はその起源は「新嘗祭(にいなめさい)」という五穀豊穣を感謝する儀式とされています。
戦前から、日本では毎年11月23日に、収穫した農作物を神様にお供えすると共に、その作物を天皇が食する新嘗祭が行われていました。
つまり、勤労感謝の日は、元は収穫をお祝いするものだったのです。
ところが、戦後になるとGHQの指令によって、天皇が関わる祭日は祝日として取り扱わないことになりました。
このため、新嘗祭は廃止され、その代わりに勤労感謝の日が設けられたのです。
なお、新嘗祭は飛鳥時代に始められたといわれ、旧暦では11月の2回目の卯の日に行われていました。
それが新暦になると、1月に行うことになってしまうため、季節的にも都合が悪いということで、以前と同じく11月の2回目の卯の日に行われたのですが、新暦や施行された明治6年の11月の2回目の卯の日が11月23日だったことで、以後11月23日に固定されたと言われています。
勤労感謝の日の主なイベントは?
勤労感謝の日には、普段忙しく働いているお父さんやお母さんに楽をしてもらおうと、肩たたき券やお手伝い券などを子どもが作ってプレゼントとして渡す光景なんかがよく見られますよね。
また、最近はお父さんやお母さんの仕事の大変さを子どもが知るためのイベントが、各地で開催されることが増えているそうです。
このようなイベントは、地元企業がフリーペーパーなどを通じて募集していることが多いそうなので、勤労感謝の日が近付いてきたら、是非チェックしてみるとよいでしょう。
なお、神社では現在もなお、この日を新嘗祭としてお祭りを行っているところも多くあります。
皇室とのゆかりが深い伊勢神宮では、一部非公開となっているものの新嘗祭の儀式を観覧することができるようなので、お近くの方や旅行で伊勢へ行かれる方などは日程を合わせてみるとよいかも知れません。
勤労感謝の日がハッピーマンデーにならない理由!
近年は、祝日を月曜に移動させて、土曜・日曜と連休にするハッピーマンデー制度が導入されていますが、勤労感謝の日には適用されていません。
これにはきちんとした理由があり、勤労感謝の日は元々新嘗祭という祭日だったことが関係しています。
祭日とは、皇室に関わる儀式や祭典が行われる日を指してしますが、昭和22年になると皇室祭祀令が廃止され「国民の祝日に関する法律」が施行されたことにより、祭日はなくなり祝日に統一されています。
しかし、現在でも元は祭日として制定されていた行事に関しては、その日に儀式を行うことに意味があるため、月曜に移動することはありえないのです。
そのため、勤労感謝の日以外にも、昭和天皇の誕生日である「昭和の日」や今上天皇の誕生日である「天皇誕生日」、明治天皇の誕生日である「文化の日」、5月5日の「こどもの日」など、皇室に関わることや宮中行事として行われてきたことは、日にちの移動は行われていません。
勤労感謝の日を英語で言うと?
アメリカでは、9月の第一月曜に「Labor Day」といって、勤労の感謝を祝う日があります。
また、それとは別に11月の第4木曜には、「Thanksgiving Day」という収穫祭が行われています。
日本の勤労感謝の日は、このLabor DayとThanksgiving Dayと合わせたもの、とも言われており、英語で伝える時には「Labor Thanksgiving Day」で通じるでしょう。
勤労感謝の日のまとめ
いかがでしたか?
勤労感謝の日が、実は元が収穫祭だったとは以外に感じたのではないでしょうか。
しかし、いつの時代も仕事を一生懸命に行い、そこから生まれるものに感謝をしながら生きる気持ちというのは変わりませんよね。
是非、今年の勤労感謝の日は、一家の大黒柱であるお父さんは勿論のこと、家事や育児を頑張ってくれているお母さんや、勉強やスポーツに努力をしている子ども達、またはおじいちゃんやおばあちゃん、周囲で働いている人のことを思いながら、感謝と尊敬の気持ちを持って接してみましょう。
2024年の国民の祝日一覧
月 | 日 | 曜日 | 祝日の名称 |
---|---|---|---|
1月 | 1 | 月 | 元日 |
8 | 月 | 成人の日 | |
2月 | 11 | 日 | 建国記念の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
23 | 金 | 天皇誕生日 | |
3月 | 20 | 水 | 春分の日 |
4月 | 29 | 月 | 昭和の日 |
5月 | 3 | 金 | 憲法記念日 |
4 | 土 | みどりの日 | |
5 | 日 | こどもの日 | |
6 | 月 | 振替休日 | |
7月 | 15 | 月 | 海の日 |
8月 | 11 | 日 | 山の日 |
12 | 月 | 振替休日 | |
9月 | 16 | 月 | 敬老の日 |
22 | 日 | 秋分の日 | |
23 | 月 | 振替休日 | |
10月 | 14 | 月 | スポーツの日 |
11月 | 3 | 日 | 文化の日 |
4 | 月 | 振替休日 | |
23 | 土 | 勤労感謝の日 |
1月の国民の祝日
●1月1日(元日)
1年の始まりである1月1日は、国民の祝日によって休日となっています。
元日は休みというのは日本においてとても一般的となっていますが、実は法律が施行されたのは昭和23年の新しい祝日法からとなっています。
それ以前も元日は休日となっていましたが、法が定める休日となったのはこの時からです。
●1月8日(成人の日)
「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」を趣旨として制定された祝日です。
1999年までは1月15日に固定されていましたが、2000年以降はハッピーマンデー制度(祝日を特定の日から土日明けの月曜日に移動させることで、連休にするもの)によって、1月8日~14日のどれかになるため、1月15日に成人の日がくることはありません。
また、成人の日は、元は小正月に元服の儀が行われていたことが由来とされています。
2月の国民の祝日
●2月11日(建国記念の日)
「建国をしのび、国を愛する心を養う」という趣旨により、昭和41年に制定されました。
元々は明治6年に「紀元節」(日本の初代天皇の神武天皇の即位日)として祭日となっていたものの、戦後にGHQの指示によって廃止されたものの、昭和41年に復活して祝日となった経緯があります。
●2月23日(天皇誕生日)
天皇の誕生日をお祝いする日ですが、2019年に年号が平成から令和に変わり、今上天皇への譲位によって2020年から変更となります。
3月の国民の祝日
●3月21日(春分の日)
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨としていますが、昼と夜の長さが(ほぼ)同一となる日を春分日としています。
春分日は毎年異なりますが、通例では3月20日もしくは3月21日のいずれかになっています。
4月の国民の祝日
●4月29日(昭和の日)
「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ことを趣旨としていますが、元は昭和天皇の誕生日→みどりの日と2度の変更経て、2007年に制定された祝日となっています。
5月の国民の祝日
●5月3日(憲法記念日)
昭和22年に日本国憲法が施行されたことを記念し、翌年の昭和23年に制定された祝日です。
「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」を趣旨としています。
●5月4日(みどりの日)
元は昭和天皇の誕生日が4月29日であったことから、ゴールデンウィークを形成する休日の一つとされていたのですが、昭和64年に年号が昭和から平成に変わり天皇がお御代替えしたことで、天皇誕生日が12月23日へと改められたことを機に、当初は4月29日をみどりの日として祝日に制定していました。
さらに平成17年の法改正により、みどりの日は5月4日に移動され、4月29日は昭和の日と変更されています。
なお、みどりの日は「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことを趣旨としています。
●5月5日(こどもの日)
端午の節句である5月5日に、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨として昭和23年より制定されています。
6月の国民の祝日
6月は国民の祝日はありません。
7月の国民の祝日
●7月15日第3月曜日(海の日)
平成8年に施行された当初は7月20日と固定でしたが、現在は7月の第3月曜日となっています。
「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」と趣旨としています。
8月の国民の祝日
●8月11日(山の日)
平成26年に制定され、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨としています。
9月の国民の祝日
●9月16日第3月曜日(敬老の日)
平成14年までは9月15日の固定となっていましたが、平成15年より9月の第3月曜に変わっています。
「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としています。
●9月22日(秋分の日)
春分の日と同様に、昼と夜の長さがほぼ同じ秋分日を祝日としています。
例年9月22日か9月23日のいずれが1日となります。
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨としています。
10月の国民の祝日
●10月14日(スポーツの日)
昭和39年に行われた東京オリンピックの開会式が10月10日だったことから、この日とスポーツの日(体育の日)として、「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」ことを趣旨として祝日にしています。
現在はハッピーマンデー制度により10月の第2月曜日となっています。
なお、2020年1月1日より、名称もスポーツの日(体育の日)からスポーツの日へと変更になりました。
11月の国民の祝日
●11月3日(文化の日)
明治天皇の誕生日であり、日本国憲法が公布された日です。
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としています。
なお、文化の日から半年後の5月3日に日本国憲法は施行され、その日を憲法記念日としています。
●11月23日(勤労感謝の日)
元は新嘗祭という天皇行事による休日だったのですが、GHQによって禁止された後、勤労感謝の日として復活して祝日制定となりました。
「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としています。
12月の国民の祝日
12月は国民の祝日はありません。
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