しめ縄の正しい飾り方や飾る場所は?飾ってはいけない日は?

しめ縄の飾り方と飾ってはいけない日は?

神社の鳥居や本殿で見かけるしめ縄ですが、正月になると個人宅の門や玄関、会社の玄関などでも見るようになりますよね。

では、このしめ縄には一体どのような意味があるのでしょうか。

また、しめ縄とよく似たものにしめ飾りがありますが、2つは同じものなのでしょうか。

しめ縄は日本の正月らしい風景と言える一方で、その意味や由来、正しい飾り方、飾る期間など、実はあまりよくわからないという方は以外と多いようです。

そこで今回はしめ縄について調べてみました。

目次

しめ縄の正しい飾り方や飾る場所は?


しめ縄は神様(歳神様)の宿る場所に飾るのが、正しい飾り方です。

神社の本殿にしめ縄があるのは、まさにそこに神様がお祀りされているからです。

これと同様に一般家庭の場合、神様が宿る場所、お祀りする場所と言えば神棚になります。

つまりしめ縄は神棚に飾るのが正しい場所と言うことになります。

さらに、しめ縄には向きがあり、向かって右側が太い方、左側が細い方になるように飾ります。

しめ縄の太い方は「綯いはじめ」、細い方は「綯いおわり」と言いますが、神道では左側が神聖とされるため、神様から見て綯いはじめとなるのが左(私達から見て右)になるのが正解です。

ただし、これは地域によってどちらに太い方を向けるかが違い、例えば出雲大社では向かって左側を太くする場合もあります。

そのため、お住まいの地域の氏神様や歳神様をお祀りする時に、どちらの方を右に向けるのか、あらかじめ確認しておく必要があります。

神棚用しめ縄の取り付け方

https://sk-imedia.com/29515

しめ縄は、いつからいつまで飾るの?


しめ縄は正月飾りの一つと思っている方が多いですが、一方で神棚のある家では一年中しめ縄を飾っている場合もあると思います。

しめ縄は本来、神様が宿る場所、お祀りする場所に飾るもののため、神社では一年中飾っていますよね?

それと同じように、神様のいる神棚も一年中飾っていても問題はありません。

ただし、正月飾りでよく見られるしめ飾りは、松の内の期間のみ飾るものです。

松の内は正月の準備を始める事始め(12月13日)から、1月7日(もしくは1月15日)までの期間を指し、しめ飾りはこの期間内に飾りつけ、取り外すことになっています。

しめ飾りはしめ縄に正月飾りを施したもので、橙や南天、ゆずり葉、裏白などが飾り付けてあり、一般家庭では玄関、リビング、トイレ、キッチンなどに飾ります。

しめ飾りはしめ縄の一種ですが、しめ縄のように神様が宿る場所、お祀りする場所と言うよりは、神域と現世を隔てる結界の役割を果たし不浄なものが入り込まないようにする役割が大きくなっています。

正月は歳神様が山から下りてくると言われており、歳神様を迎え入れるための準備がしめ飾りとなっているため、松の内が明けるとしめ飾りも外すのが正しい飾り方となります。

しめ縄を飾ってはいけない日は?


昔は、しめ縄を飾るのは12月13日の正月事始めが大半でした。

事始めの日は今の大掃除にあたるすす払いが行われる日でもあったため、一年の汚れを綺麗にした後、正月飾りを飾る家が多かったのです。

しかし近年は、25日のクリスマスが大きな一大イベントとなっていることもあり、クリスマスが終わったら大掃除をして、正月の準備を始める方が多くなっています。

そのため、26日以降にしめ縄を飾る場合も増えていますが、注意をしたいのは29日と31日はしめ縄を飾るのにふさわしくない日とされていることです。

29日は二重の苦(九)しみとなるため縁起が悪いとなっており、31日においてはしめ縄を飾った翌日が正月(元日)となるため「一夜飾り」としてこちらも縁起が悪いと言われています。

一方で、28日は末広がりの八が含まれているので縁起が良いと言われています。

このようなことから、25日以降にしめ縄を飾るなら28日が最もおすすめの日と言えます。

しめ縄を飾る意味は?


しめ縄の由来は、日本神話の「天岩屋戸(あまのいわやど)」です。

岩戸に閉じこもってしまった天照大神(アマテラスオオミカミ)を外に連れ出すため、岩戸の前で八百万の神々はお酒を飲んで楽しく踊り、その騒ぎに天照大神が外に出てきたところを、神様の一人であるフトダマが再び岩屋に閉じこもってしまわないようにと、しめ縄を岩戸の入り口に張ったという話です。

そこから、しめ縄の張っている場所が神域となり、神社の杜や御神木にはしめ縄が飾られるようになったと言われています。

また、しめ縄は漢字で注連縄と書きますが、注連は中国では「死霊が入り込まないよう、水を注いで清め連ね張った縄」を意味し、神聖な場所を他と区別するために飾られていたと言われています。

なお、神社を始め、神棚など神様がお祀りされる場所ではしめ縄が一年中飾られるのに対し、しめ飾りは松の内のみとなっています。

これは、しめ飾りは歳神様をお迎えするにあたり、神域と現世を分けるために用いられるためとされています。

しめ縄の処分の方法は?


飾り終えたしめ縄は、お焚き上げで燃やして処分するのがよいでしょう。

お焚き上げは地域によって、どんど焼きやどんどん焼き、どんと焼き、左義長など呼び方が違いますが、しめ縄やしめ飾り、門松などの正月飾りを火にくべることで、歳神様をお見送りするという意味があります。

お焚き上げは神社の他、自治体の火祭りとして行われるところもあり、正月飾りを焼いた火で焼いた鏡餅を食べると、その年は健康で過ごせると言われています。

なお、お焚き上げにしめ縄を持って行けない場合は、一般の家庭ごみとして処分することもできます。

とは言え、他のごみと一緒に捨てるのは躊躇ってしまうという方も多いと思うので、そのような時は塩やお酒で清めた後、半紙などの紙に包んで捨てるとよいと言われています。

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関東と関西で飾る期間が違う?


実は、松の内は関東と関西では明ける日が違います。

関東は1月7日、関西は1月15日となっているのですが、元は関東も同じ1月15日でした。

それではなぜ関東が1月7日に変更されたかと言うと、三代目将軍の家光の逝去が関係していると言われています。

家光が亡くなったのが4月20日だったため、月命日が1月20日となったのですが、それだと鏡開きの日にあたってしまい縁起が悪いということで、鏡開きを1月11日に変更するにあたり、松の内も1月7日に明けるように変わったとされています。

また、江戸の町は明暦の大火によって大半が焼失したことで、空気が乾燥して火が出やすい冬の時期は、火が回りやすい松の木(松には油が多く含まれている)をなるべく早く撤去するようにと幕府からのお達しがあったと言われています。

このようなことから、江戸(現在の関東地方)は1月7日をもって松の内の明けとなり、関東と関西ではしめ縄を飾る期間が違うと言われています。

まとめ

しめ縄は神様が宿る場所、お祀りする場所に飾るもののため、家では神棚に飾るのが正しい飾り方になります。

玄関やリビングなどに飾る場合は、神様(歳神様)をお迎えするという意味になるため、しめ縄ではなくしめ飾りの方がよいでしょう。

ただし、お店などによってはしめ飾りもしめ縄という名称で売っていることもあるので、解釈はそのお店や神社などによって多少異なるかも知れません。

また、しめ縄は本来、正月のみ飾るものではなく、一年中飾るものとなっています。

そのため、神棚のしめ縄は松の内の明けで外すのではなく、次の松の内まで飾ったままにしておき、一年が経ったら取り換えるのが正しい飾り方です。

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