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お盆に行う迎え火と送り火の意味は?いつ行えばいいの?

迎え火や送り火に準備するものややり方を教えて!

お盆と言えば、お墓参りや法要など、故人や先祖を供養する日ということはよく知られています。

また、お盆になると迎え火や送り火を民家の玄関先で焚いているのを見たことがあるという方もいるかも知れませんが、そもそも迎え火、送り火はどうして行われるのでしょうか。

迎え火や送り火はお盆に行うということはわかっていても、お盆は4日間ありますよね。

迎え火や送り火は、都合のよい日に行ってよいのでしょうか。

知っているようで以外と知らない、お盆の迎え火と送り火について詳しく解説します。

お盆に行う迎え火と送り火とは?


お盆とは正式名称を「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言い、釈迦の教えがインドから伝わった際に、元からあった祖霊信仰と結びついて生まれた、日本独自の文化となっています。

お盆になると、先祖や故人の霊があの世からこの世へと降りてくると言われていますが、迎え火はその時に先祖の霊が迷ってしまわないように、目印として焚く火のことを言います。

玄関や門口で火を焚くことで、そこを目指して先祖の霊が降りてくるというわけです。

一方の送り火は、お盆を共に過ごした先祖の霊が、あの世へと戻る際に焚く火のことを言います。

先祖の霊は送り火の煙に乗ってあの世に還ると言われており、お見送りのために迎え火を焚いた場所と同じところで火を焚きます。

迎え火、送り火はいつ行うの?

送り火は、一般的にはお盆の初日となる8月13日の夕方に焚くことが多いでしょう。

しかし、お盆の期間は必ずしも8月ではなく、地域によっては7月やそれ以外の日時もあります。

7月にお盆を行うのは、旧盆と言って、旧暦に沿ってお盆を行っているからです。

現在の新暦は明治5年に改暦となりましたが、旧暦の太陰太陽暦と新暦の太陽暦では30日ほど日付に差が生じるため、元は旧暦の7月15日に行われていたお盆が、今は30日遅れの8月15日となっています。

日本の多くの地域ではこの新暦に基づくお盆(新盆)となっているため、迎え火は盆の入りとなる8月13日に行いますが、旧盆の場合は7月13日に迎え火を焚きます。

これと同様に、送り火も新盆では盆の明けとなる8月16日の夕方に行いますが、旧盆では7月16日に行われます。

また、迎え火を8月13日ではなく8月12日に行うところや(旧盆の場合は7月12日)、送り火を8月16日ではなく8月15日に行うところ(旧盆の場合は7月15日)もあります。

違う地域から嫁いできた、引っ越してきたなど、現在住んでいる場所の文化や風習をまだよく知らないという場合は、事前に確認しておくのがよいでしょう。

迎え火や送り火のやり方や準備するもの


迎え火や送り火を行う場合に必要なものは、次の通りです。

おがら

苧殻と書き、麻の皮を剥いだ茎のことを指します。

原料となる麻は清浄な植物とされ、これを焚くことで周囲の空気を清め、先祖の霊を迎え入れる準備を行います。

おがらはお盆が近くなると、スーパーやホームセンター、花屋などで売っているので手軽に手に入りますが、おがらが手に入らない時は松や藁で代用できます。

焙烙(ほうろく)

素焼きの平皿のことを指し、この上におがらを乗せて迎え火を焚きます。

焙烙は仏具店で購入することができますが、焙烙がない場合は、耐熱の平皿でも構いません。

それもない時は大き目の灰皿を使ってもよいでしょう。

精霊馬

あの世からこの世へと先祖の霊がやってくる時に乗っているのが精霊馬、この世からあの世に戻る時に乗るのが精霊牛とされています。

行きが馬なのは、足の速い馬に乗ってすぐに家にやって来られるように、帰りが牛なのは歩みの遅い牛に乗ってゆっくりと景色を楽しみながら戻ってもらうためだと言われています。

どちらもお盆の期間中は精霊棚(盆棚)や玄関先などに飾っておきますが、送り火を焚く際に燃やします。

迎え火、送り火のやり方

① 精霊棚(盆棚)を設置し、先祖の霊を迎え入れる準備をします。

② 13日にお墓参りに行き、お寺から火種を頂いて、焙烙の上におがらを乗せて火をつけ、迎え火を焚きます。

③ お盆明けとなる16日に同様に焙烙におがらを乗せて火を焚き、その際に精霊馬(次で詳しく説明しています)も一緒に燃やします。

迎え火や送り火に合わせて行う風習は?


東京の一部の地域では、迎え火や送り火を焚いた灰を「またぐ」風習があるそうです。

これは、おがらに魔除けの効果があると言われているため、それをまたぐことで無病息災や家族の厄除けを願うものとされています。

家の玄関から外の方へ向かう形で、3回またぐのがよいと言われています。

また、別の地域では墓地からの道に、松明(松の木)に火をつけて灯りを灯すところもあるそうです。

この他に、迎え火や送り火を焚く際に、信仰している宗教のお経を唱えるなど、地域によっては他にはない独特の風習を受け継いでいる場合もあります。

なお、宗派の中でも浄土真宗では迎え火や送り火は行いません。

なぜなら、浄土真宗では仏様は自身の力で成仏し、極楽浄土にて生まれ変わるとされているため、お盆になっても霊としてこの世に降りてくることはないと考えられているからです。

地域によって風習が変わる?


テレビのニュースなどで見たことがあるという方も多いと思いますが、毎年お盆の時期になると京都の山々で文字焼きが行われますが、中でも如意ケ嶽で行われる「大文字焼き」は全国的に名の知れた送り火の伝統行事です。

8月16日の夜8時に点火を始め、市街地を見下ろす山の側面がだんだんと「大」の文字を成していく様は、夏の風物詩として親しまれています。

また、長崎で行われる「精霊流し」も、全国的に有名ですよね。

精霊船と呼ばれる大きな山車に、初盆を迎えた故人の遺影や位牌や盆提灯、花などを乗せ、流し場まで流すもので、船が流れている間は爆竹を鳴らしたり、大きな声で掛け声をかけたりします。

厳かな雰囲気というよりは、かなり盛大に行うもので、こちらも夏に九州を訪れる観光客の一大イベントとなっているようです。

迎え火や送り火をマンションで行う場合

マンションやアパートなどの集合住宅では、玄関前で火を焚くことはできません。

最近はバルコニーなどでもできる迎え火や送り火のセットも販売されていますが、室外で火を使うことが禁じられている場合もありますよね。

そのような時は、迎え火、送り火ではなく、盆提灯を使って先祖をお迎え、お見送りします。

盆提灯の灯りが迎え火の代わり、先祖がやってくる際の目印になるというわけです。

なお、盆提灯を使った迎え火、送り火のやり方は次の通りになります。

迎え火の代わりに盆提灯を使う場合

盆提灯を灯し、手に持って玄関の前に立ちます。

先祖の霊をお迎えする気持ちで一礼し、黙とうをした後に、盆提灯の灯りを消します。

送り火の代わりに盆提灯を使う場合

盆提灯を灯し、手に持って玄関の前に立ちます。

先祖の霊をお見送りする気持ちで一礼し、黙とうした後、盆提灯の灯りを消します。

まとめ

お盆に行う迎え火や送り火は、地域によって行う日に差はあるものの、一般的には8月13日の夕方に迎え火を、8月16日の夕方に送り火を焚きます。

迎え火、送り火は昔はどの家庭でも行っていたお盆の伝統行事でしたが、昨今の住宅事情などで一軒家に住んでいても、外で火を焚くのは難しくなっています。

そのような場合は、マンションで行う迎え火、送り火と同様に盆提灯を使って先祖の霊をお迎え、お見送りしてみてはいかがでしょうか。

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