お彼岸とお盆の違いについて!
「お彼岸」も「お盆」も、どちらも、お墓参りをする日だという認識は皆さんお持ちだと思います。
しかし、「お彼岸」と「お盆」の違いについて教えて下さいと言われると、困ってしまう場合は多いのではないでしょうか。
そもそも「お彼岸」とはどういった風習なのでしょうか。
「お盆」とは一体何なのでしょうか。
今回はそんな、今さら人には聞けない「お彼岸」と「お盆」について詳しく調べてみました。
こちらを読んで「なるほど、お彼岸とお盆にはそんな違いがあったのか!」と納得して頂けたら、幸いです。
お彼岸とお盆の違いは何?
「お盆」も「お彼岸」も、現代の日本においてはどちらも先祖供養をする日となっています。
しかし「お盆」では、先祖が自ら私達のところまでやってきてくれるのをお迎えし、供養し、そして再び送り出すのに対して、「お彼岸」は、一年の中でこの世のあの世が最も近くなる日とされていることから、私達が先祖の元に出向いて供養をする、という違いがあります。
お彼岸の意味や期間!お彼岸ってどんな日?
「お彼岸」は、サンスクリット語の『パーラミター(波羅蜜多)』の意訳『到彼岸』が語源とされています。
彼岸は仏教用語でいう涅槃や極楽(あの世)を表しており、逆に私達が住む世界(この世)を此岸(しがん)と言います。
しかしながら、「お彼岸」そのものの風習に関しては、日本を除く他の仏教国には同じ行事がないことから、日本独自のもの、という説が有力となっています。
またお彼岸は年に2回、春分・秋分の日を中日に前後3日、計7日間で行われますが、なぜこの日なのかと言うと、春分の日・秋分の日は昼と夜の長さがほぼ同じで、尚且つ、太陽が真東から昇り真西へ沈む日だからです。
仏教による「極楽浄土は西にある」という教えにより、太陽が最も西に沈む春分・秋分の日は、この世(此岸)とあの世(彼岸)が最大に近付く日とされ、このため先祖供養を行うのによいとされてきたのです。
お盆の意味や期間!お盆はどんな日なの?
「お盆」とは、サンスクリット語の『ウランバナ』の音写語『盂蘭盆』からきており、祖霊を迎い入れて祀る宗教行事を指します。
すなわち「お盆」も、仏教の教えによるもの、と言われています。
しかしながら、日本には古来より神道という「万物に神が宿る」という考えが根付いており、新春と初秋の満月の日には祖霊を祀る風習が仏教伝来前よりあったとされています。
そして、それが初春のものが歳神様を祀る正月へ、初秋のものは先祖を祀るお盆へ変化していったと言われています。
お盆では、先祖を迎えるために「迎え火」を焚き、また送り出す際にも「送り火」を焚きますが、灯篭流しも送り火の一つとされています。
またお盆は、旧暦の8月15日前後(13日~16日)を現代もそのまま行っている地域が多いようですが、場所によっては新暦の7月15日に行うところもあるようです。
お彼岸・お盆に共通してやるべきことは何?
お仏壇掃除とお参り
お彼岸やお盆には、ご自宅のお仏壇を事前に掃除し、期間中にご先祖様をお供養することが一般的です。
特に、お盆には、お仏壇周りにお盆飾りやお盆提灯を飾る風習があります。
お供え
お彼岸やお盆に限らず、仏教におけるお供えには、自宅のお仏壇に対して行うものと、他のご家庭に対して贈り物として行うものの2つのパターンがあります。
両者に共通しているのは、「五供(ごく)」と呼ばれる「香・花・灯明・浄水・飲食」の5つを基本にすることです。
代表的なお供え物には、お線香や季節の花、ローソク、精進料理やお菓子、果物などがあります。
他のご家庭に対して贈り物をする場合には、桐や塗りの箱に入った「進物線香(しんもつせんこう)」が定番です。
お墓掃除とお墓参りをする
お彼岸やお盆に共通するのは、お墓掃除とお墓参りです。
お墓掃除は、できればその時期の前に行うのが丁寧ですが、当日の参りの前に行っても問題ありません。
お彼岸のお墓参りは、ご先祖様への想いが通じやすい時期とされています。
お盆のお墓参りは、ご先祖様をお迎え・お見送りする意味合いも込めて行われます。
地域によっては、「お迎え提灯」を持って行って、火を灯し、家に帰ったら「迎え火」を焚く習慣があることもあります。
お彼岸とお盆では、お供え物の内容は若干異なります
お家のお仏壇へのお供え物は、一般的なお供え物のほかに、特有のものもいくつかあります。
例えば、春の彼岸にはぼた餅、秋の彼岸にはおはぎをお供えする風習があります。
どちらもお米と餡子を使用した和菓子ですが、ぼた餅はこしあんを使用して牡丹の花の様に大きめに作り、おはぎは粒あんを使用して萩の花のように小振りに作る形が一般的です。
また、お盆時期には、そうめんをお供えする地域が多く見られます。
理由は諸説ありますが、一説には、お盆が終わってあの世に帰られるご先祖様が、荷物をまとめる際の紐として使うためにお供えするとも言われます。
お供え物の表書きはお彼岸とお盆で異なる?
贈答用の「進物線香」をはじめとして、他のお家庭へのお供え物をお送りする際には、マナーとして包装紙の上に「のし(掛け紙)」をつける形が一般的です。
また、 お彼岸やお盆など四十九日以降のお正月にお供え物を贈る際は、基本的に「御仏前」もしくは「御供」という表書きをするのが礼儀となります。
ただし、四十九日以前から贈る場合は「御霊前」となります。
また、四十九日を過ぎた後に初めて迎えるお盆は「新盆(にいぼん)」や「初盆(はつぼん)」と呼ばれ、表書きも「新盆御見舞(にいぼんおみまい)」として区別する場合が多く見られます。
お盆にお供えを贈る際には、先方が初めてのお盆かそうでないかをご確認しておくと安心です。
まとめ
「お彼岸」も「お盆」も仏教が深く関係していながらも、日本古来の神道と混じり合って独自の発展を遂げた、というのが現在の見解のようです。
インドや中国では見られない風習ということですが、日本人としてこれからも大切に行っていきたいと改めて感じました。
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