お盆のお供えの意味や金額相場は?のし紙はどうしたらいい?
お盆は、盂蘭盆会(うらぼんえ)と言うインド発祥の仏教行事が元となり、日本で独自の風習となったものです。
お盆になると、実家を離れている人は実家へと規制し、先祖供養のお墓参りに行くと思います。
また、その際に親戚宅へ伺うこともあるかも知れませんね。
その際に、お供え物を持参したり、品物の代わりにお金を包むことがありますが、お供え物には何を選んだらよいのか、お金はどれくらい包んだらよいのか、よくわからないという方も多いと思います。
そこで今回は、お盆のお供え物について調べてみました。
お盆のお供えの意味は?
お盆は、インド発祥の仏教行事「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と、日本の祖霊信仰の風習が融合した日本独自のものです。
お盆には故人や先祖の霊が極楽浄土から、私達の住む地に降りてくると言われています。
お盆とは、先祖の霊を迎え入れてお祀りし、そして再び極楽浄土へお戻りになるのをお見送りするものです。
そのため、仏壇や精霊棚(盆棚)にお供えするお供え物は、本来の仏教や神道における「献上物」とは異なります。
お供え物についてこれと言った決まりやマナーはなく、基本的には故人や先祖が好んでいた物をお供えして構いません。
ただし、お盆は夏場の盛りのシーズンなので、腐りやすい物は避けた方がよいでしょう。
また仏教では殺生を禁じているため、生の魚や肉をお供えするのはNGです。
同様に、においのきついものをお供えするのも止めましょう。
お供えの選び方
暑い日が続いても腐らず、日持ちするものを選ぶのがよいでしょう。
基本的には故人や先祖が好きだった物でよいですが、これと言って特に浮かばない時や、生ものを好んでいたためお供え物にはふさわしくないという場合は、乾き物やお菓子、飲み物を選ぶとよいと言われています。
乾き物ならそうめんや海苔、お菓子ならおせんべいやクッキー、羊羹、ゼリー、飲み物ならコーヒーや缶ジュースがよいでしょう。
また、地域によってはお盆の後に、お供えした物を下ろした際に近所などにお裾分けする習慣があるところもあります。
その場合には、個別包装されているものの方が分けやすいことから、個別包装されているものを選ぶのもおすすめです。
定番のお盆のお供えは?
お盆に限らず、仏壇のお供えをする時の基本に「五供(ごく)」があります。
五供とは、香(こう)、花、灯燭(とうしょく)、浄水、飲食(おんじき)のことを言い、具体的には次の通りです。
香
お線香のことを指します。
仏様は香りを召し上がると言われており、お線香の香りを毎日絶やさないことはそれだけで供養となりますが、最近は様々な香りのついたお線香が販売されているため、故人が好きだった香りのお線香をお盆に用意するのはよいでしょう。
花
花も香りを楽しむもののため、お供えの定番と言えます。
基本的には故人の好きだった花や、季節の花をお供えしますが、においのきついものや、棘のあるもの、ツルが長いものはお供えしないようにしましょう。
灯燭
ろうそくのことです。
ろうそくの火はつけっぱなしにしておくのがよいのですが、火事の原因となるため、お線香をあげてお祈りをした後は消します。
その際、口で吹き消すのは先祖に失礼となるためNGです。
手で仰いで消すようにしましょう。
浄水
水道水で構いませんが、毎日綺麗な水に取り換えるようにしましょう。
飲食
特別な物を用意する必要はなく、家族が食べる物と同じ物や、生前故人が好きだった物をお供えします。
なお、お供えする時は、封などは開け、食べられる状態にしておきます。
お供えの金額相場
本来、お供えは上記で挙げた物を持参するのがマナーとなっています。
しかし、訪問客が多いとお供え物が重複してしまうことがあるため、最近は現金を包むのが一般的になりつつあります
その際の金額の相場は、故人や遺族との関係性もありますが、通常のお盆であれば3,000~5,000円となっています。
ただし、初盆(故人が亡くなって初めて迎えるお盆)の場合は、これよりも上がり、5,000~10,000円となっています。
品物で持参する時も、今挙げた金額を目安にして選ぶとよいでしょう。
お供えを包むのし紙のマナー
必ず熨斗(のし)をつけて渡しましょう。
なお、お供え物の場合、熨斗ではなく掛紙というのが正しい言い方になります。
掛紙の水引には、結び切り、もしくはあわじ結びを選びます。
弔事は何度も繰り返すものではないため、一度きりという意味のある結び切りやあわじ結びの水引が適切になります。
水引の色は地域によって違い、関西や中国・四国地方、九州の一部では黄と白の組み合わせが使われることが多いですが、その他の地域では基本的には黒と白の組み合わせを選んでおけばよいでしょう。
表書きは、上の方に「御仏前」や「御霊前」「御供」「御供物」と書きますが、故人の宗派や亡くなった時期などでどれを書いたらよいかわからないという場合は、どのようなケースでも使える「御供」を選んでおくと安心です。
表書きの下の方には、名前を書きます。
お供えの渡し方
お供え物を直接持参する場合、現金であれば袱紗に、品物であれば風呂敷に包むのがマナーです。
お供え物をお供えするのは、仏壇に手を合わせる前です。
その場合、すでに別の人がお供え物を置いていることがありますよね。
そのような時はお供え物の上に重ねるのではなく、違う場所に置くようにしましょう。
手渡しする時は、片手ではなく両手で渡します。
また、持参できない場合には郵送にてお供え物を送ることになりますが、お盆の時期は8月13日~16日が一般的であるため、この期間内に届くように手配をしましょう。
お供えの飾り方
お盆になると、先祖の霊を迎えるために精霊棚(しょうりょうたな)もしくは盆棚と呼ばれる棚を準備します。
精霊棚はお盆期間中、先祖の霊が滞在する場所とされます。
精霊棚は、仏壇の前に真菰や敷物を敷き、その上に経机(なければ小机でよい)を置いて、仏壇から取り出した位牌を置きます。
さらに、先祖がこの世にやってくる時に乗ってくると言われている精霊馬、精霊牛やお供え物を飾り、精霊棚の脇に提灯を置きます。
上記でも触れましたが、お供え物は食べられるようにして置くのがマナーで、果物であれば皮を剥いて切った状態にしてお皿に盛り、素麺は茹でてからお椀などによそって置きます。
(精霊馬、精霊牛はなすやきゅうりを馬や牛に見立てたものです)
お供えを下げるタイミングはいつ?
お供え物は、お供えしたままにしておくのではなく、それを家族や訪問客などで食べるところまでが含まれます。
先祖や故人にお供えした物を食べるなんて・・と思うかも知れませんが、食べ物を粗末にしないこともお盆のマナーとしてとても大切と言えます。
朝にお供えしたものは、午前中に下げて食べるようにしましょう。
ご飯や素麺、カットした果物など、傷みやすいものは湯気が出なくなったら下げて食べて構いません。
まとめ
お盆のお供えは、極楽浄土から降りてきた先祖や故人の霊に食べてもらうためのものです。
そのため、基本的には先祖や故人が好きだった物をお供えしてよいのですが、生ものやにおいのきついものはNGです。
また、食べ物以外にも仏様は香りを召し上がるという言葉があるように、お線香や花などをお供えしてもよいでしょう。
最近は花のにおいや、コーヒー、キャンディなどのにおいがするものなども売っているので、ぜひ参考になさってみて下さいね。
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