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寒の明けとは?2024年はいつ?季語の使い方や俳句は?

寒の明け

寒の明けはいつ?意味や季語と使い方!小寒や大寒との関係は?

ニュースや天気予報で「寒(かん)の明け」という言葉を聞いたことはないでしょうか。

寒という字から何となくの意味は想像できますが、完の明けとは一体なんなのか詳しく知りたいと思っている方も多いと思います。

そこで今回は寒の明けについて調べてみました。

2024年の寒の明けはいつなのかなど、寒の明けに関する様々な疑問を解説していきます。

寒の明けとは?


寒の明け、そして寒の入りという言葉は、二十四節気に関係しています。

寒の明けとは、二十四節気の中で最も寒さが底となる大寒が終わる日を指すものです。

二十四節気とは中国から伝わった暦のことで、春分秋分夏至冬至など聞き馴染みのあるものも含まれる、季節の名称になります。

現在、私達は太陽の運行を元にして暦を作る太陽暦に沿って日付が決められていますが、以前までは月の満ち欠けによって暦を決める太陰暦が使われていました。

月は29.5日で新月→満月→新月となるため29日もしくは30日を一ヵ月と定めていたのに対し、太陽の運行に基づく太陽暦では一ヵ月は30日もしくは31日(2月のみ28日か29日)です。

太陰暦の一年は355日となり、太陽暦の現在とは10日の差があるので、3年で30日(約一ヵ月)も違いが出てきます。

そして、年数の経過とともにどんどんと開きが生じてしまいます。

昔は農業が主体であったため、農作物を育てたり収穫の時期を見極めるために季節や天候を読むことはとても大切でしたが、太陰暦では暦と実際の季節感にズレがあり、農家の方は困っていました。

そこで生まれたのが二十四節気です。

二十四節気は一年を24等分にし、それぞれの季節にちなんだ名称をつけることで、季節を把握するのに役立てていたと言われています。

2024年の寒の明けはいつ?

2024年の寒の明けは、大寒の終わり、つまりは立春となるので2月4日です。

立春も二十四節気の一つですが、聞き覚えのある方も多い名称ではないかと思います。

同時に、「あれ?2月3日は節分ではないの?」と思う方もいらっしゃると思いますが、実は節分は毎年2月3日と必ず決まっているわけではありません。

ちなみに節分のそもそもの意味は「季節を分ける」というもので、昔は春のみならず、夏にも秋にも冬にも節分が存在していて、立春立夏立秋立冬の前日を指す言葉でした。

それがやがて、冬と春を分ける立春が同時に新年の始まりとなることから、節分=立春の前日となり、現在に受け継がれています。

なお、2024年の節分は2月4日が立春のためその前日の2月3日となります。

寒の明けの季語と使い方!


寒の明けは二十四節気の大寒が終わることを指すため、季語としては冬ではなくになります。

季語は主に俳句に使われるもので(その他には連歌と呼ばれる、五七五の発句と七七の脇句を、複数の人で交互に詠んでいくものもあります)、季節を表現した言葉です。

俳句では五七五のどこかに季語を入れるのが定型となっており、季語=俳句のイメージを持っている方が多いかも知れませんが、季語は必ず入れなければならないというわけではありません。

季語がない俳句も存在します。

なお、寒の明けを季語として使う場合の使い方としては、「寒の明け」の他に「寒明」「寒明ける」「寒明くる」などの表現があります。

寒の明けを使った俳句


寒の明け(もしくは「寒明」「寒明ける」「寒明くる」など)を使った俳句をご紹介します。

・寒明の雪どつと来し山家かな 高浜虚子
・ふるさとの菓子噛み割りし寒の明け 横光利一
・寒明けの噴井の水の潔し 小林むつ子
・寒明けや横に坐りて妻の膝 草間時彦
・寒明の日射机辺に眩しとも 築山能波
・方丈に寒の明けたる水の音 星野椿
・寒明や馬蹄磁石のNとS 小川軽舟
・浄瑠璃の名の山寺も寒の明け 角川春樹
・野鼠の穴ぽつかりと寒明くる 伊藤京子
・炭乏しそのほか乏し寒明くる 及川貞
・寒明くるはだかの竹に母の顔 齋藤玄
・寒明けの池映し出す空の青 山田尚子
・寒明の棘消えし灯に戻りきぬ 下田稔
・暁紅に寒明けて寒新たなり 相馬遷子
・約束の机も買はな寒明くる 小林景峰
・老星は鞴火に似て寒明くる 百合山羽公
・寒の明け告知の一語「高見順」 江国滋
・寒明けの宙妖精の降りてくる 浦川聡子
・寒明けし月ややひずむ旧山河 飯田蛇笏
・寒明けて空の近しと妻の言ふ 瀧澤伊代次
・寒明の日たかき路地の雪を掃く 石原舟月
・紙を漉く女の業に寒明くる 長谷川かな女
・寒明けのみみずの赤さなど思う 北原志満子
・霜にこげし松の黄ばみや寒の明け 室生犀星
・ヴィオロンの音はもう聞けず寒明くる 稲畑廣太郎
・馬ゆけり寒明けの創かがやかし 千代田葛彦

小寒や大寒との関係


寒の明けとは二十四節気の24番目の節気、つまりは最後の節気が終わったという意味となります。

大寒は冬の節気の一つですが、その前の節気が小寒となり、小寒の日を「寒の入り」と呼ぶことがあります。

小寒には一年の中で寒さが最も厳しくなる時期が始まるという意味があり、一方の大寒は一年で最も寒さが厳しいという意味になることから、この時期は寒さに注意が必要な期間ということがわかります。

2024年の場合、小寒は1月6日となっているので、1月6日から大寒の1月20日までの15日間ぐらいを指します。

なお、小寒から数えて4日目のことを「寒四郎」と言い、この日の天気が一年の収穫を左右すると言われていました。

晴れると豊作、雨や雪が降ると凶作と考えられていたようです。

さらに小寒から数えて9日目のことは「寒九」と呼んでいました。

この日も天気によって一年の収穫を占うとされるのですが、面白いのは寒四郎とは反対で、晴れると凶作、雨や雪が降ると豊作になると考えられていたそうです。

そのため、寒九に降る雨は恵みの雨とされ「寒九の雨」と呼ばれています。

寒の内の意味は?


二十四節気の小寒から大寒までのおよそ一ヵ月の期間を、寒の内と呼びます。

小寒は寒の入り、大寒は寒の明けであることから、その間を寒の内と呼ぶことにあまり違和感がないのではないかと思います。

寒の内の意味は知らずとも、私達はこれまで寒の内に関する様々な行事を体感しています。

例えば、お正月に出す年賀状が間に合わなかったり、喪中であった場合に後から出す「寒中見舞い」。

この寒中は寒の内という意味です。

ただし、寒中見舞い松の内が明けてから出すのがよいとされているので、小寒に入っても松の内が明けるまで出すのを待った方がよいでしょう。

なお、寒の明け後(立春を過ぎてから)出すのは寒中見舞いではなく、余寒見舞いになるので注意して下さい。

この他に、寒中稽古や寒中水泳、寒造りなども寒の内に行う行事です。

寒中稽古や寒中水泳は寒さが一番厳しい時期に行うことで、心身を鍛える目的があると言われており、寒造りは寒の内に行われる日本酒の仕込みのことを言います。

寒の明けのまとめ

2024年の寒の明けは2月4日となります。

寒の明けは二十四節気の大寒が終わるという意味があり、大寒の前の節気である小寒を寒の入り、小寒から大寒の期間を寒の内と呼びます。

寒中見舞いや寒中水泳、寒中稽古など寒中と表されるものの多くは、この寒の内を指すとされ、一年で最も寒さが厳しくなる時期となります。

なお、大寒の次の節気は立春で、二十四節気における春の始まりの日となります。

立春の前日、つまりは大寒の最終日は「節分」となり、2024年は2月3日になります。

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