向暑の候を使う時期はいつ?読み方や意味と例文や結びも!

向暑の候

季節の変わり目、特に「向暑の候」になると、「いつからいつまで使うのが適切なのか」「正確な意味は何か」「読み方は?」と疑問が湧くものです。

また、実際に手紙やメールで使うにあたって、「どのような例文があるのか」「使い方や書き方は?」「書き出しや結びはどうすれば良いのか」といった点で悩まれる方も少なくありません。

この記事では、そんな向暑の候に関するあらゆる疑問に対して、誰にでもわかりやすく解説しています。

季節感あふれる挨拶の書き方から、具体的な使い方まで、この一記事でしっかりマスターしましょう。

読んでいただければ、向暑の候を心地よいコミュニケーションの機会に変えられるはずです。

  • 向暑の候が使われる正確な期間についてわかります。
  • 「向暑の候」の読み方とその意味について理解できます。
  • 向暑の候の意味や、それが示す季節の特徴について理解できます。
  • 手紙やメールでの向暑の候の使い方、具体的な書き出しや結びの文例がわかります。

目次

向暑の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?

向暑の候を使う時期はいつからいつまで?

向暑の候は5月下旬から6月中に使える時候の挨拶になります。

ただし、向暑の候を使う時期については、他に5月上旬からという説や、7月も使うことができるなど、はっきりとはしていません。

向暑の候はいつ使えばよいのかは、向暑の意味や旧暦との関係などを併せて判断する必要があると言えるでしょう。

向暑の候読み方


向暑の候は「こうしょのこう」と読みます。

あまり聞きなれない言葉ではありますが漢字は全て音読みとなっています。

向暑の候の意味

「向暑の候」には「気温も少しずつ高くなり、夏を感じる季節となりましたね」という意味があります。

「向暑」という言葉は、「暑さに向かう」という意味を持ちます。

日本では、四季がはっきりしており、それぞれの季節が独自の美しさを持っています。

春から夏への移り変わりは、特に感慨深いものがありますね。

春の柔らかな暖かさから、次第に暑さが増していくこの時期は、まさに「向暑」の言葉がふさわしい季節の変わり目です。

「候」という言葉には、「時候」や「季節」という意味があります。

この場合、「向暑の候」は「本格的な暑さに向かう時期」という意味合いで使われます。

つまり、この言葉は、春から夏にかけての気温が徐々に高くなり、夏の訪れを予感させる時期を表現しています。

「向暑の候」は、そんな春から夏に移り変わる、ひとつの節目を象徴する言葉と言えるでしょう。

日に日に高まる気温と共に、夏の訪れを心待ちにする気持ちを、簡潔ながらも美しく表現しています。

向暑の候の正しい使い方は?


先ほどもお伝えした通り、向暑の候を使う時期については様々な見解があります。

向暑の指す「暑さ」が初夏の暑さである場合は、5月上旬から使えるというのも納得できますよね。

ですが、それが「本格的な暑さ」であると、5月はまだそこまで暑くはないのでは?と思ってしまいます。

さらに、「一年で最も暑い時期に向かう」という意味に捉えて、6月下旬から7月に使えるという考え方もあります。

暑さに向かうという意味からは、夏が始まり、これから夏本番の暑さを迎えるその少し前、という感覚を覚える方は多いのではないでしょうか。

そうなると、一番近いのは5月下旬から6月中と考えるのが一般的ではないでしょうか。

つまり、タイミングとしては夏の半ば、仲夏が最も適しているように思えます。

向暑の候の使い方については、こうした状況を踏まえた上で各自が判断するしかないでしょう。

なお、6月は梅雨の時期でもありますよね。

向暑の候は暑さが本格的になるという意味合いから、梅雨が続いている時には使うのは避けた方がよいでしょう。

向暑の候を使った例文


向暑の候を使う時期や意味などはわかっても、実際に使って手紙やはがきを書くとなると、どう書いてよいのか悩んでしまう方も多いのでしょう。

ここでは、ビジネスの場合、目上の人の場合、親しい人の場合の3つのケース別に、向暑の候を使った例文をご紹介します。

ビジネスで使う場合

書き出し文

  • 謹啓 向暑の候、貴社いよいよご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。
  • 拝啓 向暑の候、貴社いよいよご隆盛のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てをいただき、ありがたく御礼申し上げます。
  • 拝啓 向暑の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。毎度格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

結び文

  1. 梅雨明けに夏の気配を感じる時節となりました。御社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
  2. 夏本番も間近な季節、貴社いよいよのご多忙をご祈念いたします。
  3. 梅雨入りを控える時節ではございますが、貴社いっそうのご繁栄をお祈り申し上げます。

目上の人に使う場合

書き出し文

  • 謹啓 向暑の候、〇〇様にはますますご壮健のことと拝察いたしお慶び申し上げます。
  • 拝啓 向暑の候、〇〇様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
  • 拝啓 向暑の候、〇〇様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと拝察いたします

結び文

  • 梅雨の季節が近づいています。どうかお体を大切にしてください。
  • 夏の訪れを告げる風が吹き、季節は移り変わっています。皆様が心地良い夏を迎えられますように。
  • 長雨明けで、山々の緑が一段と深くなるこの時期、皆様の健康と幸せを願っています。

親しい人に使う場合

書き出し文

  • 夏の到来を心待ちにしている時期、〇〇様、お元気にお過ごしでしょうか。
  • 次第に夏が近づいているこの季節、皆様のお加減はいかがでしょうか。
  • 若鮎が活発に泳ぎ始めるこの季節、長らくご連絡が取れていませんが、お健やかに過ごされていますか。

結び文

  • 暑さが日に日に強くなりますので、どうぞご自愛ください。
  • 草木が勢いよく成長するように、〇〇様のこれからの益々のご成功を心から願っております。
  • 梅雨の時期は気分が沈みがちですが、清々しい夏を迎えられることを願っています。

結び文とは?


結び文とは文章の締めくくりに書く文のことです。

ビジネス文書では季節に関係なく使うことができる定型文がありますが、時候の挨拶に合わせた季節感を盛り込むと、結び文にすることで、文章全体に統一感が出るのでおすすめですよ。

ここでは、向暑の候を時候の挨拶に使った場合の結び文の例文をご紹介します。

  • 時期柄、ご自愛専一に、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
  • 日増しに暑くなっておりますが、貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます。
  • 汗ばむ陽気が続いております。くれぐれも体調にご留意下さい。

向暑の候を使うときに注意すること


向暑の候などの〇〇の候は、時候の挨拶の漢語調と呼ばれるものになります。

時候の挨拶には口語調もありますが、漢語調は口語調に比べて丁寧な表現のため、文章の冒頭に漢語調の時候の挨拶を入れればOKと思ってしまう方もいるようです。

しかし、ビジネス関係者や目上の人などには、いきなり時候の挨拶から入るのは失礼になります。

相手に敬意を示す時は、文章の最初に必ず「拝啓」や「謹啓」などの頭語を入れましょう。

そして、頭語を入れたら語尾は結語で終わるのがマナーになりますよ。

「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」になります。

向暑の候以外の6月の時候の挨拶はある?


向暑の候は、ここまでお伝えした通り、使う時期については諸説あるため、使うタイミングがやや難しいと感じる方もいるかも知れません。

そこでここでは、向暑の候以外に6月に使える時候の挨拶をご紹介します。

初夏の候

例年5月5日頃の立夏から、例年6月6日頃の芒種の前日まで使える時候の挨拶になります。

6月は上旬の数日のみしか使えないので、使う時には注意してください。

https://sk-imedia.com/39427

薄暑の候

5月上旬の立夏から6月上旬の芒種(例年6月4日頃)まで使える時候の挨拶になります。

薄暑とは初夏になり少し汗ばむような季節になりましたという意味で、使える時期は初夏の候と同じです。

6月は上旬の数日のみなので、こちらも使うタイミングに注意が必要です。

https://sk-imedia.com/38502

芒種の候

芒種は二十四節気の一つで、例年6月4日頃から6月20日頃までになります。

使える期間がはっきりと決まっており、天候に左右されずに使うことができますよ。

https://sk-imedia.com/44489

黄梅の候

6月中旬頃に使える時候の挨拶になります。

黄梅とは七十二候の「梅子黄」を指す言葉で、例年6月16日~21日頃に該当します。

https://sk-imedia.com/43551

小夏の候

6月下旬から7月上旬に使える時候の挨拶になります。

小夏には旧暦における夏の半ばという意味がありますよ。

https://sk-imedia.com/38552

深緑の候

6月上旬から下旬に使える時候の挨拶になります。

葉の緑色はだんだん濃く深くなっていく時期という意味があります。

6月中は使えるので、6月の時候の挨拶に悩む時は使いやすいのではないでしょうか。

https://sk-imedia.com/43797

Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法

仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。

そのような時はWordを利用してみましょう。

Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。

ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。

手順

①Wordを開きます

②挿入タブをクリックします

③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします

④あいさつ文の挿入を選びます

⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう

⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます

⑦選んだら「OK」をクリックしてください

⑧Wordに選んだ文章が表示されます

ポイント

Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。

挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。

向暑の候のまとめ

向暑の候は、5月下旬から6月中に使いたい時候の挨拶ですね。

この言葉、夏に向かう気温の上昇を感じさせる時期を表しています。

読み方は「こうしょのこう」といいまして、だんだん暑くなるこの季節を美しく表現しています。

ビジネス文書や手紙での挨拶にもぴったり。

ただ、梅雨の時期は少し避けた方が良いかもしれません。

季節の変わり目を感じさせる向暑の候、上手に使って、心温まるコミュニケーションを楽しんでくださいね。

この記事のポイントをまとめますと

  • 向暑の候の使用時期は5月下旬から6月中旬
  • 読み方は「こうしょのこう」
  • 意味は暑さに向かう季節を表す
  • 暑さが徐々に増していく時期に適している
  • 春から夏に移り変わる節目の挨拶
  • 本格的な暑さを前にした表現
  • ビジネス文書や手紙での挨拶に適用
  • 目上の人や親しい人への手紙にも利用可能
  • 6月の時候の挨拶として他にも選択肢あり
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