端午の節句の代表的な食べ物「柏餅・ちまき」
5月5日は「こどもの日」なのに、どうして男の子だけ特別に鯉のぼりや鎧兜、五月人形が飾られるのかな、と思った女の子は多かったのではないかと思います。
そして、それを親に尋ねると「あなたは3月3日にひなまつりをしたでしょ」と呆れられ、だったら「こどもの日」なんて言い方をしなければいいのに、と思った記憶もありませんか?
でも、実はこの「こどもの日」という言い方は1948年という割りに近しい年に制定されたもので、それまでは一般的に「端午の節句」と呼ばれ、男の子の誕生や成長を祝う行事だったのです。
また、端午の節句と言えば、柏餅やちまきを食べるのが一般的ですが、どうして端午の節句には柏餅やちまきを食べるのでしょうか。
今回はそんな、ちまきや柏餅の謎について迫ってみたいと思います。
「ちまき」の由来や意味!なぜ端午の節句に食べるようになったの?
端午の節句にちまきが食べられるようになったのは、古い時代の中国の政治家の話が元となっています。
その昔、屈原という男がいたのですが、大変な働き者で情が深く正義感も強かったことから、とても人望を集めていました。
ところが屈原は、策略によって失脚を余儀なくされ、失意のまま汨羅川に自ら身を投じてしまったのです。
そのことを知った国民は嘆き悲しみ、せめて屈原の遺体が川の魚に食べられないようにと、太鼓を叩きちまきを投げこみました。
これが切っ掛けとなり、中国では屈原が亡くなった5月5日にちまきを食べて厄除けをする風習が生まれ、それが日本にも伝わったとされています。
「柏餅」の由来や意味!なぜ端午の節句に食べるようになったの?
端午の節句にちまきを食べるのが中国より伝来されたのに対し、柏餅は日本独自に生まれた風習と言えます。
餅を包む柏の葉は、古くから神が宿る木として大切に扱われており、さらに柏の木は新芽が出てそれが成長しないと古い葉が落ちないことから「子供が生まれて大きく育つまでは親は死なない」と言われ、縁起がよい食べ物とされたようです。
ところで、端午の節句にはどちらを食べるといいの?
端午の節句に、ちまきと柏餅を食べるのには、実は地域性が深く関係しています。
平安や奈良時代、日本の中心は京(関西)にありました。
そのため、中国から伝わった文化や風習を真っ先に受け取ったのが関西地方で、その伝統を今に受け継いでいます。
一方、鎌倉や江戸時代より日本の中心が関東に移ると、武家文化が庶民に広く浸透していくようになりました。
すなわち、端午の節句に中国から伝わったちまきを食べるのは関西地方に多く、日本独自の風習として生まれた柏餅を食べるのは関東地方が多いのです。
このため「どちらを食べるのがよいか」と聞かれれば、どちらでもよいと答えるしかありません。
まとめ
端午の節句に柏餅やちまきを食べる理由がよくわかりました。
また、どちらを食べてもよいのであれば、今年の端午の節句には両方を食べ比べしてみる、というのもよいかも楽しいかも知れませんね。
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