年末の候と聞いて、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
年の瀬が近づくこの時期、手紙やはがきを書く際に「年末の候」という言葉を目にすることも多いですよね。
しかし、実際にこの言葉を使う正確な時期や、その読み方、さらには適切な使い方について、詳しく知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。
そこで、この記事では「年末の候」の使い方の基本から、実際に使える例文、そして手紙を締めくくる際の結び文まで、丁寧に解説していきます。
日本の美しい文化の一つである時候の挨拶を、この機会にぜひマスターしてみませんか?
読み進めるうちに、きっと「年末の候」を使いこなせるようになるはずですよ。
「年末の候」の正しい読み方と意味
「年末の候」の使い方と具体的な例文。
「年末の候」を使った手紙の適切な結び方と例文。
年末の候を使う時期はいつ?
一般的に中旬は11~20日、下旬は21日から末日までを指すため、年末の候は12月10日から31日まで使える時候の挨拶ということになりますね。
年末の候の意味や読み方は?
時候の挨拶は音読みすることが多く、読み方が難しく感じる場合があるのですが、年末を「ねんまつ」と読むのは一般的なので読めないという方は少ないのではないかと思います。
候は『そうろう』と読んでしまいやすいのですが、「こう」が正しい読み方になりますよ。
年末とは一年の終わりという意味で、候には時期や時候などの意味があることから、年末の候は「今年も終わりの時期になりましたね」という意味になります。
年末の候の正しい使い方は?
年末の候は12月中旬から使える時候の挨拶ですが、中旬に入ったばかりのタイミングでは、いまいち年末感は薄いかも知れません。
状況に合わせるなら12月下旬に使った方が、より年末感が強いですよね。
ただし、12月29日や30日に、年末の候を使って手紙やはがきなどを送った場合、届くのが1月1日以降になってしまう可能性があります。
そのため、年末の候を使った手紙やはがきは、遅くても25日までには出すようにして、年内に相手に届くようにしましょう。
年末の候を使った例文
時候の挨拶は日常会話で使うものではないので、手紙やはがきなどを書く時に「どのように書き始めたらよいのかよくわからない」という方は多いでしょう。
そこでここでは、年末の候を使った例文をいくつかご紹介します。
年末の候をビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合の3つのパターン別にわけているので、状況に合わせて参考にしてみて下さい。
ビジネスで使う場合
目上の人に使う場合
親しい人に使う場合
なお、親しい人には年末の候を使わずに、「今年も終わりですね」のような書き方でもよいでしょう。
友達などの近しい人に年末の候を使うと、改まった感じになってしまいますよね。
親しいといっても知り合い程度であれば、年末の候を使っても違和感はないかも知れません。
年末の候の結び文
結び文には季節に関係なく使える定型文もありますが、時候の挨拶の季節感に合わせた結び文にすると文章全体に統一感が生まれますよ。
ただし、時候の候と同じ言葉や内容を結び文に入れるのはNGです。
ここでは、年末の候を使った時の結び文の例文をご紹介します。
年末の候を使うときに注意すること
年末の候を使うときに注意したいのは、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどです。
年末の候は時候の挨拶の中でも丁寧な表現になりますが、文章の冒頭にいきなり書いてしまうのはマナーとしてNGになりますよ。
年末の候の前に、「謹啓」や「拝啓」などの頭語をつけるようにしましょう。
頭語には様々な種類がありますが、「謹啓」や「拝啓」には「謹んで申し上げます」という意味があり、相手への敬意を表しているため、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどに使うのがおすすめです。
また、文章の冒頭に頭語をつけたら、終わりは結語で締めるのもマナーになります。
頭語と結語は対になっており、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」と決まっているので覚えておくとよいでしょう。
なお、女性のみですが、どの頭語でも結語に「かしこ」をつけることができます。
ただし、「かしこ」はややカジュアルな印象を与えるため、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどには使わないようにしましょう。
年末の候以外の12月の時候の挨拶はある?
それでは、12月上旬や中旬に使える時候の挨拶はないのでしょうか。
ここでは、年末の候以外に12月に使える時候の挨拶をご紹介します。
小雪の候
小雪の候は11月22日頃から12月6日頃まで使える時候の挨拶です。
小雪は二十四節気の名称で、雪が降り始める時期という意味があります。
二十四節気にちなんだ時候の挨拶は、実際に雪が降っていなくても該当の期間に使うことができますよ。
大雪の候
大雪の候は12月7日頃から21日頃まで使える時候の挨拶です。
大雪は二十四節気の名称で、雪が多く降る時期という意味があります。
小雪の候と同様に、実際にたくさん雪が降っていなくても、二十四節気の大雪の期間であれば大雪の候を使うことができますよ。
師走の候
師走の候は12月全般に使える時候の挨拶です。
12月の和風月名として聞き馴染みがある師走は、師走=12月のイメージを持っている方が多いので、使いやすい時候の挨拶と言えるでしょう。
冬至の候
冬至の候は12月22日頃から1月5日頃まで使える時候の挨拶です。
冬至は二十四節気の一つで、一年で最も日が短く夜が長い日という意味があります。
時候の挨拶として使う冬至の候は、12月22日頃だけではなく、次の節気である小寒まで使うことができますよ。
歳晩の候
歳晩の候は12月下旬に使える時候の挨拶です。
歳晩とは年の瀬という意味があり、年末と同じ意味で使うことができます。
歳晩の候には「一年も終わりの時期になりましたね」という意味がありますよ。
Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法
仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。
そのような時はWordを利用してみましょう。
Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。
ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。
手順
①Wordを開きます
②挿入タブをクリックします
③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします
④あいさつ文の挿入を選びます
⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう
⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます
⑦選んだら「OK」をクリックしてください
⑧Wordに選んだ文章が表示されます
ポイント
Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。
挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。
年末の候のまとめ
「年末の候」という時候の挨拶は、12月中旬から下旬にかけての心温まる季節にふさわしい言葉です。
この記事では、その正しい読み方「ねんまつのこう」や、年の終わりを感じさせる深い意味を解説しました。
また、ビジネスシーンや目上の方、親しい人への手紙での使い分けや、心を込めた例文をご紹介。
手紙の締めくくりにぴったりな結び文も紹介しています。
これらの知識を活用すれば、年末の挨拶がより印象深いものになるでしょう。
美しい日本の伝統を大切に、今年の締めくくりに「年末の候」を使ってみてはいかがでしょうか。
この記事のポイントをまとめますと
- 「年末の候」は12月中旬から下旬に使う時候の挨拶
- 正しい読み方は「ねんまつのこう」
- 意味は「一年の終わりの時期」を表す
- ビジネスシーンでは敬意を込めた表現として活用
- 目上の人へは尊敬を示す言葉遣いで使用
- 親しい人へはカジュアルな文脈でも適用可能
- 手紙やはがきでの例文を具体的に紹介
- 年末の挨拶に適した結び文の例も提供
- 「謹啓」「拝啓」などの頭語と結語の使い方を説明
- 女性は「かしこ」を結語に使うことも可能
- 年末以外の12月の時候の挨拶も紹介(小雪の候、大雪の候など)
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