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土用干しの意味や由来は?時期はいつのことなの?

土用干しの「土用」の意味は?梅と紫蘇の土用干しの作り方を紹介!

梅雨が明けて夏らしい陽気が続くようになると、クローゼットにしまい込んでいた洋服を引っ張り出してきて陰干しする方も多いのではないかと思います。

これは『土用干し』と言い、実は昔から行われている風習です。

しかし、土用と言えば土用の丑の日くらいしか知らないという方も多く、「土用干しとは?」と疑問に思っているのではないでしょうか。

そこで今回は、土用干しについて調べてみました。

土用干しに干すのは洋服だけじゃなく、梅干しや田んぼもあります。

また、どうして土用干しを行うのか、その意味や効果を詳しくご紹介します。



土用干しの意味や由来


土用干しとは、夏の土用の期間に洋服(着物)や梅干し、田んぼ、本などを干すことを言います。

土用干しは昔からの風習で、夏の土用は梅雨明けの時期となるため、様々な物を干すのにちょうどよい時期となります。

風習と言われると、現代に生きる私達にとってはあまり実感が沸かないかも知れませんが、天気がよい日には洗濯物や布団を外に干したくなったり、日向ぼっこをして太陽の光を浴びたくなりませんか?

その感覚は昔の人にも当然あったと言え、土用干しは身近な風習の一つと言えます。

とは言え、土用干しで干すのは梅や田んぼなど、「それはどうして?」と思うものもあります。

そこでここでは、土用干しの意味や効果をご紹介します。

梅を干す

梅干しは、梅を干すと書く通り干して作られるものです。

具体的には、梅の収穫が6月に行われ、その後塩漬けにしたものを、夏の土用の時期に天日干しにして完成させます。

この時に天日干しすることを、土用干しと言います。

夏の土用は、梅雨明け後で太陽の光が強いだけではなく、連日晴れが続きやすい時期となります。

梅干しを作るには天日に4日ほど晒す必要があるため、途中で雨が降るなど天候が不安定な時期は難しくなってしまうのですが、夏の土用の期間は天気が安定しやすいため、梅を干すのに絶好のタイミングとなります。

また、塩漬けした梅を干すことで水分が抜けて保存性が高まり、紫外線の作用によって殺菌効果が高まります。

さらに、紫外線を浴びると梅の中にあるエチレンという成分が増加し、梅の実をやわらかくするため、より美味しくなると言われています。

田んぼを干す

田植えをした田んぼは、土用の時期に1~2週間ほど水を抜きます。

これを「中干し」と言いますが、土用の期間に行われることから土用干しの風習の一つとなっています。

田んぼの土用干しでは、田んぼの表面にひびが入るほど土を乾かすのですが、これにより根がしっかりと張るため風害に耐える丈夫な稲穂が残って、豊富な実りをもたらすと言われています。

土用干しによって枯れてしまうような稲は、仮に育ったとしても実りが小さいため、土用干しによってより多くの栄養を丈夫な稲に補うことができたり、土が固くなるので刈り取りの作業がしやすくなると言われています。

着物や衣類を干す

存分に日光に晒す梅や田んぼに対し、着物や衣類の土用干しは布が傷まないように陰干しで行います。

着物や衣類を干すことは「虫干し」とも呼ばれ、湿気をとって虫が沸くのを防ぎます。

土用の時期は梅雨明け後ということもあり、湿度が高い日も多いため、虫干しをする時はできるだけ湿度の低いカラッとしている日を選ぶとよいでしょう。

なお、着物や衣類以外にも、本を土用干しすることもあります。

衣類と同様に湿気をとる目的で、虫干しの他、曝書(ばくしょ)とも呼ばれています。

土用干しの時期はいつ?


土用干しは夏の土用の期間に行われるものです。

夏の土用は二十四節気の立秋前の約18日間を指すため、時期は毎年7月20日頃から8月6日頃となります。



なお、日本各地の梅雨明けの目安は次の通りになっています。

沖縄地方 6月21日頃
九州・四国地方 7月14日頃
中国・近畿・東海・関東甲信越地方 7月21日頃
北陸地方 7月24日頃
東北地方 7月28日頃

日本は南北に長いため、一概に梅雨明け=夏の土用とはいかず、北陸や東北地方、それに梅雨がないと言われる北海道でも長雨が続く時期があることから、土用干しの時期はあくまでも目安ということになります。

実際の天気によって、土用干しに最適な時期は前後するものと思われます。

土用干しの「土用」の意味は?


土用干しの土用は、正式には「土旺用事(どおうようじ)」と言います。

土用は陰陽五行説という中国が発祥の自然哲学に基づくもので、土用干しが行われる夏の土用以外にも、立夏前の春土用、立冬前の秋土用、立春前の冬土用があります。

陰陽五行説では、万物は「木」「火」「金」「水」「土」の5つの要素によって成り立つと考えられ、これを四季にも当てはめ、春を「木気」夏を「火気」秋を「金気」冬を「水気」としました。

しかし、これでは「土気」が割り当たらなくなってしまうので、立春、立夏、立秋、立冬の前の18~19日間を土用としたのです。

なお、土用と言えば夏土用の丑の日に食べる鰻が有名ですよね。

そもそもの土用の丑の日は夏に限ったことではなく、夏土用以外でも、土用の期間中の丑の日のことを指す言葉ですが、なぜ夏土用の丑の日だけが知られるようになったのかと言うと、本来の旬が秋から冬である鰻が夏になると売れなくなることに困っていた鰻屋の店主が、発明家の平賀源内に相談したところ、「本日、土用の丑の日」と書いた紙を貼るようにと指示したそうです。

元々丑の日には「う」のつく食べ物を食べて英気を養う習慣があったことから、これを見た庶民が「丑の日だから鰻を食べよう」となり、その店は大繁盛したという話が元になっています。

これにより、夏土用の丑の日に鰻を食べる風習ができ、それが今も続いているというわけです。

梅と紫蘇の土用干しの作り方

梅干しを自分で作ってみたいと思っている方のために、梅の土用干しの作り方をご紹介します。

なお、梅干しを作る上で紫蘇も使うため、紫蘇の土用干しの作り方についても合わせてご紹介します。

梅の土用干し

塩漬けした梅を取り出し、ザルや干しかごに並べて日光によく当てます。

梅の土用干しは「3日3晩」行うのがよいとされているので、裏表を返しながら天日干しにし、4日目の朝に取り込みますが、その間雨に当たってはいけません。

また、3日3晩はあくまでも目安で、その時の気温や湿度、梅の大きさなどによって多少の誤差があります。

梅が乾燥したと思ったら、3日目の晩でも取り込むタイミングとなることがあります。

取り込んだ梅は瓶に入れて保存をしますが、その際に塩漬けの際の梅酢に戻してもよいでしょう。

紫蘇を入れて塩漬けにすると、より鮮やかな赤梅酢となるため、梅にも綺麗に色が入ります。

紫蘇の土用干し

梅を塩漬けする時に紫蘇を入れると、梅の色が鮮やかな赤になるだけではなく、香りもよいよくなります。

そして、土用干しで梅を天日干しするように、塩漬けした紫蘇も土用干しすることができます。

梅酢から引き揚げた紫蘇を軽く絞り、ザルや干しかごに広げて土用干しをしますが、ザルだと風に飛ばされてしまうので、干しかごを使った方がよいでしょう。

紫蘇は湿気が残ったまま取り込むとカビが生えやすいため、しっかりとカリカリになるまで乾燥させることが大事です。

雨などで天日干しが難しい時は、レンジで加熱して乾燥させる方法もあります。

乾燥した紫蘇はミキサーで粉砕すると「ゆかり」になります。

まとめ

土用干しとは、夏の土用の期間に衣類や梅、田んぼなどを干す作業のことを言います。

天日干しすることで衣類や本のカビ、虫を防ぐことができたり、梅は水分が抜けて保存性や殺菌作用が高まります。

また、田んぼは強くて丈夫な稲が残るので、豊作が期待できると言われています。



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