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土用餅の意味や由来と時期はいつなの?食べる地域はどこ?

土用餅を食べる地域はどこ?夏バテ対策になるのは本当?

土用の丑の日と言えば、鰻を食べる方が多いですよね。

鰻に限らず、丑の日には「う」のつく食べ物を食べるとよいと昔から言われています。

しかし、食べるとよいのは「う」のつく食べ物だけではありません。

『土用餅』も土用の期間を代表する行事食ですが、関西~北陸地方以外に住んでいる方は初めて聞く名前かも知れません。

土用餅とは一体何なのでしょうか。

そこで今回は、土用餅の意味や由来、食べる時期や地域などをご紹介します。

土用餅の意味や由来


土用餅とは、土用の期間に食べるあんころ餅のことを言います。

昔の宮中では、夏の暑さに負けないようにガガイモの葉を煮出した汁で練ったお餅を味噌汁に入れ、土用の入りに暑気払いとして食べる習慣がありました。

これが江戸時代になるとあんころ餅へと変わり、現在のような土用餅の風習になったと言われています。

あんころ餅はお餅を小豆の餡子で包んだもので、小豆には古くから厄払いの効果があると言われていました。

また、餅は力持ちに通じることから、夏の暑さが本番となる土用の入りにあんころ餅を食べることで、暑気や厄を祓い、無病息災を願ったと言われています。

なお、お餅を小豆の餡子で包む和菓子には、ぼた餅やおはぎがありますよね?

ぼた餅やおはぎとあんころ餅の違いは何?と思いますが、餡子で包んでいるもち米のみから作られ、なおかつ完全につきあがったお餅であるのに対し、ぼた餅やおはぎはうるち米を混ぜてあったり、半殺しと言って米粒が半分程度残っているものを使っています。

さらには、あんころ餅とぼた餅(おはぎ)を、大きさや形状で区別している地域もあるようです。

土用餅の時期はいつ?

土用餅は土用の期間に食べます。

そもそも土用とは雑節の一つで、季節を表す名称となっています。

日本で旧暦が使われていた時代、農耕が主であった庶民にとって季節の移り変わりを暦で知ることはとても大切でした。

中国からは五節句二十四節気と言った季節を表す名称が伝わっていましたが、中国が発祥ということもあり、日本の風土や気候には馴染まない部分も多かったようです。

そこで考えられたのが日本独自の暦日である雑節でした。

土用は、二十四節気においてそれぞれの季節の始まりの日となる立春立夏立秋立冬前の18~19日の期間を指す言葉です。

このように土用は一年に4回あるのですが、現在は土用と言えば夏土用を指すことが多いと言われています。

土用餅の場合も食べる目的が暑気払いであることから、土用餅を食べる時期は夏土用となります。

2022年であれば夏土用の期間が7月20日から8月6日(立秋の前)なので、土用餅は7月20日から8月6日の間で食べるものになります。

土用餅を食べる地域はどこ?


土用の丑の日の鰻は全国的に有名ですが、土用餅は知らない方も多いかも知れません。

それもそのはずで、土用餅が食べられる地域は関西や北陸と言った一部地域に限定されているからです。

特に京都や金沢と言った古都では、昔から土用餅に馴染みがある方が多く、夏土用が近くなると老舗の和菓子屋などで土用餅の販売が始まるそうです。

なお、土用餅はあんころ餅のことを言いますが、あんころ餅の有名な地域には次のところがあります。

・新潟県上渡地方の伝統的和菓子である「川渡餅」
・静岡県静岡市の「安倍川餅」
・三重県伊勢市の「赤福」「御福餅」

あんころ餅は疲れた旅人が食べやすいようにと、現在のような一口サイズになったと言われています。

これらはお土産の品として有名ですが、土用の期間には土用餅として地域の方に食されています。

土用餅は夏バテ対策になる?


土用餅の原料となる小豆は、昔から栄養価の高い食材として知られていました。

土用餅のみならず、小豆を煮出した汁を飲むと夏バテに効くと言われていたそうです。

小豆には良質なたんぱく質を始め、食物繊維や鉄分、亜鉛、カルシウム、カリウム、ビタミンB1、ビタミンB2、ポリフェノール、サポニンと言った成分が数多く含まれています。

ビタミンB1やB2には、糖質や脂質の代謝を促進してエネルギーを産生する働きがあるため、疲労回復に役立つことから夏バテにも効果があると言われています。

また、暑い夏は汗によって体内のミネラルが失われてしまうため、土用餅を食べることで失われたミネラルを補うことができます。

さらに、疲れた時に甘い物を食べると気力が沸いて元気になりますよね?

このようなことから、土用餅は夏バテの解消や対策によいと考えられていたと思われます。

土用餅のおすすめレシピ2選!

土用餅は和菓子屋やスーパーなどで購入することができますが、土用餅があまり知られていない地域では、手軽に買うことができない場合もあります。

そのような時は、自宅で手作りをしてみてはいかがでしょうか。

和菓子は何だか難しそうと思うかも知れませんが、ここでは誰でも簡単に作れるお勧めのレシピをご紹介します。

土用餅

材料(8個分)

・切り餅 4個(200g)
・砂糖 大さじ2
・塩 ひとつまみ
・市販のこしあん 240g
・片栗粉 適宜

作り方

① こしあんは8等分にしてそれぞれ丸めます。

② 耐熱のボールに砂糖、水大さじ2、塩を入れてラップをし、電子レンジで(600W)で1分加熱します。取り出したら砂糖を溶かします。

③ ②のボールに切り餅、水大さじ2~3を入れてラップし、再び電子レンジで5分ほどかねつします。

④ 熱いので火傷しないように気を付けながら、へらなどで手早く混ぜます。

⑤ 全体が馴染んだら、スプーン2本を使って④を8等分にし、バッドなどに片栗粉を敷いた上に落として片栗粉をまぶしながら丸めます。こしあん1つを手の平の上で広げ、その上に餅をおいて餡で包んで完成です。

料理の特徴

市販のこしあんと切り餅を使って、簡単に作れる土用餅のレシピです。

電子レンジで餅を溶かし、後は丸めて餡で包むだけなので簡単に作ることができます。

もち粉(米粉)で土用の丑の日!土用餅

材料(4人前)

■もち
・もち粉(米粉) 80g
・水 100㏄
・片栗粉 適量■あんこ
・あずきあん 50g
・水 165㏄
・黒糖 55g
・塩 ひとつまみ

作り方

① 鍋にあずきあんと水、黒糖を入れて焦がさないように中火でかき混ぜ、少し固くなってきたら弱火にして塩を加え、好みの固さになるまで練り上げます。

② もち粉を耐熱容器に入れ、水を少しずつ加えながらダマにならないように混ぜ、ラップをして電子レンジ(600w)で2分加熱し、ぬらしたゴムベラなどでよく混ぜたら、もう一度ラップをして今度は1分加熱します。ぬらしたゴムベラで粘りが出るまで混ぜたら、片栗粉を広げたトレーの上にもちを乗せ、一口サイズに切ります。

③ 手のひらにラップを置き、その上にもちとあんこを乗せ、ラップで丸く包んで形を整えたら完成です。

料理の特徴

あんに塩を少し入れることで、あんの甘さが引き立ちます。

あんは冷えると少し固くなるので、お好みの固さよりもやややわらかい状態で火を止めるようにしましょう。

まとめ

土用餅とは、夏土用の期間に食べるあんころ餅のことを言います。

土用餅に使われている小豆は、昔から厄払いの効果があると言われている他、ミネラルやビタミンなどの栄養成分が豊富なため、夏の暑い時期に摂取することで体調を整える働きがあると言われていました。

土用餅は主に京都や金沢などの関西、北陸地方で多く見られますが、他の地域にお住まいの方もこの機会に手作り土用餅で夏バテを予防してみてはいかがでしょうか。

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