夏至の候の正しい使い方と例文を徹底解説!時期や結びも紹介

夏至の候

夏至の候」とは何か知っていますか?

時候の挨拶として使われるこの表現、実は夏至の時期だけではないんです。

「夏至の候」を正しく使うためには、時期や意味、読み方を知ることが大切です。

でも、「夏至の候」の使い方や例文、結びの言葉まで詳しく知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、「夏至の候」の正しい使い方や時期、読み方、そして具体的な例文や結びの言葉まで、わかりやすく解説します。

これを読めば、誰でも自信を持って「夏至の候」を使えるようになりますよ。

記事のポイント
  • 「夏至の候」を使う時期がわかります
  • 「夏至の候」の意味と読み方がわかります
  • 「夏至の候」の正しい使い方と具体的な例文がわかります
  • 「夏至の候」を使った結びの言葉の例がわかります
目次

夏至の候を使う時期はいつ?


夏至の候は6月21日頃から7月6日頃まで使える時候の挨拶です。

冒頭でも触れた通り、夏至は1年で1日しかないと思っている方は多く、どうしてこの期間であれば夏至の候が使えるの?と不思議に思っていますよね。

夏至の候が6月21日頃から7月6日頃まで使える時候の挨拶である理由については、次の「夏至の候の意味や読み方は?」でご紹介します。

夏至の候の意味や読み方は?


夏至の候は「げしのこう」と読みます。

夏至はそのままでは読める人は少ないと思いますが、天文学の夏至を知っている方は多く、自然と読み方も覚えているのではないでしょうか。

夏至とは太陽が黄道上最も北にある夏至点を通過する時刻を指すもので、その瞬間が訪れる日を夏至日と言います。

夏至は二十四節気の一つであり、二十四節気における夏至は、夏至日となる日から次の節気までの期間も含めています。

そのため、時候の挨拶も夏至日だけではなく、夏至の期間中は使うことができるのです。

夏至の由来は「日長きこと至る(きわまる)」で、一年で最も日が長い日という意味がありますよ。

候には時期や時候などの意味があることから、夏至の候は「一年で最も日が長い時期になりましたね」という意味があります。

夏至の候の正しい使い方は?


夏至の候には「一年で最も日が長い時期になりましたね」という意味がありますが、夏至日を含む6月下旬よりも、7月に入って本格的な夏を迎えたタイミングの方が、体感的に昼間が長く感じることがありますよね。

そのため、「日が長いと感じているのだから、夏至の候を使っても大丈夫だろう」と思う方がいるかも知れませんが、「状況が合っているから」のような理由で夏至の候を使うのは間違いになります。

夏至の候は二十四節気の夏至にちなんでいるため、使える期間は二十四節気の夏至の期間と決まっています。

夏至の候は夏至の期間以外は使わないようにしましょう。

夏至の候を使った例文


夏至の候のような〇〇の候の表現は、普段使い慣れていない方が多く、書き出しに悩むことが多いですよね。

そこでここでは、夏至の候をビジネスで使う場合、目上の人に使う場合、親しい人に使う場合に分けて例文をご紹介します。

ぜひ参考になさってみて下さい。

ビジネスで使う場合

例文
  • 謹啓 夏至の候、貴社にはますますご清栄の由大慶に存じます。毎々格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
  • 拝啓 夏至の候、貴社におかれましてはいっそうのご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素はひとかたならぬ御愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
  • 拝啓 夏至の候、貴社の皆様におかれましては、いよいよご活躍のことと存じます。日頃は格別のお引き立てをいただき、ありがたく御礼申し上げます。

目上の人に使う場合

例文
  • 謹啓 夏至の候、貴殿いよいよご清福のことと拝察し、お慶び申し上げます。
  • 拝啓 夏至の候、〇〇様におかれましては、一層ご活躍のこととお慶び申し上げます。

親しい人に使う場合

例文
  • 夏至の候、梅雨明けのような暑い日々が続きます。体調は崩されておりませんでしょうか。
  • 夏至の候、梅雨の晴れ間には夏が感じられるようになりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

なお、親しい人には必ずしも夏至の候を使う必要はありません。

夏至の候のような〇〇の候は時候の挨拶では漢語調と言い、とても丁寧な表現となるため、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどでは必須ですが、親しい人に使うと反対に堅苦しさやよそよそしさを感じてしまうこともあるようですね。

親しい人には漢語調よりもカジュアルな口語調を使うとよいでしょう。

口語調の例文としては、「夏至を迎えて日が長くなりましたね。お元気にしていますか」のような書き方がよいでしょう。

夏至の候の結び文


結び文とは文章の締めくくりに書く文です。

結び文には季節に関係なく使える定型文がありますが、時候の挨拶に季節感を合わせた結び文にすることで文章全体に統一感が出ます。

時候の挨拶が夏至の候であれば、梅雨時や暑さなどに触れ、体調を気遣うような内容がよいでしょう。

ここでは、夏至の候を使った結び文の例文をご紹介します。

例文
  • 梅雨寒の折、ご自愛専一にてお願い申し上げます。謹言
  • 向暑のみぎり、お身体に気をつけてお元気でお過ごしになってください。敬具
  • うっとうしい毎日ですが、気持ちだけはさわやかに過ごしましょう。かしこ

夏至の候を使うときに注意すること


夏至の候を使った書き出しの例文でも触れましたが、漢語調の時候の挨拶はそれ自体が丁寧な表現となります。

ですが、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどの文章を夏至の候で始めてしまうと、マナーとしては100点とは言えません。

ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどには、時候の挨拶の前に頭語をつけるのが常識と言えるでしょう。

頭語には様々な種類がありますが、一般的によく使われているのは「謹啓」と「拝啓」です。

これらには「謹んで申し上げます」という相手への敬意を表す意味があるので、必ずつけるようにしましょう。

また、頭語をつけたら文章の終わりは結語で締めて下さい。

頭語と結語は対になっており、「謹啓」の結語は「謹言」もしくは「謹白」、「拝啓」の結語は「敬具」または「敬白」となりますよ。

なお、女性のみですが、どの頭語でも結語に「かしこ」を使うことができます。

ただし、「かしこ」はややカジュアルな印象を与えるため、ビジネス関係者や目上の人に送る手紙やはがきなどには使わないようにしましょう。

夏至の候以外の6月の時候の挨拶はある?


夏至の候は6月下旬にしか使えない時候の挨拶のため、6月上旬や中旬に使える時候の挨拶が知りたいという方は多いでしょう。

そこでここでは、夏至の候以外に6月に使える時候の挨拶をご紹介します。

芒種の候

6月4日頃から6月20日頃まで使える時候の挨拶です。

芒種とは二十四節気の一つで、芒種の候には「稲や麦などの穀物の種を撒く時期になりましたね」という意味がありますよ。

深緑の候

6月全般に使える時候の挨拶です。

深緑には葉の緑が濃くなっていく時期という意味があります。

深緑の候に似た時候の挨拶に新緑の候がありますが、こちらは若葉の薄い緑を指す言葉で、使える時期は5月となっています。

読み方が同じで間違えやすいため、使う時には注意して下さい。

青葉若葉の候

6月全般に使える時候の挨拶です。

青葉若葉の候には「新しく生えた葉が成長をして木々を覆い、一層緑が濃くなっていく時期ですね」という意味がありますよ。

なお、青葉若葉を分けた若葉の候、青葉の候という時候の挨拶もありますが、若葉の候は5月中、青葉の候は6月上旬くらいまでしか使うことができないので使う時には注意して下さい。

桜桃の候

6月5日頃から7月5日頃に使える時候の挨拶です。

桜桃とはさくらんぼのことで、桜桃の候には「さくらんぼのおいしい季節になりましたね」という意味がありますよ。

霖雨の候

6月中旬から下旬に使える時候の挨拶です。

霖雨とは長く降る雨という意味ですが、春や秋には使うことはできず、梅雨を指す言葉になりますよ。

黄梅の候

七十二候の梅子黄の期間に該当する6月16日頃~21日頃に使える時候の挨拶です。

黄梅の候には「青々とした梅の実が黄色に色づく時期になりましたね」という意味がありますよ。

Wordであいさつ文や定型文を挿入する方法

仕事上で取引先の相手にあいさつ文を送る、目上の人に手紙やはがきを出す時などに、「書き出しに悩んでしまい、なかなか作業が進まない」なんてことはよくあるのではないでしょうか。

そのような時はWordを利用してみましょう。

Wordにはあいさつ文のテンプレートがあるので、参考にすると作業が捗りやすくなりますよ。

ここではwordを使ったあいさつ文や定型文の挿入方法をご紹介します。

手順

①Wordを開きます

②挿入タブをクリックします

③テキストのところにある「あいさつ文」をクリックします

④あいさつ文の挿入を選びます

⑤何月のあいさつ文を作成するのか、最初に月を選びましょう

⑥月のあいさつ、安否のあいさつ、感謝のあいさつをそれぞれ選びます

⑦選んだら「OK」をクリックしてください

⑧Wordに選んだ文章が表示されます

ポイント

Wordではあいさつ文だけではなく、あいさつ文の後に続ける「起こし言葉」や「結び言葉」も選ぶことができますよ。

挿入タブ→テキストのあいさつ文をクリックした後、起こし言葉もしくは結び言葉を選んでください。

夏至の候のまとめ

「夏至の候」は、6月21日ごろから7月6日ごろまで使える時候の挨拶です。

夏至は一年で一番日が長い日を指します。この時期に手紙やはがきを送るときに「夏至の候」を使うと、とても丁寧な印象を与えられますよ。

「夏至の候」は、ビジネス相手や目上の方に使うときにぴったりです。

また、結びの言葉としても季節感を大切にして、体調を気遣う文を添えると良いでしょう。

親しい人にはもっとカジュアルな表現がおすすめです。

この記事のポイントをまとめますと

  • 「夏至の候」は6月21日ごろから7月6日ごろまで使える時候の挨拶
  • 読み方は「げしのこう」
  • 夏至は一年で最も日が長い日を指す
  • 「夏至の候」は二十四節気にちなんだ表現
  • ビジネス文書や目上の人への手紙に適した挨拶
  • 「夏至の候」を使う際は頭語と結語もセットで使う
  • 頭語には「謹啓」や「拝啓」が一般的
  • 結語には「謹言」「敬具」などがある
  • 体調を気遣う結び文を添えると良い
  • 親しい人にはもっとカジュアルな表現がよい
  • 「夏至の候」以外に6月の挨拶も多数ある
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