地蔵盆とは?お供えは何がいい?金額相場は?飾り付けについて教えて!
近畿地方の方々にとっては当たり前となっている地蔵盆ですが、近畿地方から離れると途端に珍しいものやあまり知られていないものとなってしまうのがこの地蔵盆です。
今回はこの地蔵盆とはいったいなんなのか、意味や由来はどうなっているのか、地域ごとの地蔵盆の風習はあるのか、飾りつけはどうなっているのかを記載してまいります。
地蔵盆そのものを初めて聞いたという方にもわかりやすく解説しましょう。
地蔵盆とは?
地蔵盆は関西地域を主体に行われる子供の無病息災を願った地蔵菩薩のお祭りです。
お寺や神社で行われる祭りとは異なり、主役は道路わきや街角にあるお地蔵さまとなります。
また、お地蔵さまは賽の河原で獄卒に責められる子供を助けるといわれており、子供の神様という認識が強いといわれております。
この考え方によって地蔵盆は子供の祭りとして扱われているようです。
地蔵盆の由来は?
地蔵盆の由来は諸説ありますが、有名なのは平安時代の歌人であり公家である小野篁によるものでしょう。
この小野篁は朝廷に使えながら地獄への行き来が可能となっている京都府東山区の六道珍皇寺の井戸を使って地蔵菩薩の化身である閻魔大王にも使えていました。
地獄に住んでいる人たちの苦しみを肩代わりしている閻魔大王を救うために供養を始めたのが由来といわれているのです。
他にも、先ほど記載した賽の河原で子供を救うという逸話から子供の幸せを救う存在として地蔵盆が行われるようになったという説もあります。
また、京都は道端や街角に祀られているお地蔵様がかなり多いのですが、それは火災が多かった京都において火除け地蔵は効果があると信じられていたことと、悪いものが入ってこない魔除けや厄除けの効果があると信じられていたようです。
このように京都に強く根付いていたお地蔵さまを祀るようになったというのは自然な経緯だと考えられており、「神仏分離令」による廃仏毀釈によってお地蔵様が埋められてしまっても廃仏毀釈の運動が終わると掘り起こしてお地蔵様を供養したといわれております。
この供養が地蔵盆という説もあるのです。
ここまでお地蔵さんを信仰していた地域だからこそ、大規模な供養が一般的となったのでしょう。
地蔵盆が行われるのはいつ?
地蔵盆はお地蔵様の縁日である8月23日、24日(地蔵会)に開催します。
基本的にはお盆の時期に近い8月23日、24日前後に開催するのですが、お盆を1ヶ月ほどずらして7月開催している地域もあるので7月23日、24日前後にするところもあるようです。
また、地蔵盆は子供を中心としたお祭りなので参加者を増やすためにも土日開催にずらすことも増えているといわれております。
子どもが多かった昔は3日間ほど開催することが多かったようですが、今では参加する子供が急激に少なくなっているので、開催期間が3日間ではなく2日間になっているところも多いという情報があります。
地域ごとの地蔵盆の風習
関西地域で行われている地蔵盆ですが、住んでいる地域ごとでさらに細かく風習がわかれるようです。
まず、大阪では地蔵盆で地車が用意されるといわれておりますし、神戸ではお地蔵さん巡りをしながら町内を巡ってお菓子をいただくという情報もあります。
他にも提灯に各家庭の子どもの名前が入れて地区会館前につるして子供のいる家庭にお菓子を配るといった風習もあり、かなり細かい違いがあるようです。
ただし、基本的にこの地蔵盆の主役は子供たちとお地蔵様なので、子供たちが主役になれるようなやり方はしっかりと考えられているといえるでしょう。
後はお地蔵様を供養するために洗い清めて新しい前垂れを着せて飾りつけをするとか、お地蔵さまにお菓子をお供えするという風習もあるようです。
地蔵盆のお供えは何がいい?
お地蔵様のお供えは基本まちまちですが、地蔵盆の場合はお菓子が主体となります。
あくまでも主役は子供たちとお地蔵様なのでお菓子がお供え物となるのでしょう。
また、お地蔵様に供えられたお菓子は最終的に子供たちにお下がりとして分け与えられるようで、比較的分けやすいお菓子やジュースを用意するのが基本のようです。
大きな袋菓子よりも個別に一つずつ取ることができるタイプが好まれるのでしょう。
この地蔵盆の風習が残っている地域では、この考え方もお店側がきちんと理解しているようで、「小袋に入ったお菓子の詰め合わせ」なども売られているようです。
お供え物を選ぶのが大変という人はこの詰め合わせを用意しましょう。
また、地域によってはお地蔵様にお金をお供えすることもあるようで、このお金を「ほうがん」と呼ぶようです。
ただし、このお金の集め方も地域によって異なっているとのことで、子供たちが各家庭を回って回収するというやり方もあれば、町内会側で事前回収してお供えするというケースもあるようです。
地蔵盆のお供えの金額相場は?
先ほど記載したお菓子の相場がだいたい1,000円から2,000円となりますが、お金をお供えする場合は2,000円から3,000円となるようです。
あくまでも子供たちが主体なのでものすごい値段にはならないのでしょう。
お金のお供えの仕方について
こちらも地域によって異なりますが、基本的には紅白の祝儀用か黄白の仏事用ののし袋を使ってお供えするようです。
紅白の祝儀用か黄白の仏事用なのかは地域によって異なりますので、参加される方は事前確認は必須でしょう。
こののし袋が紅白の祝儀用ならば「お供え」や「御供」と記載して、子供がいる家庭の方は下に子供の名前を記載して、子供がいない家庭では世帯主の名前を書いてください。
黄白の仏事用ののし袋を使う場合は「志」と記載して、子供がいる方や子供の名前をしたに記載して、いない方は世帯主を下に記載してください。
一般的なお供えは黄白の仏事用ののし袋を使うのですが、お祭りという要素が強い地蔵盆の場合は紅白ののし袋を使うという考え方になるようです。
地蔵盆の飾り付けや行事について
まず、地蔵盆は紅白の提灯を飾るという風習があります。
紅白の提灯には地蔵様と子供の縁を結ぶ効果があるといわれており、二つの提灯を用意して一つは地蔵様のお名前を記載しもう片方の提灯に子供の名前を書いて飾るようです。
また、地蔵尊のお名前と共に紅い提灯には女の子の名前を記載して、白い提灯には男の子の名前を書くという地域もあるようです。
お地蔵様そのものも綺麗にする必要があり、新しい前垂れを着せて化粧をするところもあります。
地蔵盆の行事ですが、有名なのが「数珠回し」と呼ばれるもので、直径2~3mもあるような巨大な数珠を子供(地域によっては大人も混じる)が輪を作って僧侶の読経に合わせて回すという独特なものとなっております。
基本的に地蔵盆の日程は「仏僧による読経⇒子供におやつの配布⇒盆踊りや花火などのイベント」となっており日をまたいで行われていたのですが、子供が少なくなったことでこれらの地蔵盆が1日で終わるところも出ているようです。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は地蔵盆について記載してまいりました。
地蔵盆は関西では有名ですが、関東ではなかなか根付くことがなく関東に炒る人からすると知らないイベントと思ってしまうでしょう。
関東で広まらなかった理由は諸説ありますが、個人的にはお稲荷様信仰が強すぎたためにお地蔵様信仰がそこまではやらなかったという説を推します。
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