如月はいつ?由来や意味と面白い説!【習慣や主な行事は?】

如月の別名や異名や異称も!

カレンダーの別の場所を見ていると、睦月、如月などの聞き慣れない言葉が書かれていることがあります。

これらは和風月名と言って、月を表す日本古来の別名です。

今回は、如月の意味や由来にまつわる説や、如月以外の異名や異称、習慣や行事などをご紹介したいと思います。

目次

如月はいつ?読み方は?


如月2月を表す和風月名です。

ただし、和風月名が一般的に使われていたのは旧暦。

旧暦と新暦では1~2ヵ月ほど季節が違うため、新暦の現在では3月に該当することになりますが、新暦を使用している現在でも、如月が2月を表す言葉としてカレンダーなどには掲載されています。

ちなみに、旧暦とは現在使用している暦以前に使用されていた暦のことを言い、今回の場合では太陰太陽暦がそれに該当します。(※厳密に言うと新暦が施行される以前には、太陰太陽暦の天保暦が使用されていたので、旧暦と言うと天保暦が該当します)

太陰太陽暦とは、月の満ち欠けと太陽の軌道にて暦を算出する方法です。

この方法では新月を1日としていたため、1ヶ月が29.5日となり、3年で1月分のズレが生じることから、閏う(うるう)月を設け、一年が12ヶ月ではなく13ヶ月になる年もありましたが、新暦の太陽暦では太陽の軌道で暦を算出するため、太陰太陽暦に比べて大幅な補正の必要がなくなりました。(※新暦でも太陽の公転周期=365.2422日と、一年=365日ではズレが生じるため、数年に一度余分な一日=閏日を入れて補正を行っています)

なお、如月はきさらぎと読みます

如月の意味


如月は、和風月名を知らない人は多くの場合、すんなりときさらぎとは読めないのではないでしょうか。

元々、如月という漢字は、中国最古の辞典「爾雅(じが)」に記載されているもので、その中には「二月を如となす」と記されています。

如という字には従うという意味があり、旧暦の2月は新暦で言うところの3月、つまりは春になり植物や動物などが春の訪れに動き始めると、万物もそれに従い次々と動き出すという意味が含まれていると言われています。

そのため、旧暦が使用されていた中国では二月のことを如月(にょげつ)と呼んでいたとされています。

由来は?


それでは、どうして日本では中国と同じように、如月を「にょげつ」と呼ばずに、独自の「きさらぎ」という言い方に変化したのでしょうか。

如月の由来として最も有力とされているのが、衣更着からなる説です。

春が一段と近づいてくる反面、急に寒さがぶり返すこともある時期。

日に日に気温が高くなってきたから、そろそろコートを仕舞おうかなと思っていたところ、朝からぐっと冷えて、仕舞ったコートを再び取り出して羽織って出ていく。

こんな経験は誰でも一度くらいあるのではないでしょうか。

衣更着という言葉には、そのような意味があると言われています。

なお、寒さが厳しくなる時期だから、重ね着をするから衣更着となったとされる説もあるようですが、旧暦の2月は新暦の3月にあたるため、そこまで寒さが厳しいとは言えないことから、先に述べた由来の方が本来の意味に近いのではないかと思います。

如月に関する面白い説


如月には衣更着以外にも、思わず「なるほどな」と頷いてしまいそうになる由来が多く存在します。

例えば、草木が芽吹き始める時期であることから、草木張月(くさきはりづき)が転じて如月になった説や、だんだんと春の陽気が強くなる時期だから「気更来」が転じて如月になった説、8月になると雁がやって来て、2月には燕がやって来ることから「来更来」が転じた説などがあります。

どれにしても、ポカポカとした春の訪れや、毎日少しずつ芽を伸ばす植物の生き生きとした様子が描かれていますよね。

如月の別名や異名(異称)


2月には如月以外にも、数多くの異名や異称があります。

ここでは、その一部をご紹介したいと思います。

・雁帰月(かりかえりつき)秋から冬に掛けて日本へやってきた雁が、春になると再び北へと戻っていく様子を表しています。

・雪消月(ゆききえつき)降り積もっていた雪が消える時期から、このように呼ばれています。

・梅見月(うめみつき)梅の花が咲き始める時期のため、このように呼ばれています。

・仲春(ちゅうしゅん)旧暦では1月~3月が春。2月は春の真ん中で、仲には真ん中という意味があります。

・木芽月(このめつき)草木の芽が出てくる時期のため、このように呼ばれています。

如月の時期の習慣は?


2月に行われる風習として、全国的に今やすっかり定着したのが節分の恵方巻です。

恵方巻は元々、関西で行われていたもの。

江戸時代に、花街と呼ばれる芸子屋や遊女が集まる地域で、商人が商売繁盛を願って食べ始めたのが始まりと言われています。

その年の恵方(吉方)を見ながら、7種類(七福にちなんでいる)の具が入った巻き寿司を一気に食べることで運をもらえるとされていたようです。

ただし、恵方巻は丸かぶり寿司と呼ばれていて、最初から恵方巻と言われていたわけではありません。

これは、大手コンビニチェーンが1989年にコンビニで売り出す際に、恵方巻と名付けたことが切っ掛けと言われています。

その後、恵方巻は瞬く間に全国区になり、巻き寿司以外にも様々な物が巻物として売られるようになりました。

主な行事は?


2月に行われる日本の伝統行事と言えば、やはり節分ではないでしょうか。

節分には、立春立夏立秋立冬と呼ばれる季節の変わり目の前日に行う厄払いの意味があり、元は年に4回行われていましたが、中でも厳しい冬を乗り越え、年が変わる立春は最も重要な節分とされていたことから、やがて立春の前日にあたる2月の節分のみが行われるようになりました。

では、なぜ節分には鬼を払いながら豆を撒くのでしょうか。

これは、中国では節分には追儺(ついな)と呼ばれる鬼払いの儀式が行われており、その追儺と日本の宮中で節分に行われていた豆打ちが合わさって、豆まきになったと言われています。

なお、節分と言えば2月3日が定着していますが、実はこれは確定ではありません。

節分はあくまでも立春の前日に行う行事となっており、立春はその年によって日にちが変わります。

1985~2024年までは立春は2月4日だったため、その前日の2月3日に節分を行っていますが、2025年以降は2月2日が節分となる(立春が2月3日)年もあります。

まとめ

如月には、様々な意味や由来があり、現在までどの説が正しいかはわかっていません。

しかし、如月をきさらぎと読ませるには少し無理を感じることから、二月を如となし如月(にょげつ)と記した中国の辞書と、日本の和風月名の文化が合わさり、自然や天候などを交えた衣更着や気更来の読み方をあてたというのが、最も有力な気がします。

このように、和風月名にはまだまだ解明されていない部分が多いため、色々と調べてみるのも面白いと思います。

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