精霊流しと灯篭流しの違い!
毎年、お盆の時期になると人々が川岸に集まり、灯篭を流す光景が日本のあちこちで見られますよね。
一般的には「灯篭流し」と呼ばれる行事ですが、一方で「精霊流し」と呼ぶ方もいらっしゃいます。
では、この違いは一体何なのでしょうか。
そこで今回は、精霊流しと灯篭流しの違いについて調べてみました。
精霊流しと灯篭流しは全く同じ物という解釈をされている方や、精霊流しは灯篭流しの一種と考えている方もいらっしゃるようですが実際にはどうなのか・・。
よろしければ少々お時間を頂き、お付き合い下さると幸いです。
精霊流しとは?その意味や由来!
精霊流しは、主に長崎県内各地でお盆に行われる行事です。
佐賀県や熊本県の一部でも行われているようですが、とりわけ長崎市で行われる精霊流しが全国的には有名です。
精霊流しでは、初盆を迎えた故人の家族が精霊船と呼ばれる船を引いて、市内を回った後、川に流します。
精霊船はさながら山車のような豪華さで、大きな船、立派な船を出すことが一種のステータスともなっているそうです。
1974年に、長崎県出身の歌手であるさだまさしさんが、この精霊流しを歌った「精霊流し」という曲を発表したことで(発売はグレープというグループ名)一躍、その名が全国的に有名になりましたが、歌の持つしめやかなイメージとは違い、実際の精霊流しでは歓声や爆竹の音が鳴り響き、さながら祭りのような雰囲気なのが特徴です。
なお、爆竹を鳴らすのは中国の「彩船流し」の影響を色濃く受けているからとされており、元は魔除けの意味があったと言われています。
灯篭流しとは?その意味や由来!
灯篭流しは、死者の魂を弔うために灯篭やお盆のお供え物を川に流す行事です。
日本全国で行われており、「送り火」の一種だと考えられています。
送り火とは、お盆の時期にあの世からこの世に戻ってきた死者の魂を、再びあの世に送り出すための行事です。
特に有名なのは、京都や広島で行われる灯篭流しです。
京都では花火大会と同時に行われ、広島では原爆によって亡くなった方を慰霊するために行われるなど、地域によって少しずつ特色が違います。
また、灯篭流しは昔から行われてきたものですが、近年では川や海の汚染問題に配慮し、禁止する自治体も増えてきています。
また、川の上流で流した灯篭を下流で回収するなど、灯篭流しを行う地域によって工夫がされています。
精霊流しと灯篭流しの違いを教えて!
精霊流しも灯篭流しも、死者を弔い、お盆の時期に送り火として行うという点では共通しています。
違いを上げるとすれば、精霊流しは長崎県を始めとした一部の地域でしか行われていないこと、川に流すのは精霊船と呼ばれる船がメインであるのに対し、灯篭流しは全国各地で行われ(灯篭流しを行わない地域も多数あります)、川には灯篭を流すことが挙げられます。
まとめ
精霊流しも灯篭流しも、意味合いは同じようですが、精霊流しの場合は長崎県(と、周辺の一部の地域)に限定された行事と言えます。
何より長崎市の精霊流しは、夕方から夜遅くまで爆竹が鳴り響き、近くを通る場合は耳栓をしないといけないほどだそうです。
花火の量も凄まじいため、最近は慰霊というよりはお祭りとして見物に行かれる方も多いとのこと。
もし行かれる予定のある方は、そのあたりを心して出掛けられた方がよいかも知れませんね。
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