喪中の人への年賀状はNG?
喪中の時に年賀状を出すのは控えた方がよいと言われています。
しかし、お世話になった方に一年のお礼や新年の挨拶をしたい場合もありますよね。
そのような時は、年賀欠礼状(喪中はがき)を送るとよいでしょう。
年賀欠礼状は知らない方も多く、年賀状を出さない代わりに寒中見舞いを出して年賀状の代わりとしている方もいるようですが、このような使い方は本来の寒中見舞いとは異なります。
そこで今回は年賀欠礼状についてご紹介します。
年賀欠礼状の書き方や送り方はもちろん、年賀欠礼状が届いた場合の対処の方法なども合わせて解説していきます。
喪中の人に年賀状を出しても大丈夫?
まず、「喪中」という言葉から始めましょう。
これは、家族や親族(具体的には故人を中心とした二親等まで)が亡くなった際に、その故人を悼み、お祝い事を控える期間のことを指します。
この期間は「服喪」とも呼ばれ、日本の神道においては、人の死を一種の穢れと捉え、その影響が周囲に及ばないようにするための習慣が根底にあります。
では、この喪中の期間に年賀状はどうするべきなのでしょうか。
一般的には、喪中の人へは年賀状を出すことは控えるべきとされています。
これは、周囲への配慮や故人への敬意を表すためのマナーとしての側面が強いのです。
しかし、これは法律で定められたルールではなく、あくまで慣習に基づくものですので、中には喪中であっても年賀状を出す方もいらっしゃいます。
「私は気にしない」という気持ちで年賀状を出しても、受け取った方が戸惑うこともありますので、基本的には喪中の場合は年賀状を控えるのが無難です。
その代わりに、喪中であることを伝える「年賀欠礼状(喪中はがき)」を出すことが一般的です。
このはがきは、年賀状の代わりというよりは、「喪中につき年始の挨拶ができないことをお詫びする」という目的で用いられます。
また、喪中の定義についても少し触れておきましょう。
例えば、亡くなった人が祖父であれば、孫は二親等にあたり、喪中となります。
ただし、最近では同居している場合に限り喪に服し、別居している場合は四十九日が明けるまでお祝い事を控え、その後は通常通り年賀状を出すことも多くなっています。
このように、時代と共に変化する部分もありますが、基本的には日本の伝統的なマナーとして、喪中の期間は年賀状を控えるという考え方を理解し、尊重することが大切です。
大切な人を失った悲しみを共有し、故人への敬意を表すためにも、この習慣を心に留めておくことが、周囲への思いやりにつながるのではないでしょうか。
喪中と知らずに年賀状を出してしまったら?
年末年始は、日本の伝統的な挨拶交換の時期ですが、時には予期せぬハプニングが起こることもあります。
特に、知人の喪中を知らずに年賀状を送ってしまった場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。
ここでは、そんな時の心遣いとマナーについて、ご紹介します。
1. お詫びの連絡をする
年末に相手の不幸を知らずに年賀状を送ってしまった場合、まずは心からのお詫びを。
電話や手紙で、素直な気持ちを伝えましょう。
年内にお詫びをして、新年には改めて寒中見舞いを送るのが良いでしょう。
この時、故人への哀悼の意を表す言葉を添えるのが心遣いです。
2. 寒中見舞いを送る
年末に相手の家族に不幸があったことを新年になってから知った場合は、寒中見舞いを送りましょう。
寒中見舞いは、新年の挨拶として、松の内が過ぎた1月7日以降、節分の2月3日までに送るのが一般的です。
寒中見舞いの文例
寒中お見舞い申し上げます。
この度は○○様の喪中とは存じ上げず、年始状を差し上げてしまい、大変失礼いたしました。
遅ればせながら、謹んで○○様のご冥福をお祈り申し上げます。
まだまだ寒い日が続きますので、どうぞお体を大切になさってください。
令和〇年一月
3. 喪中見舞いを送る
年内に相手が喪中であることを知った場合は、喪中見舞いを送るのが適切です。
寒中見舞いよりも早く、年内に届けることが望ましいです。
喪中見舞いの文例
喪中お見舞い申し上げます。
この度はご丁寧なご挨拶状をいただき、ありがとうございました。
御喪中をわきまえず年頭の挨拶状を差し上げてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。
遅ればせながら、謹んで○○様のご冥福をお祈り申し上げます。
厳寒の折、風邪など召されませんようご自愛くださいませ。
新年が穏やかに迎えられますよう、心からお祈り申し上げます。
令和〇年十二月(もしくは十一月)
4. 郵便局への取戻し請求
万が一、年賀状を送った後に相手が喪中であることを知った場合、郵便局に依頼して配達前の年賀状を取り戻すこともできます。
ただし、年末は郵便物が多く、取り戻しに時間がかかることや、場合によっては見つからないこともあるので、早めの対応が重要です。
このように、喪中と知らずに年賀状を送ってしまった場合でも、適切な対応と心遣いで、相手に敬意を表することができます。
大切なのは、相手の気持ちを思いやること。心からの言葉で、お詫びと哀悼の意を伝えましょう。
喪中・年賀欠礼状の書き方
喪中はがきは、大切な人を失った悲しみの中でも、周囲への心遣いを示す大切な手段です。
そんな大切なはがきの書き方を、一緒に見ていきましょうね。
1. はじめに:新年の挨拶を控えるお知らせ
まずは、はがきの冒頭に、喪中であるため新年の挨拶を控える旨を伝えます。
ここでは、心を込めて、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
例文
- 「この度は、喪中につき新年のご挨拶を差し控えさせていただきます」
- 「深い悲しみの中、新年のご挨拶はご遠慮させていただきます」
2. 故人について:名前と訃報の詳細
次に、故人の名前と、その方が亡くなられた日付、年齢を記載します。
ここは、故人への最後の敬意を表す部分ですので、丁寧に記入しましょう。
3. 感謝の言葉:故人へのお礼
故人が生前、お世話になった方々への感謝の気持ちを表します。
ここでは、故人との関係性を思い出しながら、心からの感謝を込めて書きましょう。
例文
- 「故人が生前、皆様には大変お世話になりました。心より感謝申し上げます」
4. 投函日:はがきの日付
はがきの投函日を記載します。
これは、受け取った方がいつの情報かを知るために重要です。
5. 差出人情報:住所と名前
最後に、差出人の住所と名前を記入します。
これにより、受け取った方が誰からのメッセージかを明確に知ることができます。
注意点
- 「年賀」ではなく、「年始」や「年頭」という言葉を使いましょう。
- 拝啓や敬具などの形式的な言葉は不要です。
- 新年の挨拶を控えることへのお詫び、故人の情報が主です。近況報告などは控えましょう。
喪中はがきは、故人への思いや周囲への配慮が伝わる大切な手紙です。
このガイドを参考に、心を込めて書いてみてくださいね。
喪中・年賀欠礼状の送り方
1. 年賀欠礼状のタイミング
年賀状の準備が始まる11月中旬から12月初旬、この時期は、年賀欠礼状を送るのに最適な時期です。
この時期に送ることで、相手が年賀状を準備する前に、あなたの状況を伝えることができます。
心配りが伝わりますよ。
- 最適期間:11月中旬~12月初旬
- 最終期限:年賀状の受付開始日(12月15日頃)まで
2. 遅れてしまった場合の対処法
万が一、12月15日を過ぎてしまったらどうしましょう?
心配はいりません。年賀欠礼状を送ること自体が、相手への思いやりです。
もし相手から年賀状が届いても、喪中はがきを出すのが遅れたことを丁寧にお詫びしましょう。
3. 喪中はがきの選び方
喪中はがきを選ぶ際、通常の郵便はがきで大丈夫です。
ただし、切手部分には、胡蝶蘭のデザインがあるものを選ぶと、より心遣いが伝わります。
弔事用の切手も使えますが、寒中見舞いでは使わないようにしましょう。
- 通常の郵便はがき:OK
- 切手デザイン:胡蝶蘭のデザイン推奨
- 弔事用切手:喪中はがきにはOK、寒中見舞いにはNG
4. 寒中見舞いについて
寒中見舞いを送る際は、胡蝶蘭のデザインはOKですが、弔事用の切手は避けましょう。
寒中見舞いは、新年の挨拶とは異なり、冬の健康を気遣うメッセージが含まれています。
ここでも、細やかな心配りが大切です。
年末年始は、忙しい時期ですが、このような小さな心遣いが、人と人とのつながりをより深めてくれます。
喪中・年賀欠礼状を通じて、温かい気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
喪中はがきが届いたら喪中見舞い
年賀状を準備しているときに、ある特別なはがきが届くことがあります。
それが「喪中はがき」です。
このはがきは、相手が大切な人を亡くし、喪に服していることを知らせるために送られてきます。
このはがきを受け取ったら、私たちはどのように対応すれば良いのでしょうか。
まず、喪中はがきを受け取ったら、その年の年賀状の送付は控えるのが一般的なマナーです。
新年のお祝いの気持ちを伝える年賀状は、喪に服している方にとっては辛いものになり得るからです。
しかし、年賀状を送らないだけで十分でしょうか。
実は、もう少し心遣いを見せる方法があります。
それが「喪中見舞い」のはがきを送ることです。
喪中見舞いは、相手の悲しみに寄り添い、お悔やみの気持ちを伝えるためのはがきです。
このはがきを送ることで、相手に対する思いやりや支えになることが期待できます。
では、喪中見舞いはいつ送れば良いのでしょうか。
一般的には、年始の挨拶が終わる「松の内」(1月7日)を過ぎた後が適切とされています。
この時期なら、年始の挨拶を避けつつ、新年が始まってしばらく経った頃に、心からのお悔やみを伝えることができます。
喪中見舞いを送る際のポイントは、以下のようになります。
- 心を込めた言葉遣い:故人への思いや、遺族への慰めの言葉を丁寧に綴りましょう。
- シンプルなデザイン:派手な装飾は避け、落ち着いたデザインのはがきを選びます。
- タイミング:松の内を過ぎてから、遅くとも2月中旬までには送るようにしましょう。
特に親しい方が喪中である場合、このような心遣いは非常に大切です。
喪中見舞いは、ただのマナーではなく、相手への深い思いやりと敬意を示す行為なのです。
大切な人への心からのメッセージを、喪中見舞いを通じて伝えてみてはいかがでしょうか。
喪中に年賀状をいただいたら?
喪中に年賀状をいただいた時、どのように対応すれば良いのか、迷われる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、そんな時の心温まる対応方法をご紹介します。
喪中はがきを送っていない相手からの年賀状
まず、喪中はがきを送っていない相手から年賀状が届いた場合、どうすれば良いのでしょうか。
ここで大切なのは、相手の気持ちに感謝を示し、同時に自分の状況を伝えることです。
寒中見舞いを送る
この場合、寒中見舞いや挨拶状を送るのが一般的です。
寒中見舞いは、元々は松の内(1月7日)を過ぎた後に出す時候の挨拶ですが、最近では喪中の際の挨拶状としても用いられることが増えています。
寒中見舞いの内容
- お礼とお詫び:年賀状をいただいたお礼と、喪中のため年賀状を送れなかったことのお詫びを記載します。
- 故人の明記:故人について簡潔に触れることも大切ですが、年始にふさわしくない言葉(例えば「喜んで」や「謹賀新年」など)は避けましょう。
- 日付の注意:日付は元旦ではなく、1月7日以降、投函する日の日付を記入します。
故人への年賀状が届いた場合
故人宛に年賀状が届いた場合も、基本的には上記と同様に対応します。
ただし、ここでは一つ、心を込めた対応が必要です。
丁寧な一文を添える
- お詫びの言葉:亡くなったことの連絡が届かなかったことを詫びる一文を添えると、より丁寧な対応となります。
喪中に年賀状をいただいた場合の対応は、少し気を使うものですが、相手への感謝の気持ちと、自分の状況を丁寧に伝えることが大切です。
この時期、心温まる言葉を交わすことで、新しい年の始まりに、互いの絆を深めることができるでしょう。
皆さんも、もし同じ状況に遭遇したら、この記事を参考にしてみてくださいね。
喪中の人に年賀状を出しても大丈夫?のまとめ
喪中の時は年賀状を出すのは控えた方がよいでしょう。
そのため、毎年、年賀状のやり取りをしている方がいる場合は、年賀状が出せない旨を伝えるために年賀欠礼状(喪中はがき)を出すのがよいでしょう。
喪中はがきは、11月中旬から12月初旬には相手に届くようにします。
内容は年始の挨拶ができないことや、故人について知らせるものになり、近況報告やその他の用件を記入することは慎むようにします。
なお、喪中はがきを送っていなかった方から年賀状が届いた場合は、寒中見舞いにて身内が亡くなったことなどを伝えるようにします。
寒中見舞いは松の内(1月7日)が明けてから立春までに出す時候の挨拶ですが、最近は喪中はがきの代わりとして出す方も増えています。
このような使い方は間違っているわけではないのですが、連絡できる方にはあらかじめ喪中はがきを送っておくのが、丁寧な対応と言えるでしょう。
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