先負は『六曜』という中国発祥の暦注(運勢占いのようなもの)の中の、吉凶を表す名称です。
「結婚式は大安に」「葬式は友引を避けた方がよい」などの風習を見聞きしたことがある方は多いと思いますが、これらも六曜に基づいたものとなっています。
六曜には「大安」「友引」「先勝」「先負」「赤口」「仏滅」の6つがあり、大安が最もよい運気の日となります。
先負は上から4番目という微妙な位置であるだけではなく、〝負(ける)〟という字が入っていることから、縁起が悪い日というイメージを持っている方が多く、入籍や結婚式などのお祝い事は避けた方がよいと考えている方が少なくありません。
しかし本当に、先負に入籍や結婚式を行うのはNGなのでしょうか。
そこで今回は、先負にやってはいけないことを調べてみました。
先負にやってはいけないことは?

入籍・結婚
入籍や結婚式は人生の新しい門出となるため、大安にこだわる人も少なくありません。
しかしその一方で、最近は六曜を知らないという方も増えており、大安以外のお日柄も考慮されるようになってきました。
とは言え、そのような考え方はまだまだ若い世代のみというのが現状です。
年配者の多くはやはり「入籍や結婚式は大安にするもの」と考えている場合が多く、先負に入籍や結婚式を考えているカップルは身内、親戚などから反対される可能性があります。
ただし、先負は、午前中は凶であるものの、午後からは吉となる運勢の日であるため、実は午後からであれば縁起の良い日となります。
大安の日の入籍は役所が混み合って待ち時間が長くなることが多いですし、結婚式の予約も取りにくいのが現状ですが、先負の日であれば役所での手続きも比較的スムーズですし、式場によっては割引サービスを実施しているところもあります。
身内や親戚の方に納得してもらうことができれば、先負の午後の入籍、結婚式はメリットも多いと言えます。
※先負の日の入籍や結婚式について「先負に入籍をしても大丈夫?縁起は悪くない?」や「先負に結婚式をしても大丈夫なの?縁起は悪くないの?」で詳しく解説しています。
納車
納車はお祝い事ではありませんが、お日柄のよい日に納車をしてもらいたいと思う方は多いのではないでしょうか。
また、セールスマンの側でも大安の日に納車ができるように手配する場合が多いようですが、予約が埋まりやすく、車はあるのに日程を後にずらすこともあるようです。
大安にこだわらず、一日でも早く車を手元に迎えたいというのであれば、先負の午後であれば運気がよいので納車をしても問題ありません。

引越し
引越しもお祝い事ではないものの、新しい生活のスタートを縁起のよい日から始めたいと思う方は多いでしょう。
必然的に縁起がよい日として知られている大安、友引は早くから予約が埋まりやすく、費用も割高の設定となっていることが多いです。
一方で先負は、業者によって大安よりも安い料金設定をしているところがあったり、予約も比較的とりやすくなっています。
先負は午後からは吉となる日のため、縁起が気になる方でも午後からであれば特に問題はありません。
ただし、荷物が多い、引っ越し先が遠方である場合などには、午前中から引っ越しを行わないとその日のうちに作業が終わらない可能性も出てきます。
そのため、引っ越しの日程は、縁起の良し悪しだけではなく、荷物の量や引っ越し先までの距離などを考慮して考える必要があります。

宝くじ
宝くじ売り場に行くと『本日、大安吉日』などの幟(のぼり)を見かけることがありますよね。
宝くじの当選は運のため、できれば運気のよい日に購入したいと思うものです。
しかし、とある調査によると一等当選者が最も多かったのは、六曜の中で最も縁起が悪い日である仏滅だということがわかりました。
また、大安と友引、先勝、先負を比べてみても、当選率にそこまで大きな違いがないことから、大安に購入すれば当選しやすくなるというわけではなさそうです。
また、縁起にこだわって購入をしたいという場合でも、先負の午後であれば運気がよいので問題はありません。

大きな買い物
家や車など金額の大きな買い物も、大安を選ぶと縁起がよいと言われていますが、先負の午後であれば問題はありません。
ただし、不動産に関しては、業界側に「契約は大安に行うもの」というしきたりが今も残っていることが多く、大安の日に契約を勧められることも少なくないようです。
縁起は特に気にならないのであれば大安の日以外に購入してもよいですが、不動産は人生を左右する大きな買い物になるので、この機会にじっくりと考えてみるのもよいかも知れません。
先負は時間帯に注意しよう!
先負は『先んずればすなわち負け』という意味から、予定にないことを急に始めたり、急いで物事を行うのはよくない日とされています。
また、その意味合いから、午前中は凶、午後からは吉に転じる日でもあります。
先負には「負(ける)」という字が入っているので、なんとなくマイナスのイメージを持つ方が多く、縁起の悪い日と思っているかも知れませんが、午後であれば大安と同じように運気がよい日になります。
「お祝い事の予定を入れたいけれど、先負だから縁起が悪いそうだし、どうしよう・・」と悩んでいる場合でも、午後からであれば縁起のことを気にすることなく、予定を入れることができます。
先負にやっても大丈夫なことは?

法事
お葬式やお通夜、法要などの弔事に関しては、先負に限らず六曜を気にすることなく予定を立てて問題はありません。
その理由は3つあります。
1つは弔事に縁起の良し悪しは関係がないこと、そして2つ目は六曜と仏教にも関係がないからです。
お祝い事では縁起の良い日を選ぶのが一般的ですが、弔事では縁起の良い日を選ぶ必要がありません。
また、六曜には仏教と関係のありそうな仏滅という日がありますが、六曜は中国発祥の暦注の一種で、賭け事などの吉凶を占うものとして始まったことから、仏教とは何の関係もありません。
そして3つめの理由は、不幸は予期せぬ時にいきなり訪れることもあるので、前もって予定を決めることができないことから、先負に限らず六曜に従う必要はないと考えられています。
このようなことから、弔事、法事については六曜を気にする必要はなく、先負に行っても問題はありません。
ただし、友引の葬式については「冥土に友を引いていく」ことから避けられており、葬儀社や火葬場も友引を定休日としているところが多くなっています。
葬儀が友引と重なる場合は注意が必要です。

お見舞い
お見舞いも縁起の良し悪しは関係ないので、先負に行っても問題がないとされています。
縁起が気になる場合でも、午後からであれば問題がありませんし、病院は午前中に検査などが行われることが多いので、慌ただしい午前中よりも午後の方が落ち着いて会うことができます。
ただし、お見舞いされる側が「縁起のよい大安に来て欲しい」と言う場合は、その気持ちに沿って大安にお見舞いを行うべきでしょう。

お参り
仏教と同様に、お宮参りや七五三などのお参りを行う神社(神道)においても、六曜とは関係がないので、先負にお参りをしても問題はありません。
しかし、祖父母の世代には「お参りは大安を選ぶのがよい」と考えている方も多いので、身内や親戚とお参りを行う時は事前に確認をしておくのがよいでしょう。
また、先負は午後であれば縁起がよいので、午後にお参りをする分には縁起が悪いわけではありませんが、神社へのお参りは午前中に行うのがよいという風習があります。
合格祈願、安産祈願などで訪れる場合に縁起が気になる方は、先負は避けた方がよいかも知れません。




まとめ
先負にやってはいけないことは特にありません。
先負は縁起が悪いイメージがありますが、午後が吉となる日です。
また、結婚式や引越しは大安に比べて先負の方が料金が割安になる、予約が取りやすいなどのメリットもあります。
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