六曜の中で最も縁起の良い日として知られている大安。
入籍や結婚式などのお祝い事の日取りに選ばれることが多いのですが、一方で葬式や通夜などの法事は大安を選ぶのはマナー違反と言われています。
おめでたい日という印象のある大安なので、亡くなった人を偲ぶ日となると確かに不謹慎な気もしますが、それでは本当に大安に法事を行ってはいけないのでしょうか。
そこで今回は、法事と六曜との関係や日取りの決め方などを調べてみました。
大安に法事をしても大丈夫?
大安は吉日のため、法事を行うのは故人に対して失礼になると考える方もいますが、結論から言うと大安に法事を行っても問題はありません。
その主な理由は次の2つあります。
基本的に法事の日程は命日によって決める
入籍や結婚式などのお祝い事とは違い、身内や親しい人との永遠の別れはある日突然やって来ます。
そのため、「仏滅に葬儀を行いたい」「大安がよい」などのように、葬儀の日取りについて、縁起の良し悪しを気にする方はほとんどいません。
仮に「この日に葬儀を行いたい」と思っても、必ず予約が取れるわけではないので、「火葬場が空いている日」や「葬儀場の予約が取れる日」などが優先されます。
また、法事と一口に言っても葬式や一周忌、お盆など様々にありますが、法事の日程は基本的には亡くなった人の命日によって決まります。
一周忌や三回忌などの法要は命日(祥月命日)に行われますが、平日に当たる時などは命日よりも前の土日に変更されることがあるものの、その際に六曜の縁起の良し悪しを気にして日程を変更する方はあまりいません。
六曜と法事(仏教)は関係がない
詳しい内容は下に掲載していますが、大安を始めとした六曜と法事(仏教)には何の関係もありません。
そのため、法事の日程を六曜の吉凶に合わせて組む必要はないと言われています。
法事の日取りの決め方は?
先ほども触れた通り、法事の日程は基本的には命日によって決まります。
葬式はいつまで行わなくてはいけない、と言った決まりはありませんが、通常は亡くなった翌日に通夜、翌々日に告別式や火葬を行います。
特に夏場は亡骸の腐敗が懸念されるため、急いで葬儀場や火葬場を予約することが多いです。
このようなことから、葬式に関しては日程を決めるのに六曜を気にしていられないというのが現状と言えるでしょう。
次に四十九日法要や一周忌法要などですが、これらも基本的には命日からの日数に沿って行われます。
四十九日であれば49日目、一周忌は祥月命日ということになります。
ただしこの場合、平日に当たると遠方の親戚などが法要に参列できないなどの理由で、その前の土日に変更されることはあります。
法要は祥月命日よりも後に行うのはマナー違反となるので、必ず前倒して行われます。
該当する土日が例え大安であっても、縁起が良いという理由で避けることはほとんどないでしょう。
法事と六曜は関係あるの?
六曜には、仏滅と言う、一見すると仏教と関係のあるような吉凶日があるので、法事とも何らかの関わりがあるのでは?と思ってしまいますが、実は何の関係もありません。
六曜は中国から伝わった暦注(暦に掲載される吉凶占い)の一つで、その起源については諸説ありますが、賭け事の時間の吉凶を占うために用いられていたとも言われています。
大安はその六曜の中で、「大いに安し=物事が安泰に進む」という意味により、最も縁起の良い吉日とされています。
そのため、日本では昔から入籍や結婚式などのお祝い事は、大安を日取りに選ぶことが一般的とされてきました。
この風習は今も変わらずありますが、一方で、六曜の起源と仏教や神道には関わりがないのですから、入籍や結婚式などのお祝い事であっても六曜に沿って日取りを決める必要はないと言われています。
法事にオススメの縁起のいい日は?
法事は、入籍や結婚式などのお祝い事のように、吉日を日取りとして選ぶ必要はありません。
また、これとは反対に、吉日を避けるという意味で凶日である赤口や仏滅を選ぶ必要もありません。
法事の日取りは基本的には祥月命日によって決め、該当する日が平日などで参列者が集まりにくいなどの理由がある場合は、前倒しの土日に変更されます。
「大安だから」「仏滅だから」と言った六曜の吉凶日を気にして、法事の日取りを決めることはほとんどないと言ってよいでしょう。
ただし、注意もあります。
多くの場合はこれまで説明したような日取りの決め方で問題がありませんが、中には「法事を大安に行うのは不謹慎である」「縁起の悪い仏滅は避けるべき」と言った考えの方もいます。
そのため、法事の日取りについては身内や親戚などに伝え、必ず承諾を得ておくのがよいでしょう。
法事を避けたほうがいい縁起の悪い日は?
法事については縁起の良し悪しは関係ないので、避けた方がよい縁起の悪い日もありません。
しかし、上記のように「縁起の良い吉日である大安に、故人を偲ぶ法事を執り行うのは不謹慎である」と考える方もいます。
そこでここでは、基本的には法事を行っても問題はないものの、気にする方もいるため念のために注意をしておいた方がよい日(大安以外)をご紹介します。
友引
友引は本来は「共引き=勝負がつかない日」という意味になるのですが、友を引くと書くことから友引に葬儀を行うと冥土に友を連れて行くとなり、縁起が悪いとされています。
単なる語呂合わせに過ぎないのですが、実際に友引は火葬場がお休みとなり告別式が行えません。
このようなことから、葬儀だけではなく法事全般を友引に行うのは避けた方がよいと考える方がいます。
仏滅
仏滅は六曜の中で最も縁起が悪い日ですが、法事においては吉凶を気にする必要がないので、仏滅であっても法事を行って問題はありません。
ただし、一部の地域では仏滅の法事は避けられているため、お住まいの地域の風習について確認しておくのがよいでしょう。
お通夜は大安でも大丈夫?
お通夜も大安に行って問題はありませんが、先ほども触れた通り、吉日に法事全般を行うことを避ける方もいらっしゃるので、配慮する必要があるケースもあるでしょう。
なお、大安は結婚式の日取りとして選ばれやすいため、出席予定だった結婚式と葬儀が重なる可能性があります。
その場合は、慶事(結婚式など)よりも弔事(お通夜や告別式)を優先するのが一般的と言われています。
葬式・葬儀は大安でも縁起は悪くない?
大安は六曜の中で最も縁起が良い日ですが、葬式や葬儀と言った弔事、法事を行うに当たっては、縁起が良いと言ってもよいのか悩む日と言えるでしょう。
入籍や結婚式などのお祝い事のように吉日を選んで日程を決めるものではないことから、葬式や葬儀においては「今日は大安だから縁起が良いね」とはなりません。
むしろ、大安に葬式や葬儀を行うのは故人に失礼だと捉える人もいるので、そのような考えの方からすると「大安に葬儀を行うのは縁起が悪い」ということになるので、大安だから縁起が良い、悪いという解釈は葬儀や法事ではあまり当てになりません。
まとめ
大安に法事を行っても問題はありませんが、中には「縁起の良い大安に葬儀や法事を行うのは不謹慎である」と考える方もいます。
そのため、六曜を気にする方が身内や親戚にいる場合は、大安だから大丈夫と決めずに、確認や承諾を得ておくのがよいでしょう。
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