契約に良いとされている日はいつなのでしょうか？
契約における「縁起の良い日」を選ぶことは、多くの方にとって重要な判断の一つです。
日本では特に、六曜を参考に日取りを決める習慣がありますが、実際に契約において六曜はどのような影響を持つのでしょうか？
この記事では、大安や仏滅など、各六曜が契約に与える意味や影響について詳しく解説しています。
六曜の起源や意味合いには一貫性がなく、科学的根拠はありませんが、不動産業界などでは縁起を重視する慣習が残っています。
契約においては、両者の気持ちを尊重し、縁起の良い日を選ぶことが大切です。
この記事を読むことで、契約の日取りを決める際の新たな視点を得ることができるでしょう。
契約に縁起の良い日はいつ？
一般的に、日の縁起の良し悪しは六曜によって決まっています。
入籍や結婚式などのお祝い事の日取りを決める時には縁起の良い日を選ぶ方が多いですが、この時の縁起の良い日とは「六曜における」縁起の良い日となります。
六曜はお祝い事以外にも、契約や納車、引越し、宝くじの購入など、日常の物事の吉凶を占う場合にも用いられることがありますが、契約に縁起の良い六曜とは一体何なのでしょうか。
ここでは、六曜の名称や意味をご紹介します。
先勝
「先勝」という言葉に込められた意味、それは「早く行動することが成功への鍵」という古来からの教えです。
この日は、行動を起こすのに最適な時間帯が午前中に限定されています。
午前中は何事もスムーズに進むとされ、吉とされる時間帯。
それに対して、午後になると状況は一変し、何かを始めるにはあまり良くないとされています。
つまり、午後は凶とされるのです。
特に、新しい契約を結ぶ際や大切な決断をする時には、この「先勝」の日を選ぶことが多いです。
なぜなら、この日に行動を起こすことで、物事が良い方向に進むと信じられているからです。
しかし、午後になるとその縁起は逆転し、不吉な時間帯となるため、注意が必要です。
友引
「友引」とは、文字通りに解釈すると「共に引く」という意味。
これは、勝負事において勝敗がつかないことを示しています。
つまり、どちらかが圧倒的に勝つ、というよりは、お互いに良い関係を保ちながら進む、というニュアンスがあるんですね。
だから、六曜の中では、実はとっても縁起の良い日とされているんですよ。
でも、ちょっと待ってくださいね。
友引には一つだけ注意点があるんです。
それは、時間帯によって吉凶が変わるということ。
特に、午前11時から午後1時の間は、ちょっと凶の時間帯とされています。
この時間帯は、何か新しいことを始めたり、大切な契約を結ぶのは避けた方が良いかもしれません。
では、友引の日にはどのように過ごすのが良いのでしょうか。
午前11時から午後1時を避けて、それ以外の時間帯に、友人や家族との時間を大切にするのがおすすめです。
また、新しいことを始めるのも良いでしょう。ただし、その際は、お互いにとって良い結果を目指すように心がけると良いですね。
先負
「先負」の日は、文字通りに解釈すると「先に行動すれば負け」という意味になります。
ですが、これにはちょっとしたニュアンスがあるんですよ。
午前中は何かとトラブルが起こりやすい、あるいは物事がスムーズに進まないとされていますが、午後になると運気が好転し、物事が上手く行くようになると言われています。
「負け」という字が入っているため、一見すると縁起が悪そうに感じられますが、実はそうではないんです。
六曜の中で、実は「先負」は4番目に縁起の良い日とされているのです。
これは、午後から運気が上昇するという考え方に基づいています。
つまり、午前中は慎重に、午後からは積極的に行動すると良いとされているわけですね。
仏滅
「仏滅」は、特に縁起が悪いとされる日。
終日を通して「凶」とされ、良いことが起こりにくいとされています。
では、実際に仏滅にはどのようなことを避けるべきなのでしょうか。
一般的には、新しいことを始める、大切な契約を結ぶ、結婚式や引っ越しなどの大事なイベントを行うといったことが挙げられます。
なぜなら、これらの行事や決断は、できるだけ良い日に行いたいと考えるのが人情ですよね。
仏滅の日にこれらを行うと、何かと不吉なことが起こると古くから信じられてきたのです。
しかし、現代ではこのような迷信を重んじる人は少なくなってきています。
特に若い世代では、カレンダーの六曜を気にせずに行動することが多いです。
それでも、一部では結婚式や重要なビジネスの契約など、人生の大きな節目には、なお仏滅を避ける傾向が見られます。
大安
大いに安しが語源で、何事も上手くいく日とされます。
六曜の中で最も縁起が良い日であり、一日を通じて吉となるので都合のよいタイミングで契約を行うことができます。
赤口
六曜は元々、時間の吉凶を占っていたのが始まりとされ、その当時は赤口は丑寅の時刻（午前2～4時）を指していました。
この時間帯は丑三つ時と言って、魔物が出現する不吉な時間とされていたことから、赤口も六曜の中では仏滅と並ぶ凶日になります。
ただし、午前11時～午後1時のみ吉に転じるため、赤口に縁起を担いで契約を行いたい場合はこの時間帯を選ぶのがよいですが、赤という字から血や火を連想させ、刃物による怪我や事故、火事に注意をした方がよいとされることから、人によっては仏滅よりも縁起が悪い日と捉えるケースもあるので、契約は避けた方が無難と言えます。
| 六曜 | 読み方 | 意味と特徴 |
|---|---|---|
| 先勝（せんしょう・さきがち） | せんしょう・さきがち | 「先に行動すれば勝つ」。午前中は吉、午後2時から6時は凶。早めの行動が吉とされる日。 |
| 友引（ともびき） | ともびき | 「凶事に友を引く」。朝と夕方は吉、昼間は凶。日中の重要な行動は避けた方が良い。 |
| 先負（せんぷ・さきまけ） | せんぷ・さきまけ | 「先に行動すれば負ける」。午前中は凶、午後は吉。朝の行動には慎重に、午後は活動的に。 |
| 仏滅（ぶつめつ） | ぶつめつ | 「仏も滅する凶日」。婚礼や祝い事を避ける風習がある。最も凶とされる日。 |
| 大安（たいあん・だいあん） | たいあん・だいあん | 「大いに安し」。新しいことを始めるのに最適な日。結婚式などのお祝い事にも良い日とされる。 |
| 赤口（しゃっこう・せきぐち） | しゃっこう・せきぐち | 「万事に用いない悪日」。11時～13時のみ吉、それ以外は凶。この時間帯以外は注意が必要。 |
契約に六曜は関係ある？
六曜は中国が発祥とされ、日本には鎌倉時代末期から室町時代に伝わったと言われています。
庶民に広まったのは江戸時代と言われていますが、現在の形になったのは戦後で、それまでに幾度となく名称や意味が変更されています。
そのため、六曜自体は日本に伝わってから長い歴史があるものの、その意味合いにおいては一貫性がなく、そもそも科学的根拠はありません。
また、六曜の発祥である中国では、今現在、六曜は全く使われていません。
日本でも明治時代に政府が「迷信である」として使用を禁止しましたが、禁止されたことによって返って神秘的な扱いをされるようになり、六曜が掲載された暦は掲載されていない暦よりもはるかに売り上げがよかったそうです。
このようなことから、星座占いや血液型占いなどと同じ類と考えてよい六曜が、日本では今も重要視されていると考えられています。
さらに、不動産業界など一部では、古くから続く慣習を大切に扱うケースもあり、特に金額の大きい取引においては不動産側から大安の契約を持ちかけることもあるようです。
つまり、六曜の発祥や起源に契約は関係がないと言えても、だからと言って無碍にもできない事情もあるということになります。
契約では売り主と買い主がいるので、例え片方が六曜は気にしないと言っても、もう片方が気にする方であればその気持ちを汲んで、縁起の良い日に契約を行うことが大切だと言えるでしょう。
六曜以外で契約に縁起のいい日は？
暦に掲載される吉凶占いは、六曜の他にもあります。
都合などで大安の契約ができそうにない場合は、以下でご紹介する吉日を日取りの参考にしてみてはいかがでしょうか。
一粒万倍日
一粒万倍日は選日という暦注の一つで、一粒の籾（もみ）が万倍に実り稲穂になる、という意味があります。
言葉の通り、この日に始めたことは後に大きな収穫になると言われていることから、入籍や結婚式などのお祝い事の日取りを始めとして、契約にも向いている日になります。
ただし、ローンの契約は借金を増やすという意味になってしまうので避けた方がよいでしょう。
なお、選日と六曜はそれぞれ別の暦注となるので、暦の上で重なることがあります。
大安と一粒万倍日が重なる日もあり、大安の縁起の良さが一粒万倍日によって倍増すると言われています。
天赦日
百神が天に昇り万物の罪を許すという意味で、何をしても成功する日と言われています。
暦の上の最上の吉日となり、契約の日取りとしてもお勧めですが、一年に5～6日しかない貴重な日のため、実際に日取りを合わせるのはなかなか難しいと言えます。
天赦日も一粒万倍日と同様に、六曜の大安などの重なることがあります。
巳の日
巳の日には、金運の女神として崇められる「白蛇」に願いを託し、その願いが弁天様に届けられると言われています。
弁天様は、美と音楽、そして富を司る神様。私たちの願いを聞き届け、幸運をもたらしてくれる存在です。
この巳の日は、12日ごとに訪れますが、中でも特に縁起が良いとされるのが「己巳の日」（つちのとみのひ）です。
この日は、60日に1度の頻度でしか訪れず、年間にわずか5～6日しかありません。
その希少性から、己巳の日に行う儀式や祈りは、特に強い力を持つとされています。
寅の日
寅の日には、「使ったものがいずれ戻ってくる」という考えがあります。
これが進化して、「お金を使ってもすぐに戻るため、金運が向上する日」という意味合いに変わりました。
このような思想に基づき、ビジネスでの契約や金銭に関わる活動は、相性が良いとされるようになりました。
特に、家のローンの契約や車の購入などの大きな支出は、寅の日に行うことが推奨されています。
契約を避けたほうがいい縁起の悪い日は？
六曜は4つの吉日、2つの凶日から成り、契約を避けた方がよい縁起の悪い日は赤口と仏滅になります。
ただし、吉日と言っても、先負は負けという字が入っているから縁起が悪いと捉えられたり、大安以外は日取りとしてふさわしくないと考える方もいます。
また、六曜以外にも注意をしたい暦注の上での縁起の悪い日もあり、特に不成就日は名称からして契約にはふさわしくないと考えられる日です。
意味は何も成就しない、成功しない日であることから、契約は避けた方がよいでしょう。
なお、不成就日も選日の一つのため、六曜と重なることがあります。
赤口や仏滅の凶日と重なると縁起の悪さが倍増するだけではなく、大安と重なってしまうと縁起の良さが半減すると言われています。
そのため、しっかりと縁起にこだわって契約を行いたいという方は、例え六曜で大安であっても選日で不成就日であればその日は避けた方がよいと言えるでしょう。
まとめ
契約に縁起の良い六曜は大安、友引、先勝、先負になりますが、先負は負けという字のイメージが悪いため、吉日であっても避ける方もいます。
また、不動産業界では基本的に契約は大安としているところもあるので、大安にこだわらず早く契約を済ませてしまいたいという場合は、その旨を営業スタッフになどに伝えておくのがよいでしょう。
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