暦の上で最上の吉日である天赦日。
一方で不成就日は縁起の悪い日になります。
それでは、吉日の天赦日と凶日の不成就日が重なると、その日の縁起はどうなるのでしょうか。
入籍や結婚式などのお祝い事の日取りは縁起を担ぎたいと思う方が多いと思いますが、いくら天赦日で最高の吉日と言っても、不成就日が重なってしまうと縁起の良さがなくなってしまうのか、気になるところですよね。
そこで今回は、天赦日と不成就日が重なる日の縁起について調べてみました。
天赦日と不成就日が重なると縁起的にはどうなの?
天赦日と不成就日が重なる日の縁起は、結論から言うと縁起は良いと言えます。
これは、「天赦日に限っては他のいかなる暦注(※)の吉凶の影響を受けない」と言われているからです。
天赦日は暦注下段という暦注の一つで、『百神が天に昇り、万物の罪を赦す』という意味のある日。
何をしても神様が許してくれる日=何をしても上手くいく日、ということになり、万事が吉となる日です。
冒頭でも触れましたが、暦の上の最上の吉日になるので天赦日以上の吉日は存在しません。
一方の不成就日は選日という暦注の一つで、言葉の通り、何も成就しない、成功しないという意味がある凶日です。
つまり、天赦日と不成就日が重なる日というのは、縁起の良い日(大吉日)と縁起の悪い日(凶日)が重なる日ということになります。
一般的に吉日と凶日が重なると、吉日は凶日の影響を受けて縁起の良さが半減すると言われています。(凶日も吉日の影響を受けて、縁起の悪さが緩和されると言われています)
しかし、天赦日だけはこのような影響を一切受けないと言われており、不成就日が重なっても天赦日の縁起の良さは変わらないとされています。
(※)暦に掲載される吉凶占いのこと。日本では六曜が特に有名ですが、天赦日が含まれる暦注下段の他に、十二直や二十八宿などがあります。
天赦日と不成就日が重なった場合、どちらの日を重要視したほうが良いの?
大事な行事の日取りを決める場合に、縁起を担ぐなら天赦日が最高の日取りになることは言うまでもありません。
しかし、そこに不成就日が重なってしまったら、どちらを重要視すればよいのか迷ってしまう方もいるかも知れません。
先ほど天赦日は暦注の中で唯一、他の暦注の吉凶の影響を受けない日と言いました。
そのため、天赦日に不成就日が重なっても、天赦日を重要視すれば不成就日の縁起の悪さを気にする必要はありませんよね。
とは言え、人の気持ちは「はい、そうですか」と簡単にはいかないこともあります。
いくら最高の吉日である天赦日であっても、同時に不成就日が重なってしまうことが気になってしまう方もいるでしょう。
人は良いことよりも悪いことの方に意識が向いてしまいやすいと言われているので、その日が天赦日であるよりも不成就日であることの方がひっかかってしまうこともあるのです。
このようなことから、暦注の上では天赦日が最高の吉日となるため、他の吉凶は気にする必要はないとされているものの、縁起にとことんこだわりたい方や凶日が重なることが不安になってしまう場合は、天赦日以外の吉日で他に凶日が重なっていない日を選ぶ方がよいかも知れません。
吉日と凶日が重なる理由は?
吉日と凶日が重なる理由は、暦注の種類によって日の吉凶の決め方が違うためです。
天赦日は暦注下段という暦注に含まれますが、暦注下段は十干十二支によって吉凶を決めています。
十干は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類、十二支は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12種類あるもので、この2つの組み合わせによって(例えば乙丑、壬辰など)昔は日付を決めていました。
天赦日の場合は、二十四節気の立春と立夏の期間内に巡ってくる戌寅の日、立夏と立秋の期間内に巡ってくる申午の日、立秋と立冬の期間内に巡ってくる戌申の日、立冬と立春の期間内に巡ってくる申子の日と、あらかじめ日が決まっています。
これに対し不成就日は、同じ十干十二支による決め方ですが月切りと言って、月の満ち欠けによって一ヵ月を決める旧暦を元にしています。
具体的には不成就日は旧暦の
・1月と7月 3・11・19・27日
・2月と8月 2・10・18・26日
・3月と9月 1・9・17・25日
・4月と10月 4・12・20・28日
・5月と11月 5・13・21・29日
・6月と12月 6・14・22・30日
と日が決まっていて、これを現在使用している新暦に直したものがその年の不成就日となります。
天赦日の節切りは、太陽の運行によって季節を分けた二十四節気の節気によって日を決めているもののため、同じ十干十二支ですが決め方が違っています。
このため、同じ日でありながらも暦注の種類によって日の吉凶が異なることから、天赦日と不成就日が重なるということが起こってしまうわけです。
2024年で天赦日と不成就日が重なる日は?
10月11日(金)
つまり、2024年は1日、天赦日に不成就日が重なってしまいます。(ただし、不成就日以外の凶日が重なっている可能性はあります)
日本で暦注と言えば圧倒的に六曜が有名なので、入籍や結婚式などのお祝い事の日取りは六曜の中で最も縁起が良い大安に行う方が多いと言われています。
しかし、最近は天赦日が最上の吉日であることをアピールする広告などが増え、大安よりも天赦日を選ぶ方も増えていると言われています。
人生の晴れの日を縁起の良い日で迎えたいのは、誰もが思うことではないでしょうか。
もし天赦日を選んでその日に不成就日が重なっていなければ、やっぱり嬉しいものですよね。
吉日や凶日は気にした方がいい?
暦注は日本で長く受け継がれてきた風習で、今も六曜を元に冠婚葬祭の日取りを決めるなど、日の吉凶を気にする方がいるのは事実です。
入籍や結婚式、お宮参り、七五三と言ったお祝い事は、縁起の良い日に行いたいと思うのはある意味で自然な流れとも言えますし、何か嫌なことがあってその日が凶日だとそれが理由だったと思い込みたいものですよね。
しかし、今回ご紹介した天赦日を始め、暦注はそもそも科学的根拠がありません。
吉日だからと言って必ず不幸が訪れるわけでもないですし、凶日は絶対に不幸が起こるということもありません。
天赦日や大安などの吉日に結婚をした夫婦が全員幸せに暮らしているかと言われたら、決してそうではないですよね。
暦注は、星座占いや血液型占い、タロット占いなどの占いの一つに過ぎません。
人生において何か大きな決断をする時などに、暦注による吉凶に頼りすぎてしまうと、結局色々迷って決められない可能性があります。
とは言え、このような占いが全くの役に立たないのか、と言われたらそれも違います。
吉日の日取りを選ぶことで物事を前向きに捉えることができたり、凶日であっても注意をしながら行事を進行できれば自信に繋がったりします。
暦注の日の吉凶を上手く生活や思考に取り入れることができれば、自分の気持ちをコントロールしやすくなったり、気持ちをポジティブに保つことができるでしょう。
まとめ
天赦日は暦注の中で唯一、他の吉凶の影響を受けない日と言われています。
そのため、不成就日と重なっても縁起が半減することはありません。
しかし、いくら天赦日が最上の吉日と言われても、凶日が重なっていることが気になってしまう方もいますよね。
そのような場合は、凶日を避けた方が精神衛生上よいと思われます。
大安と一粒万倍日など吉日が重なっている、もしくは凶日が重なっていない日を選ぶのがよいでしょう。
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